要約に自分の意見や解釈は不要?主観を排除すべき理由と感想との違い

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大学のレポートや論文要約の課題で、「自分の意見を混ぜて書いてしまい、評価を下げられた」という経験はありませんか?要約において、書き手の解釈や感想を差し挟むことは、情報の正確性を損なう「禁忌(タブー)」とされています。

しかし、無意識のうちに自分の価値観で文章を再構成してしまうのが、要約の難しさでもあります。

この記事では、要約と感想の決定的な違いや、論文要約において主観が禁止される論理的な理由、そして自分の意見を入れずに書くための具体的なコツを徹底解説します。


目次

1. 要約と感想の決定的な違い|「鏡」か「フィルター」か

要約の役割を正しく理解するために、まずは「感想」との性質の違いを明確にしましょう。

要約は「鏡」:著者の思考を映し出す

要約の理想的な姿は、濁りのない「鏡」です。著者が何を、どのような順序で、どんな根拠を持って述べたのかを、そのままの純度で縮小して映し出さなければなりません。「著者がこう言いたかったのではないか」という推測(解釈)は、鏡に付いた汚れのようなものです。

感想は「フィルター」:あなたの価値観を通す

一方で、感想はあなたという「フィルター」を通した主観的な反応です。「感動した」「納得できない」「自分の経験と重なる」といった記述は、文章の主役が著者から「あなた」に移ったことを意味します。これらは考察パートで述べるべきことであり、要約パートに混ざると、情報の信頼性が一気に失われます。


2. 論文要約で「主観・解釈」を入れてはいけない3つの理由

なぜ、大学教育や学術の世界では、これほどまでに要約における「客観性」が重視されるのでしょうか。

① 著者の論理を「改ざん」する恐れがあるから

一見、良かれと思って付け加えた補足説明や、自分なりの言葉への言い換えが、著者の意図とは異なるニュアンスを生んでしまうことがあります。要約者の解釈が混ざった時点で、それは「著者の主張」ではなく「要約者が理解したつもりの主張」という別物になってしまいます。

② 読み手の「判断」を奪ってしまうから

要約の読み手は、その文章を読んで「自分はどう思うか」を判断したいと考えています。要約の中に書き手の「これは素晴らしい考えだ」「ここには矛盾がある」といった評価が含まれていると、読み手が先入観を持ってしまい、公正な判断ができなくなります。

③ 科学的・論理的な「検証」が不可能になるから

学術的な議論は、事実に基づいた積み重ねです。要約者が「要するに〇〇という病気のようなものだ」といった比喩や解釈を入れてしまうと、議論の土台である「事実」が揺らいでしまい、その後の批判的検討が成立しなくなります。


3. 自分の意見を入れずに「純粋な要約」を書くためのコツ

無意識に混じってしまう主観を排除し、純度の高い要約を作るための実践的なテクニックです。

「著者は〜と述べている」という語尾を意識する

一文一文の語尾に「〜と著者は主張している」「〜という事実を提示している」と心の中で付け加えてみてください。これにより、「自分が思っていること」ではなく「著者が言っていること」を書いているのだという境界線を、脳内に強く引くことができます。

独自の形容詞や副詞を削ぎ落とす

「驚くべきことに」「非常に重要な」「残念ながら」といった言葉は、多くの場合、要約者の主観的な価値判断が含まれています。著者がその形容詞を強調していない限り、これらの修飾語を削ることで、文章の客観性は一気に高まります。

接続詞の「飛躍」に注意する

「したがって」「しかし」といった接続詞を使う際、著者がその因果関係を明示していないのに、自分が「そうだろう」と思って繋げてしまうのは危険です。著者の論理展開(ロジック)を忠実になぞることに集中しましょう。


4. 要約後に「意見」を書きたい場合の正しい構成

「要約に意見を入れるな」と言われると、自分の考えをどこに書けばいいのか分からなくなるかもしれません。その場合は、構成を完全に分離するのが正解です。

  1. 【要約パート】: 著者の主張のみを、客観的な事実として記述する。
  2. 【考察・意見パート】: 「以上の要約を踏まえ、私は〇〇と考える」と明確に切り替える。

このように、「事実(要約)」と「意見(考察)」の間に高い壁を作ることが、大学のレポートで高い評価を得るための鉄則です。

具体的な要約の執筆ステップを再確認する: 主観を排除する重要性を理解したら、次は具体的な手順に沿って作業を進めていきましょう。大学生が効率よく、質の高い要約を仕上げるためのフローについては、要約の書き方|大学生の手順とコツをあわせて参考にしてください。


まとめ:要約者の存在感を「消す」ことが最高の技術

優れた要約とは、読み終わった後に「要約者の顔」が見えない文章のことです。著者の声だけが、そのままの熱量と論理で届いてくる。そんな「透明な文章」こそが、大学という知の現場で求められる高いスキルです。

自分の意見や解釈をグッと堪え、著者の言葉に徹底的に耳を傾ける。このストイックな作業を通じて、あなたは著者以上にその文章の構造を理解できるようになるはずです。

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