句読点が多い文章は読みにくい?読み手が受ける印象と生じる誤解

句読点が多い文章 読みにくい

「一生懸命丁寧に書いたつもりなのに、相手から『読みづらい』と言われてしまった」「句読点を多めに入れた方が親切だと思っていたけれど、実は逆効果なの?」

自分では「読みやすさ」を追求して打っているはずの句読点も、度を越してしまうと読み手の集中力を削ぎ、意図しないネガティブな印象を与えてしまうことがあります。文章における句読点は、音楽でいう「休符」のようなものですが、休符だらけの曲がメロディを失うように、句読点だらけの文章はメッセージ性を失ってしまいます。

この記事では、句読点が多い文章が読み手にどのような印象を与えるのか、なぜ「読みにくい」と感じさせてしまうのか、その心理的メカニズムと誤解を解くためのポイントを徹底解説します。


目次

1. 読み手が「句読点が多い」文章に抱く3つのネガティブな印象

文章の内容がどれほど素晴らしくても、句読点の配置一つで読み手の「受け取り方」は大きく変わります。特に句読点が多すぎる場合、読み手は無意識に以下のような印象を抱きがちです。

① 「思考が整理されていない」という印象

句読点が細かく入りすぎている文章は、読み手の目には「思考がブツ切りになっている」ように映ります。一文を最後まで一気に組み立てる力が不足している、あるいは論理的に物事を整理できていないという印象を与え、結果として「仕事ができない」「頼りない」といった評価に繋がってしまうリスクがあります。

② 「過剰な不安や自信のなさ」の露呈

「ここで区切らないと誤解されるかもしれない」「丁寧に説明しなくては」という書き手の不安は、過剰な読点(、)となって現れます。読み手はその「過剰な配慮」を敏感に感じ取り、「この人は自分に自信がないのではないか」「何かに怯えながら書いているのではないか」と、内容以前に書き手のメンタル面に意識が向いてしまいます。

③ 「威圧感や距離感」による不快感

文末の句点(。)を多用し、さらに一文が短い構成が続くと、読み手は「突き放されている」「怒っているのではないか」という威圧感を覚えることがあります。これは近年「マルハラスメント」とも呼ばれる現象ですが、特にチャットツールにおいて、句読点の多さは「心の壁」として機能してしまうのです。


2. なぜ「読みにくい」のか?読み手の脳にかかる負荷の正体

「句読点が多い=読みにくい」と感じるのには、人間の脳の情報の処理プロセスに基づいた明確な理由があります。

脳内の「リズム」が何度も遮断される

人間は文章を読むとき、心の中で「音読」に近いリズムを刻んでいます。句読点はこのリズムを司る信号ですが、これがあまりに頻繁に登場すると、脳は都度「停止」と「再始動」を繰り返さなければなりません。このスイッチの切り替えが、読み手に多大なストレス(認知負荷)を与えます。

視覚的な「ノイズ」として処理される

文章を「塊」として捉えようとする際、黒い点(、や。)が画面や紙面に散らばっていると、それが視覚的なノイズとなります。文字情報よりも記号の存在感が強まってしまい、肝心の内容が頭に入ってこなくなるのです。

主語と述語の「繋がり」が見えなくなる

「私は、昨日、近所の、公園に、行きました。」 このように細かく区切られると、読み手の脳は「私は」という主語を保持したまま「行きました」という述語にたどり着くまでに、何度も情報を上書きしなければなりません。一文が長い上に句読点が多いと、読後感は「結局、誰がどうしたんだっけ?」という混乱に変わります。


3. 句読点の多さが原因で生じる「コミュニケーションの誤解」

文章の見た目は、時に言葉の意味以上の情報を伝えてしまいます。句読点が多すぎることで起きやすい誤解を整理します。

  • 「嫌われている」という誤解: 丁寧さを求めて「。」で文をきっちり終わらせすぎると、相手は「これ以上会話を広げる気がない」「拒絶されている」と受け取ることがあります。
  • 「説教されている」という誤解: 句読点が多い文章は、幼児に言い聞かせるようなテンポに似てしまうことがあります。対等な関係であるはずの相手に対して、「バカにされている」「上から目線で説教されている」という不快感を与えてしまうケースです。
  • 「緊急事態だ」という誤解: 細切れの文章は、息が上がっている状態を連想させます。急ぎでない内容でも、句読点が多いだけで「何か重大なトラブルがあったのか?」と相手を不要に焦らせてしまうことがあります。

4. 読み手のストレスを最小限にする「黄金のバランス」

自分の文章が「多いかも」と感じたら、読み手の視点に立って以下の調整を行ってみてください。

  1. 「一息」で読めるか確認する: 一文を声に出して(あるいは心の中で)読み、実際に息を吸うタイミング以外にある読点(、)は思い切って削ります。
  2. 一文の文字数を「40文字〜60文字」に収める: 句読点が多くなるのは、そもそも一文が長すぎるからです。一文を短く切ることで、句読点に頼らずとも意味が明確になります。
  3. 「接続詞」の後の読点を精査する: 「しかし、」「そして、」など、接続詞の後に機械的に打っている読点をいくつか消してみるだけでも、文章のスピード感は劇的に改善します。

書き手の心理状態や背景にある特性を深く知る: 読み手側の印象を把握した上で、そもそもなぜ自分(あるいは相手)は句読点を多く打ってしまうのか、その根本的な心理や精神状態について詳しく知りたい方は、句読点が多い人に障害?病気、精神状態、心理の全てを解明をあわせて参考にしてください。


まとめ:句読点は「おもてなし」の心で打つ

句読点は、書き手のこだわりを押し付けるためのものではなく、読み手をスムーズに目的地(結論)まで案内するための「ガイド」です。

多すぎるガイドは、かえって旅の邪魔になります。「読み手は今、どの程度のリズムを求めているか?」という視点を持つだけで、あなたの文章は驚くほど洗練され、誤解のないコミュニケーションが可能になります。

関連記事一覧

  1. 読む書く
  2. 文章力
目次