語彙力が低い人は話をしていると擬音が多く、表現がワンパターンなのですぐに分かります。
では語彙力が高い人とはどんな人なのでしょう。語彙力が高いとは、たくさんの言葉を知っていて、場面に応じて言葉を使いこなし言い換えの能力が高い人ということです。参考までに、単純に言葉の意味だけを知っている人のことは語彙力が高いとはいいません。
語彙力が高い人は言い換え力がすごい
語彙(ごい)とは、日本人の場合なら知ってる日本語の言葉のことです。語彙が多いと言えば、たくさん言葉を知っているということになります。さらに語彙力が高いと言われれば、たくさんの言葉を使いこなす能力が高いということになります。
さらに深掘りすると、一般的に社会人が仕事で語彙力が高いと言われるのは、場面に応じて言葉を言い換えて使える「言い換え力」が高い人ということになります。
語彙力とは言い換え力|社会人の時と場合に応じた言い換え
日本語は同じ意味の言葉でも、相手の年齢や関係性によって、言葉遣いは様々に言い換えられます。
例えば、何かの質問をされて「知っています」という答えを返そうとするときに、幾つも言い方があります。
「ああ、知ってるよ」
「はい、知ってます」
「承知しております」
「存じております」
社会人の場合なら相手が自分より年齢が上なのか下なのか、関係性は顧客や取引先なのか、上司なのか、同僚なのか、同じ意味のことを伝えるのであっても、関係性によってまるで違うものになります。このような状況に応じた言い換えができることが、語彙力が高い人ということになります。
もしあなたが営業職で、年下の顧客とコミュニケーションを取るときと、年上の顧客とコミュニケーションを取るときでは、言葉遣いは言い換えた方がうまくいきます。
年上の顧客の場合なら、深く考えるまでもなく、尊敬語を使うべきです。難しいのは年下の顧客の場合です。顧客によっては、自分よりも年上の営業マンから敬語を使われると緊張するという人もいるからです。しかし、一方では年齢差はあってもあくまでも顧客の営業の関係では敬語が相応しいと考える人もいるからです。
無難なのは、丁寧語を使うことです。
社会人は特に敬語の語彙が重要
一般常識として、他人と話すときには敬語を使うのが社会のルールです。当然、社内の上司や先輩、それに同僚(後輩も含め)が対象です。
相手が目上なのか目下なのかによって、敬語を使うかどうかを線引きするという考え方もあります。しかし、社会人として同じ仕事を共有する場合などは、目上であろうと目下であろうと、敬語を使うほうが仕事を円滑にします。
敬語には、尊敬語と謙譲語と丁寧語があります。目上の方には尊敬語を使い、自分のことは謙譲語、目下の人の会話では丁寧語を使うべきでしょう。
「君づけ」「呼び捨て」で呼ぶよりも、貴方の格は高い人と評価されるはずです。
語彙力が高い人は相手に合わせた言い換えがすごい
語彙力が高い人は、相手が目上の人であっても、相手を不快にさせないで気づきを与える言い換えができます。このレベルになると、当然語彙力だけではなく、相手を緻密に観察する力を使い、相手の心の中を想像する力や気づかせポイントを発想する力を、合わせて発動しています。
何やら超能力的に感じるかも知れませんが、経験を重ねていくとそういうレベルに達することができます。もし営業の仕事をしているのなら、企業の社長相手の交渉ごとにも、成功していけるでしょう。
核心に触れるような話し方でも、相手の心に想像力を張り巡らせていく話をしているうちに、社会的地位が高い相手は、話をしているうちに自分で得た気づきとして納得してくれます。
大事なのは、集中力・観察力・想像力・発想力を総動員して、言い換えを考え伝えることです。
仕事をスムーズに進めるには言い換え力が重要|勉強するには小説の読書が最適
語彙の言い換え力を高める事が仕事をスムーズにしてくれます。何かの物事や行動を表現するときの言い替えの語を覚えるには、類語辞書などで覚える方法も有りますが、おすすめするのは小説を読むことです。
辞書を読んで覚える方法も悪くは有りませんが、なかなか長く続きません。小説を読む方が小説自体のストーリーにも注意が向いて、続けやすいです。社会人が読書するのならビジネス書でしょ、と言う考えがあります。確かにビジネス書を読むことは役立ちます。しかし、人のコミュニケーションや語彙力・言い換え力を覚えようと思うのなら、小説を読むのが最も手軽にできる方法です。
小説の中で、登場人物たちは、それぞれの役割の中で様々な言葉遣いをしているはずです。語彙力・言い換え力を高めるために読むのですから、登場人物たちの言葉の表現に注目しながら、読んでいくと気づきを得やすいです。
まとめ
「ボキャブラリーがない」「語彙力がない」などという声を聞いたことがあります。
しかし、実際語彙力を高くするにはどうすればいいのだろうとなりますと、知ってる言葉の数を増やすことと言う説明が多いです。それはそれで正しいのですが、社会人のビジネスの場面にフォーカスすると、「言い換え力」という言葉が見えてきます。
皆経験があることと思いますが、社会人が仕事で出会う人の数は業種職種にもよりますが、膨大な数になります。実は同じ意味の言葉であっても、接する相手との関係性によって、言葉を言い換えをしています。
この言い換えがうまくできないと、語彙力がない人と言われてしまうのです。
関連記事一覧はこちら
語彙力アップは本を読むことから|大人の語彙力不足は損するだけ
語彙力が高い人は言い換え力がすごい*当記事
コメント