コンドーム不要の男性避妊薬

日本で多くの人が実践している避妊法は、コンドームを使うことです。しかしコンドームでは完全に避妊することはできずに、7回に1回の頻度で誤った使い方による妊娠が確認されています。またコンドームが外れたり破れたりしなくても3%は妊娠を防ぐことができません。日本では男性が主体となって避妊するかを決める傾向がありますが、女性用の避妊薬しかないのが現状です。しかしコンドームを使わない男性用の避妊薬の研究が進んでいます。それは「ベイサルジェル」というもので、精管にゲル状のポリマーを注入します。精子がポリマーの中を通ると鞭毛を破壊されるので、それ以上移動することができないので、射精しても子宮に到達することはありません。結婚して赤ちゃんを作りたくなったら、再び注射をしてポリマーを溶かせば、2~3ヶ月で精子は遊泳することができます。これはインドの研究者が開発したもので、すでに人を対象として大規模な臨床実験を行っています。中には15年間も効果続いている人がいますが、生殖機能が回復するかは分かっていません。アメリカのパーマセス財団は、埋もれた先進的医学研究として支援を始めました。実用化に向けた実験でベイサルジェルを注入した3匹のオスのマントヒヒとメスのマントヒヒを10~15頭同じ環境で過ごさせましたが、1匹もメスは妊娠しませんでした。この研究でも生殖機能の回復に関する実験結果が公表されていませんが、2016年~2017年までに実用化することを目指しています。ただし直接性器が触れるためエイズなど性感染症が蔓延する恐れがあり、外科手術でコストが高くなるなど誰もが自由に利用できる避妊法になるまで課題は多いです。