読書量と学力の相関関係|劇的な向上効果とは

読書量,学力 (2)

人間には、知識を身につけるために、様々な方法があります。しかし、中でも最も手軽で効果的なのが「読書」です。読書は、新しい知識を習得するだけでなく、思考力や想像力を発展させ、人生をより豊かにすることができます。

本記事では、読書量と学力の関係について掘り下げ、その劇的な向上効果について考えていきます。国内外の調査結果をもとに、読書が学力に与える影響や、劇的な向上効果が現れた事例を紹介し、読者の皆さんが読書を通じて学力を向上させるためのヒントを提供していきます。

目次

読書量と学力の相関関係|劇的な向上効果とは

「読書量と学力の関係」とは、読む本の数や種類が学習成果にどのように影響するかという問題です。読書量と学力の関係については、多くの研究が行われており、一般的には、読書量が多いほど学力が高いという傾向があるとされています。

しかし、読書量だけではなく、読む本の質や内容、読書の目的や方法なども重要な要素であると考えられます。また、学力という概念も、科目ごとや領域ごとに異なることを考慮する必要があります。したがって、「読書量と学力の関係」は、単純な因果関係ではなく、複雑な相互作用の結果であると言えます。

読書量が学力に与える影響

読書量は学力に多大な影響を与えることがわかっています。読書週間を身につけることで、語彙力や思考力、知識の習得に繋がり、学力の向上につながるのです。

読書量が学力にあたる影響といえば次の3点があげられます。「多読による語彙力の向上」「読書による思考力・想像力の発展」「読書による知識の増加」です。

多読による語彙力の向上

読書を習慣化することで、多くの単語や表現を目にする機会が増えます。それによって、語彙力が自然と向上するという研究結果があります。

例えば、小学校低学年の子どもたちに、毎日15分間読書をするように指導した実験があります。結果として、読書を習慣化したグループとしていないグループと比較して、語彙力の伸びが高かったという報告があります。また、多くの国際的な調査でも、読書量が多い人ほど語彙力が高い傾向があることが示されています。

また、小説やエッセイ、新聞記事など、ジャンルや文章の形式が異なるものを読むことで、多様な表現力を身につけることができます。特に小説は、登場人物の気持ちや状況を描写するための表現が豊富に含まれているため、語彙力の向上に役立ちます。

さらに、語彙力が高い人は、コミュニケーション能力が高く、ビジネスや学術分野での成功にも繋がるとされています。

読書による思考力・想像力の発展

読書は、頭の中で物語や情景を想像することが必要です。そのため、読書は自分自身で考える力や想像する力を養うことができます。また、読書によって新しい視点やアイデアに触れることができ、自分自身の思考力や想像力を発展させることができます。

例えば、小説を読むと、登場人物の行動や言動から彼らの心理状態を想像する必要があります。そのような想像力の練習は、現実の人間関係や社会においても、他人の立場や感情を考慮した判断力を養うことに繋がります。

また、読書は新しいアイデアや視点を知ることができます。例えば、ビジネス書や科学書を読むと、他人が見落としている問題点を見つけたり、新しいアイデアを発想することができます。さらに、小説を読むことで、異なる人物像や文化に触れ、自分の視野を広げることができます。これにより、創造力や想像力を発展させることができます。

読書による知識の増加

読書によって、様々な知識を獲得することができます。本には、歴史、科学、社会、文化、芸術、ビジネスなど、様々な分野の情報が詰まっています。ここでは、読書による知識の増加について詳しく説明します。

まず、読書は知識の獲得方法として非常に効果的です。例えば、専門書を読むことで、自分が学びたい分野について深い知識を習得することができます。また、ニュース記事や雑誌を読むことで、社会や政治、経済に関する最新情報を得ることができます。

さらに、読書は自己学習に非常に適しています。自分が知りたい分野について本を読むことで、自己学習が可能になります。例えば、語学書を読むことで外国語を学ぶことができます。また、自己啓発書を読むことで、自分自身の成長やキャリアアップに役立つ知識を得ることができます。

さらに、読書は知識を習得するだけでなく、知識の定着にも効果的です。本を読むことで、知識を理解し、自分の言葉でまとめることができます。また、読んだ本について語り合うことで、理解を深めることもできます。

