「要旨とは簡単にいうと何?」「レポートや論文の要旨には何を書けばいい?」と迷っていませんか。
要旨とは、文章全体の中心となる内容や結論を短くまとめたものです。読み手が本文を読む前に、何について書かれているのかを把握できるようにします。
レポートや論文では、一般に目的・方法・結果・結論を中心にまとめます。ただし、授業の課題や提出先によって、必要な項目や文字数は異なります。
この記事では、要旨の簡単な意味、要約との違い、レポート・論文での書き方、構成、例文、注意点を解説します。
要旨とは?簡単にいうとどんな意味?

要旨とは、文章全体の中心となる内容や結論を、短くまとめたものです。
簡単にいうと、「この文章には何が書かれ、最終的に何が分かるのか」を短時間で伝える部分です。
一般的な文章では、主題、重要な内容、結論をまとめます。レポートや研究論文では、内容に応じて目的・方法・結果・結論を中心にまとめるのが基本です。
ただし、すべての要旨が同じ構成になるわけではありません。提出先から文字数や項目が指定されている場合は、その指示を優先してください。
一般的な文章における要旨の例
例えば、「健康的な生活を送るための方法」を説明した文章があるとします。
要旨は、次のようにまとめられます。
この文章では、健康的な生活に必要な食事・運動・睡眠の基本を説明し、毎日の生活習慣を無理なく整えることの重要性を示している。
要旨では、個別の方法をすべて並べるのではなく、文章全体の主題と結論を短くまとめます。
要旨と要約の違い
要旨と要約は、どちらも文章を短くまとめるものですが、重視する点が異なります。
要旨は、文章の中心となる主張、目的、結論を抜き出して示すものです。
要約は、文章全体の流れや重要な情報を、元の内容に沿って短くまとめるものです。
ただし、実際には同じような意味で使われる場合もあります。課題や提出先で用語が指定されている場合は、その指示に従いましょう。
要旨の例
本稿は、食品ロスが発生する原因を整理し、家庭で実践できる削減方法を示すものである。
要約の例
食品ロスは、買いすぎ、作りすぎ、期限への誤解などによって発生する。削減するには、必要量を確認して購入し、保存方法を工夫することが重要である。
レポートの要旨に書く内容
レポートの目的
何について調査・検討したレポートなのかを示します。
例:
本レポートでは、大学生の朝食習慣と午前中の集中状態との関係を検討した。
調査や検討の方法
文献調査、アンケート、実験、事例分析など、どのような方法を使ったのかを短く示します。
例:
大学生100人を対象に、朝食習慣についてアンケート調査を行った。
主な結果
調査や分析から分かった重要な結果を書きます。
例:
朝食を毎日取る学生は、取らない学生よりも午前中に集中しやすいと回答する割合が高かった。
結論
結果から何がいえるのかをまとめます。
例:
以上から、朝食習慣は午前中の集中状態と関連する可能性がある。
課題によっては、調査方法や結果を含めず、主題と結論だけを求められる場合もあります。指定された形式を確認してください。
要旨の書き方を5つの手順で解説
1.本文を最後まで完成させる
要旨を先に完成させると、本文の内容や結論とずれる場合があります。
まず本文を書き終え、最終的な目的、結果、結論を確認してください。
2.目的・方法・結果・結論を抜き出す
本文から、次の内容をそれぞれ一文程度で抜き出します。
・何を明らかにする文章なのか
・どのような方法を使ったのか
・何が分かったのか
・結果から何がいえるのか
3.重要度の低い情報を削る
詳細な背景、細かな数値、具体例、引用、感想など、要旨に不可欠でない情報を削ります。
結果を伝えるうえで重要な数値は残して構いません。
4.目的から結論まで自然につなぐ
抜き出した内容を、目的・方法・結果・結論の順に並べます。
同じ表現が続く場合は、接続や文末を整えて読みやすくします。
5.本文と矛盾していないか確認する
要旨だけに書かれた新しい情報がないか、本文と異なる結論になっていないかを確認します。
最後に文字数や提出形式も確認してください。
要旨を書くときの基本ルール
指定された文字数と形式を守る
要旨の長さに一律の決まりはありません。
200字、400字、800字などの指定がある場合は、その範囲内でまとめます。見出しの有無やキーワードの記載についても、提出先の指示を優先してください。
本文にない情報を加えない
要旨には、本文で扱っていない主張、結果、考察を追加しません。
本文全体を正確に反映することが重要です。
感想を書かない
「興味深かった」「勉強になった」などの感想は、通常の要旨には含めません。
目的、内容、結果、結論を中心に書きます。
引用や細かい説明を入れすぎない
本文中の引用、長い背景説明、細かな事例は省きます。
研究結果を理解するために不可欠な数値だけを残してください。
略語や専門用語を使いすぎない
読み手が理解できない略語や専門用語は避けます。
必要な専門用語は、意味が分かる形で簡潔に使いましょう。
文体を統一する
「です・ます調」と「だ・である調」を混在させず、本文や提出先の指定に合わせます。
大学のレポートや論文では、「だ・である調」が使われる場合も多くあります。
レポートの要旨の例文
アンケート調査を行ったレポートの例
本レポートでは、大学生の通学時間と授業前の疲労感との関係を明らかにするため、大学生100人を対象にアンケート調査を行った。その結果、通学時間が長い学生ほど、1時間目の授業前に疲労を感じる割合が高い傾向がみられた。以上から、通学時間は授業前の疲労感に関連する可能性がある。
