この記事でお伝えすること
1)『自分にとっての条件ポイントにあうのか』ということです。
2)その次に、不動産会社・建築会社が考える良い土地の基準です。
土地探しにおいて、『良い土地の見分け方』のポイントの考え方は、根本的に2つあります。
様々なサイトで書かれている『良い土地の見分け方』といいますのは、この2つ目の基準のことです。
建物を建てる上での良い土地という意味で、不動産会社・建築会社がサイトに記載しています。
実は、住宅を建てるということは、そこで「暮らしていく」ということです。
単純にいい建物が建てられるから良い土地ですとは、言い切れないのです。
では、良い土地の見分け方について解説してまいります。
不動産業界に30年間おります筆者から解説致します。
良い土地の見分け方・選び方|ポイント/まずエリアの選定
まず、良い土地の見分け方で重要なのは、エリアの選定です。
住宅を建てることを考えるとき、どのエリアに住むかという「どういう場所でどんな暮らしを希望するか」ということが最初にあります。
「暮らし方」を考える時に「何の必要条件を優先」してエリアを選ぶのか、です。
必要な条件から考えるとこんな感じでしょうか?
以上のような必要がケースがあると思います。
何を優先するのかによって、良い土地を選ぶエリアが決まります。
土地情報はたくさんあります。
しかし優先ポイントが明確になると、見分け方の選択肢はグッと絞られるはずです。
繰り返しですが、住宅を持つということは、そこに暮らすということです。
ですから、もう一つ考えるべき事は、「どんなイメージの暮らしぶり」なのかが、同じように大事なポイントになります。
・車などで遠くまで行かずに日々の生活が出来ること
・庭はなくても良いので、交通便など快適な場所で暮らしたい
たとえば、同じエリアに住んでいても、どんな暮らしをしたいのかが、違います。
ですので、戸建に住み方もいればマンションに住む方もいるのです。
どんな暮らしをしたいかによって、良い土地の見分け方の基準は、エリアと暮らしぶりのイメージが大事ということです。
良い土地の見分け方・選び方|全体の予算
予算は大事です。
多くの方は、建物の間取りや設備・仕様の打合せが始まると、夢が膨らんでいきます。
予定の予算を超えていく傾向があります。
各メーカーによって、建築単価はほぼ決まっています。
そして家族人数や暮らし方のイメージから、建物大きさが決まるはずです。
その上で、どのメーカーにするのか、土地の予算はいくらまでみられるのかのバランスを考えおく必要があります。
ここでバランスの調整をとって考えておくことは大事です。
ここがズレてしまい土地か建物に傾きすぎてしまうと、完成後に住んでから、不満が発生してしまいます。
住む場所は良いが建物に不満が残ったり、住宅の内部は素晴らしく満足だが、生活環境が暮らしにくい場所になってしまったりします。
多少の予算アップになる可能性もありますが、土地と建物の予算のバランスはよく考えた方が良いです。
2022年に予定されている生産緑地の解除によって住宅地価格が下がる可能性があることなども検討するポイントです。
良い土地の見分け方・選び方|建築するための良い条件
そして、次に建物を立てる事に関して、建築的に条件のいいという良い土地の見分け方となります。
項目別に解説していきます。
地盤
当然、良い土地の地盤は良いに越したことはありません。
しかし、支持地盤が何メートル地下にあるのか、分かれば良いのですが、個人売買の土地の場合、その様なデータがあることは稀です。
既に古屋が有り、解体をして新築住宅を建てる場合は、余り心配する事はありません。
更地の場合で、宅地造成をして作られた宅地の場合、売主の了解があれば、地盤調査を行いたいものです。
ただ多くの場合は、周辺の地形から、想定することは可能です。
また市町村によっては、地震防災マップや地盤図を確認出来る場合があります。
地形
土地の地形は様々です。
四角形でない土地形状の物件もたくさんあります。
これは良い悪いというよりも、建物を設計しやすいかどうかということになります。
一番理想的な良い土地の形は正方形に近い長方形です。
縦横のバランスが1×1.2~1.3位が理想的です。
面積がある程度大きい場合は、このバランスは考える必要はなくなります。
向き
一般的には、南向きの評価が高いので価格も高くなります。
ただ、北向きの土地であっても、南北の長さが長い敷地形状であれば、日影規制の関係で建物は北側(道路側)に寄せて建てる設計をするはずです。
その結果、庭も広くとれるので、土地の有効活用を考えると、見分け方として北向きの土地は決して悪くはありません。
逆に、一般的には南向き評価が高い(南角地は更に高い)です。
