マンションを売却する際にかかってくる費用について解説しています。
一般的に、マンション売却時にかかる費用としては、仲介手数料がかかります。
実は、それ以外にもかかるマンション売却費用があるのです。
業界歴30年の不動産会社社長が、解説します。
マンション売却時に必ずかかる費用
マンション売却費用|仲介手数料
マンション売却にかかる仲介手数料は、広く認識されている感がありますが、改めて解説させていただきます。
不動産会社にマンションの売却依頼をし、販売活動と買主との条件交渉をしてもらった結果、無事に売買契約に至った場合に費用として発生します。
仲介手数料については、売買契約に至ったことに対し発生する費用=成約報酬であること、に注意が必要です。(引渡ではありません)
もしも、売買契約成立後に、買主か売主のどちらかの都合により、マンションの売買契約を解除したいという状況が発生しても不動産会社からの仲介手数料の請求権は無くなりません。
それは、法律で、売買契約が成立したことへの報酬を支払うものと定められているからです。
契約の解除とは、契約が白紙になっていること同じだと誤解する人がいますが、そうではありません。
契約の解除したとしても、契約締結している事実は、消えるものではありません。
契約締結の事実が残っている以上、不動産会社の請求権は消えるものではありません。
ここは重要なポイントなので、よく覚えておいてください。
不動産会社から、手数料請求権がなくなるのは、買主さんのローンが承認されなかった場合など、売主買主に責任のない場合の白紙解約の場合だけです。
契約解除と解約では、法的に取扱が異なることが注意点です。
手数料の金額については、以下のように決められています。
これを超える金額を不動産会社に支払うことはありません。
400万円超の場合、売買価格✖️3%+6万円+消費税 |
200万円超 400万円以下の場合、売買価格✖️4%+2万円+消費税 |
200万円以下の場合、売買価格✖️5%+消費税 |
マンション売却・場合によってかかる費用
マンション売却には、仲介手数料以外にも必要となる費用がいくつかあります。
マンション購入後に、引っ越しをしている方は、登記の表示を変更しなければなりません。
またマンション購入時にローンを利用し、その後抵当権抹消をしていなければ、抵当権抹消費用も必要になります。
その他にも、ケースによって必要となる費用があります。
解説します。
マンション売却費用|登記の表示変更費用
マンションを取得してから、転勤や引越しをした場合に、登記の所有者情報の変更をしてある人は、なかなかいません。
この場合、今回の売買に関して所有権移転=引渡の前までに登記の表示の変更(住所変更)をしておく必要があります。
これは、所有者が自分で法務局に出向いて手続きをすることが可能です。
司法書士に依頼する場合の費用は、一般的には3万円前後ほどです。
マンションの売却が成立し引渡が行われる直前までに、完了しておかないといけません。
マンション売却費用|抵当権抹消費用
売主さんのローン残債が残っている場合、マンションには抵当権がついたままになっています。
(完済をしていても、抵当権の抹消をしていなければ、抵当権はついたままになっています)
引渡の日に、司法書士の手続きにより、抵当権抹消の手続きと所有権移転の登記をおこないます。
抵当権の抹消費用は、残っている残債によって異なります。
司法書士に支払う抹消登記の司法書士手数料は、数万円です。
マンション売却費用|残置物処分
転居先に荷物を持っていかない場合や親が残したマンション売却のケースでは、残置物の処分費用が発生します。
荷物の量によって、費用はかなり金額に差が出ます。
費用金額は、トラックを何台使う必要があるか、人手が何人必要なのかによってことなります。
マンションでは、20〜30万円ですむこともありますが、一戸建てで面積が大きい場合荷物の量も多くなります。
処分費用が、60〜70万円かかることもあります。
事前に見積もりしておくことが可能です。
マンション売却費用|権利証を紛失した場合の費用
マンションの権利証を紛失してしまうことは、意外にあります。
また、引越し先に、荷物と一緒に間違えて送ってしまった、などの例もあります。
この場合、以前は保証人を立てて公正証書を作る対応でしたが、最近では、司法書士の職権による名義人本人確認で手続きができるように変わりました。
費用については、司法書士によって異なります。
費用は、概ね7〜8万円くらいになると思います。
マンション売却費用|補修費用
マンション売却(中古売買)は基本的に、現状渡しです。
現状渡しが基本ですので、修理を要する部分があったとしても買主はそのまま引き受けるのが、マンション売却条件の基本形です。
ただし、日常生活に支障をきたす部分や設備についてのことで修理を要することであったり、引渡時期のすりあわせ、価格条件の合意などの総合的な商談の中で、決定します。
ただし、交渉の条件として、補修相当分を値引きで対応するなどの交渉条件になる場合があります。
実例では、ボイラーが不調であるとか、窓やドアが開かない、などということがあります。
マンション売却費用|特別の広告費
一昔前までは、広告といえば、チラシでしたが、今はネット広告の時代になりました。
ネット広告の方が、マンション購入を検討している人だけが見る可能性が高いことと、チラシと比べるとはるかに広いエリアに対して、長期的に売却に関する情報発信ができるからです。
不動産会社は、自社のサイト以外にポータルサイトと呼ばれるスーモやアットホームのような不動産サイトで売却物件の広告を行います。
しかし、売主様の強い要望により、チラシや看板設置を行う場合があります。
売主さんの希望により、別途行う広告費用については、有料とされることがあります。
これは、法律上も有効です。
看板やチラシの売却にかかる費用は、場所の数によっては、非常に高額になる場合があります。
マンション売却の仲介手数料では、見合わないことがあるからです。
マンション売却・かけた方が良い費用
ハウスクリーニング
ハウスクリーニングについては、マンション売却では、できればした方が良いという費用になります。
特に、居住中でのマンション売却で話が進んだ場合など、売主さんが転居のため家具を移動した後に、意外に傷等が見つかることがあります。
中古売買なので、経年劣化による傷汚れについて、契約書で合意し、契約締結をしています。
しかし、買主さん側からすると、家具の跡から傷が出てきますと傷が増えたように、感じてしまいます。
買主さんによっては、感情的になるケースもあります。
傷の大きさ程度にもよりますが、ハウスクリーニングをしておくと、ある程度までは、「売主さんは、お金をかけてハウスクリーニングをしてくれたのだから、この程度の傷は目をつぶろう」ということで収まることがあります。
まとめ
マンションの売却にかかる費用といえば、仲介手数料が思い浮かびますが、それ以外にもケースによりまして、様々な費用がかかります。
ご自分の場合が該当するのかどうか、チェックをし、参考にしていただければと思います。
想定外の費用の支出で、手元に残る資金も変わってきます。
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