文献調査を行ったレポートの例
本レポートでは、食品ロスが発生する主な原因と家庭でできる削減方法を、関連資料をもとに整理した。食品ロスの原因には、必要量を超えた購入、作りすぎ、期限表示への誤解などがある。削減には、購入前の在庫確認、適切な保存、食べ切れる量の調理が重要である。
考察型レポートの例
本レポートでは、在宅勤務が働き方に与える影響について検討した。在宅勤務には、通勤時間を削減できる利点がある一方、仕事と生活の切り替えが難しいという課題もある。効果的に運用するには、勤務時間と連絡方法を明確にする必要がある。
論文の要旨に書く内容
論文の要旨は、研究の内容を短時間で把握できるようにまとめた部分です。
基本的には、研究の背景や目的、方法、結果、結論を記載します。ただし、分野、大学、学会、投稿先によって形式は異なります。
研究の背景と目的
どのような課題があり、何を明らかにする研究なのかを示します。
背景説明を長くせず、研究目的へ直接つながる内容に絞ります。
研究方法
対象者、資料、実験、調査、分析方法などを簡潔に示します。
方法の詳細は本文へ書き、要旨では結果を理解するために必要な範囲に絞ります。
主要な結果
研究で得られた重要な結果を書きます。
「調査した」「検討した」だけで終わらせず、何が分かったのかまで示してください。
結論
結果から何がいえるのか、研究目的に対する答えを示します。
本文で扱っていない推測や、結果から導けない断定は加えません。
キーワード
論文によっては、要旨とは別にキーワードの記載を求められます。
必要な個数や表記方法は、投稿規定や提出要項に従ってください。
要旨の良い例と悪い例
悪い例
私は食品ロスについて調べました。食品ロスにはいろいろな問題があり、調べていてとても勉強になりました。私たち一人ひとりが気をつける必要があると思います。
問題点
・調査の目的が曖昧
・調査方法が書かれていない
・具体的に何が分かったのか不明
・感想が中心になっている
良い例
本レポートでは、家庭で発生する食品ロスの原因と削減方法を、関連資料をもとに整理した。主な原因は、買いすぎ、作りすぎ、期限表示への誤解である。削減には、購入前の在庫確認、適切な保存、食べ切れる量の調理が重要である。
要旨の書き方テンプレート
レポート向けテンプレート
本レポートでは、【テーマ】について【調査・検討の目的】を明らかにするため、【方法】を行った。その結果、【主な結果】が分かった。以上から、【結論】と考えられる。
論文向けテンプレート
本研究の目的は、【研究目的】を明らかにすることである。【対象・資料】を用いて【研究方法】を実施した。その結果、【主要な結果】が示された。以上の結果から、【研究目的に対する結論】が示された/示唆された。
一般的な文章向けテンプレート
この文章では、【テーマ】について【中心となる内容】を説明し、【結論・主張】を示している。
よくあるQ&A
要旨とは簡単にいうと何ですか?
要旨とは、文章全体の中心となる内容や結論を短くまとめたものです。本文を読まなくても、何について書かれた文章なのかを把握できるようにします。
要旨には何を書けばよいですか?
一般的な文章では、主題、重要な内容、結論を書きます。レポートや論文では、目的・方法・結果・結論を中心にまとめます。
要旨と要約の違いは何ですか?
要旨は、文章の中心となる主張や結論を示すことを重視します。要約は、文章全体の流れや重要な情報を、元の内容に沿って短くまとめます。
レポートの要旨はどのように書きますか?
レポートを完成させた後、目的、方法、主な結果、結論を一文ずつ抜き出し、重複や細かい説明を削ってつなげます。
要旨は何文字で書けばよいですか?
一律の文字数はありません。200字、400字、800字など、授業や提出先から指定された文字数に従ってください。指定がない場合は、必要な内容を簡潔にまとめます。
要旨は先に書いてもよいですか?
下書きを先に作ることはできますが、最終版は本文を完成させた後に書く方が、内容や結論とのずれを防ぎやすくなります。
要旨に感想を書いてもよいですか?
通常の要旨には、「勉強になった」「興味深かった」などの感想は書きません。文章の目的、内容、結果、結論を中心にまとめます。
要旨に引用を入れてもよいですか?
通常は長い引用を入れません。要旨は本文の要点を短く伝える部分であるため、引用よりも自分の言葉でまとめるのが基本です。
論文の要旨とレポートの要旨は同じですか?
基本的な役割は同じですが、論文では研究目的、方法、主要な結果、結論がより明確に求められます。形式は大学、学会、投稿先などによって異なります。
まとめ
要旨とは、文章全体の中心となる内容や結論を短くまとめたものです。
一般的な文章では、主題と重要な内容、結論をまとめます。レポートや論文では、目的・方法・結果・結論を中心に書くのが基本です。
要旨を書くときは、本文を完成させてから必要な情報を抜き出し、重要度の低い説明や感想を削ります。
文字数や形式に一律の決まりはないため、授業、大学、学会、投稿先などから指定がある場合は、その指示を優先してください。
要旨と要約の使い分けをさらに詳しく知りたい方は、「要旨と要約の違い: 文章の要点を的確に伝える手法とその違い」を参考にしてください。
要旨を作る手順を詳しく知りたい方は、「要旨の書き方の手順は基本構成と重要なポイントがわかる」を参考にしてください。
要旨に関する記事をまとめて確認したい方は、「要旨のまとめ」を参考にしてください。