しかし、その分道路から家の中が見えやすくなるというリスクがあります(道路側が南です。家の方は南側に窓を向けて設計しますので)。
それを気にして、南側の庭に大きめの植樹をするケースがあります。
しかし、成長に伴い家の中に日光が入りにくくなるという事例も少なくありません。
壁で囲ってしまうのも同じことが起きてしまいます。
ですので、どちらの向きにもメリットとデメリットがあります。
広さ
土地は広い方が良いと考えがちですが、狭すぎても広すぎても困ります。
ですので、ちょうど良い広さの土地の単価が一番高くなります。
容積率の小さいエリアでは、狭すぎますと住宅を建てることが出来ません。
可能だとしても小さい住宅になってしまいます。
逆に広すぎますと、周辺の相場単価どおりに計算すると、高すぎて買えない価格になります。
ですので、広すぎる土地の単価は低くなります。
土地単価には地域格差が大きいため、具体的な面積をここで示すことが出来ません。
ただ、土地には建ぺい率と容積率があり、単価の高い場所は土地価格は高くなります。
しかし容積率が大きい場合が多いですから、土地面積が20坪台でも40~50坪クラスの建物を建てる事は可能な場合が多いです。
逆に郊外へ向かいますと土地価格は安いですが、容積率の制限が厳しい(60%というところもあります)ので、土地面積が70~80坪ないと同じ大きさの家を建てられない計算になります。
用途地域
どんな種別の建物を建てられるエリアなのかが、都市計画の中で決められています。
住居系のエリアは制限が厳しく、工業系・商業系は、制限が緩いです。
制限が緩いということは、何でも建てられてしまいます。
例えば工業系の場所に、一戸建てを建ててしまった場合、すぐ近くに工場や危険物関係の建物を建設されるようなことがあっても反対することは出来ません。
制限が厳しいエリアは、基本的に住宅、教育関係、小規模店舗等が建てられる種別になります。
一般的な住宅街ということになります。
利便性が高いのは商業系のエリアです。
すぐ近くに色々なお店がある環境になります。
しかし車の往来が激しいなど、子育て世代であれば、環境的には難しいのではないでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットがあるのです。
接道状況
建築基準法では、敷地が道路に2M以上接していれば、建築可能です。
整形の四角形で、一辺が道路に接していれば、特に問題はありません。
時に、敷地の一部が延長(通路)して前面道路に接しているときなどに2M幅以上あれば建築可能です。
ただ、最近は国産車も輸入車も大型化傾向ですから、実際にはもう少し間口が広くないと、2Mちょうどでは、車の通行はしづらいと思います。
これは重要な要素です。
道路の段差
道路との段差がある土地は、建築に関連するコストが多くかかります。
道路との段差がない場合は、建築費のことだけを考えれば良いですが、敷地面が道路よりも1m・2mと高低差がある場合、擁壁が必要になりまあす。
また、車庫も敷地を掘り込んだ工事が必要になりますので、状況によっては、プラスで数百万ということもあります。
ただ、その分、高い位置に建物が建つことになりますので、陽当たりや風通しについては、メリットがあります。
傾斜
これは敷地面が傾斜しているのではなく、道路の傾斜のことです。
ただし、元々の地形が道路に現れていますので、敷地自体は斜面を一部切り取り・一部盛土を行っていることになります。
ですので、完全な平坦地と比べると、少しリスクを感じます。
実は地形的に山の裾野を切土・盛り土して宅地造成しているような場所では、地中に『水道(みずみち)』という水の流れがある場合があります。
宅地造成工事により、その『みずみち』の流れが流れが変わってしまい、造成地の一部にその流れが起きてしまうこともあります。
建築前の調査が必要になります。
道路
宅地に接する道路の幅がポイントになります。
建築基準法では、4mの幅が必要になります。
道路幅が15m超になりますと、車の往来も多くなります。
ですので、住宅地として望ましいのは、8m、ないし6mが理想です。
広い場合は10~12m程が上限ではないでしょうか。
それ以上の幅員があっても、当然建築は可能ですが、交通量の多さは子育てファミリーには不安要素の一つになりますし、騒音の原因にもなります。
まとめ
おさらいになりますが、『良い土地の見分け方』と一言でいいましても、どんな暮らし方を望んでいるかのかによります。
個人の生活や暮らしに関しての価値観によって違うということが、ご理解頂けたと思います。
土地の見分け方について、お役に立てれば幸いです。
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