読書量と学力の相関関係

読書は、言語能力や知識の拡充、思考力の向上に寄与すると広く考えられています。多くの研究が、読書量と学力との間に正の相関関係があることを示しています。ここでは、読書量と学力との相関について簡単に解説し、そのメカニズムについても触れます。

1. 言語能力の向上

  • 語彙力: 読書を通じて新しい単語や表現を学び、語彙力を向上させることができます。これは特に、読解力や作文力の向上に直結します。
  • 文法理解: 読書を通じて、文法の正しい使用法を自然に学ぶことができます。

2. 知識の拡充

  • 多様な知識: 読書は多様な分野の知識を提供します。この知識は、学校の教科に直接関連するものもあれば、そうでないものもあります。
     
  • 深い理解: 読書は、特定のトピックについて深く理解する機会を提供します。これは、学校の教科の理解を深める助けになります。

3. 思考力の向上

  • 解析力: 読書は、情報を解析し、理解し、評価する能力を養います。
  • 想像力: 物語を読むことは、想像力を刺激し、創造的思考を促進します。

4. 集中力の向上

  • 持続的な集中: 読書は、一つの活動に集中する能力を育てます。これは、学習においても重要なスキルです。

5. 学習習慣の形成

  • 自主学習の習慣: 読書は自主学習の習慣を形成する助けになります。自主学習は、学力向上にとって重要な要素です。

6. 学習の動機付け

  • 興味・好奇心: 読書は新しい知識や視点に触れることで、学習に対する興味や好奇心を喚起します。

読書量が増えることで、これらの要素が向上し、結果として学力も向上する可能性があります。しかし、個人差や他の要因(家庭の環境、教育の質、個人の学習意欲など)も学力に大きな影響を与えるため、読書量と学力の相関関係は単純明快なものではないことも理解することが重要です。

読書量と学力の関係における調査結果

読書量と学力の関係については、多数の調査が行われてきました。ここでは、いくつかの代表的な調査結果を紹介します。

OECD(経済協力開発機構)のPISA調査

OECDが定期的に行っている国際学力調査「PISA(Programme for International Student Assessment)」において、読書量と数学・科学・言語力の得点との関係が調査されています。その結果、読書量が多い生徒ほど数学・科学・言語力の得点が高い傾向があることが示されています。

以下、2019年の新聞情報から参照。

ベネッセ教育総合研究所の調査

ベネッセ教育総合研究所が行った調査によれば、小学生の読書量が多い子どもほど、知識問題において1年間の変化を見ると、偏差値を大きく伸ばしていると指摘しています。読書は国語の基礎力や思考力と関連していることがわかったとしています。

また読書は時間が経つのを忘れるくらい夢中になる体験であり、読書量が多いほど、心が落ち着く傾向があることもわかったとしています。

読書量と学力の関係の調査結果から読み取れること

調査結果から読み取れるのは以下の点です。

  • 読書量が多い生徒ほど、数学・化学・言語力の得点が高い傾向がある。
  • 読書量が多い小学生ほど、中学校入学時の国語の偏差値が高い傾向がある。
  • 中学生時代も読書量が多い生徒ほど、高校入学時の国語の偏差値が高い傾向がある。
  • 小学校低学年の子どもたちが読書習慣を持つことが、中学生時代の成績につながる。
  • 小学生時代から読書習慣を持っている子どもたちは、中学生時代においても自信を持って学校生活を送っている。

読書量によって劇的な向上効果が現れた事例

読書量によって劇的な向上効果が現れた事例としては、以下のようなものがあります。

「驚異の読書マラソン少女」の事例:日本では、全国小学生読書感想文コンクールの参加者の中には、年間で200冊以上の本を読んだという子どもたちもいます。また、東京都内に住む小学5年生の女の子が、1年間で400冊以上の本を読んだという報道がありました。この女の子は、学校帰りや週末に図書館で本を借りて読み、読書習慣が身についたことで、国語の成績が1年間で200点以上も上がったと言われています。

海外では、アメリカのある小学校で、1年間で1000冊以上の本を読んだという子どもたちもいたという報道があります。また、イギリスでは、ある小学校で、1年間で平均して500冊以上の本を読んだという子どもたちがいたという事例があります。

カナダの読書プログラムの事例:カナダのある地域で、小学生を対象とした読書プログラムが行われました。このプログラムでは、1週間に5冊以上の本を読むことを目標とし、1年間で100冊以上の本を読むことができた子どもたちがいました。このプログラムに参加した子どもたちは、1年間で平均して学力が1年以上分向上したという結果が出たと言われています。

読書量によって劇的な学力向上効果が現れた理由とは

読書量が増えることで、劇的な学力向上が現れる理由には、やはり読書によって語彙力や表現力が向上することがあります。語彙力が上がることで、文章を理解しやすくなるため、学習効果が高まります。

また読書量が増えることによって想像力や創造力が刺激されます。想像力や創造力が高まることは、問題解決能力や発想力の向上につながります。

そして、知識が増えることで、学問や社会に関する理解度が深まり興味を持つことも増えますので、学習意欲が高まるのです。更に、読書によって、自分自身や他人の感情や思考を理解することができるようになり、社会性や共感力が育まれる。

こうした多くの効果によって、総合的に学力が向上するのです。

読書量を増やすことは読書習慣をつけること

読書量は習慣によって増えるものです。たくさん本を読もうという意識を持続させるよりも、常に本を読む環境や習慣をつけることです。

読書習慣をつける方法では以下のポイントに注目してください。

目標を決める

読書をすることで得たいスキルや知識、興味のあるジャンルなどを明確にし、それらに関する本を選んで読書する目標を設定することが大切です。

時間を確保する

忙しい日常の中で読書をするためには、自分自身の生活スタイルに合わせた読書時間を確保することが必要です。例えば、通勤や通学時間、寝る前などに読書をする時間を作ることができます。

興味のある本を選ぶ

読書に興味を持つためには、自分の好みに合った本を選ぶことが大切です。読書を楽しむことができるようになると、読書習慣を継続することが容易になります。

読書の仲間を作る

読書仲間を作ることで、お互いに本を紹介し合ったり、読書の進捗状況を報告しあったりすることで、読書に対するモチベーションを高めることができます。子供同士でも良いですし、親子でも良いです。

読書ジャンルの間口を広げる

自分が普段読まないジャンルの本にも挑戦することで、新たな発見があるかもしれません。「おすすめの本」「売れてる本」などから普段読まないジャンルの本を選んでみるのです。

まとめ

読書量と学力の関係について解説しました。読書が苦手だという小学生や中学生もいるかもしれません。しかし、社会人になってから読書をしてこなかったことを後悔している大人はたくさんいます。

読書不足が仕事に影響し、成果や評価に現れるからです。読書をすることは、知識を得ること以上に、本を読むという行為が重要なのです。読書をすることは、言葉の意味を知り、文章を理解し相手の言っていることを理解し、文章を書くことや言葉のコミュニケーション力へと繋がっていくからです。

読書量を増やすことは、学力だけではなく人生や仕事に非常に大きな影響を与えます。読書量を増やす習慣をつけましょう。早ければ早いほど効果的です。

関連記事一覧

  1. 読書
  2. 読書で得られる効果とは
  3. 読書効果は大人になってから差が拡大する
  4. 読書が効果ないと思ってる人は効果がある事実を知らない
  5. 読書効果は小説にもある|娯楽だからと馬鹿にできません
  6. 読書の効果は子どもから|読書量が大事
  7. 毎日本を読むと脳に良い効果が大きくなる理由
  8. 朝読書の効果が高いのは理にかなった理由があるから
  9. 読書の効果を上げるのはカンタンにできることばかり
  10. 読書効果が高い本のジャンルは何?求める目的によって違う
  11. 読書で追体験をしているか|読書効果がない人は字面しか見てない
  12. 知的好奇心の高い人の特徴|読書は知的好奇心を刺激する
  13. 読書にはストレス解消の効果があるのは本当なのか
  14. 読書の疲れに悩むあなたへ。疲れを解消する5つの方法
  15. 読書量と学力の相関関係|劇的な向上効果とは*本記事
  16. 読書量の平均や適切な目安|読書量を増やすには
目次