要約の練習をしないから読解力と文章力が弱いのです

要約 練習

要約することや要約文の作成が苦手という人は誤解をしているのかもしれません。

要約した文章を作るということを新しく文章を作文をするかのように考えているのかもしれません。

しかし実際には、要約という答えとなる要点を見つけることが要約することなのです。

作文能力が必要なのは、見つけた要点を日本語としておかしくないように文章化する場面です。

要点はそもそも本の中・文章の中にあるものです。私達は読解力を使って本や文章の中に著者の意図=要旨を見つけます。要旨を手がかりに文章を深く理解し、章ごとや段落(意味段落)ごとに要点を見つけ出します。

そして見つけた要点を取捨選択をして、要旨との関連度が低いものは省いて整理し、文章化します。日本語としてわかりやすい文章作成をするのです。

この一連の流れを要約練習として、文章を理解する力(読解力)と要点を合成文章化する能力(文章力)が高まるのです。つまり「うまく要約ができるようになりたい」と要約の練習をすることが読解力と文章力を同時高める方法になるのです。

目次

要約の練習をしないから読解力と文章力が弱いのです

要約 練習1

「要約」は小学4年の国語の時間から、勉強しています。

意外に若い年代から、要約が国語の勉強に取り入れられていることに驚きます。

もしかすると、3年ごとに行われているOECDのPISA(学習到達度調査)の結果、対象となる15歳の読解力が諸外国と比べて下がっていることも関係し、子供の学力レベル上げようとしているのかもしれません。

なぜなら今や日本人の半分近くが本を読まない人であり、諸外国と比べても毎日本を読む人の割合が非常に少ないことがわかっているからです。若い世代を中心にマンガを読む人はおおいですが、マンガでは読解力は身につきません。アメリカとイギリスの研究でもコミックを読む人と読まない人の読解力の差が指摘されています。(コミックを読む人のほうが読解力は低い)

すでに社会人になっている大人の中で、半分近くが月に1冊も読まない・全く読まないという人たちです。そのため、社会人一人当たりの生産性が低いことや業務上のトラブルを起こす原因となっているのです。

要約の練習をすれば読む力(読解力)と書く力(文章力)が強くなる

残念ながら、社会人となり、いわゆる大人と言われる年代になっても国語力(主に読む力と書く力)が中学生並みと言われてしまう人が、社会人の中にはかなりの数存在します。

読書をしてないために国語力が低い社会人は、各企業の中にたくさんいます。

国語力に関連することで注目するべきなのは、読書調査の結果です。

中学までは読書率が高く(85%〜90%)読書量も多い(月に5冊前後)のですが、高校から大きく変化します。

高校生の読書率は45% 〜50%へと激減し、読書量は月に1冊〜1.5冊へと激減します。国語力の基本は本や文章を読むことです。これらの割合は大学生・社会人へとほぼ横ばいのままつながっていきます。

つまり読解力や語彙力は中学の頃から変わっていない可能性があるのです。

社会人になった時に最も必要な能力はなにかといえば、国語力です。聞く力・読む力・書く力です。仕事ができるかできない以前に、社会人として必要な語彙力や読解力が不足している人が意外に多いです。

仕事の成果が上がらない人、人間関係がうまく行かない人の原因の何割かには、相手の言うことが理解できていないことが関係しています

要約の練習で文章の骨組みがわかるようになる

要約の練習を繰り返すと、要点と要旨がわかるようになります。要旨とは、文章の発信者や本の著者が最も伝えたいことです。要点とは、要旨に関連する重要なポイントです。

要旨と要点がわかるようになるということは、文章全体の骨組みが理解できるようになることです。つまり読解力が強くなるということです。文章の発信者が顧客や取引先であれば、相手が何を言っているのかが理解できるようになります。その結果、相手からコミュニケーションが取れる人だと評価されるようになるでしょう。

文章の発信者が上司であれば、上司が何を言っているのか・上司の指示やアドバイスの内容を理解できるようになります。

要約の練習をすれば上司が言わんとすることを理解できるようになる

実は、上司の中にも社会人として必要である国語力が不足している人はいます。要約力がない上司が、部下に対して業務指示を出す場面で、何を言っているのかわからないという場面もあります。なぜ、そんな人が上司にいるのか、という問題は一旦横に置いて、業務を円滑に行うには、残念な上司が言わんとする指示を読み取る必要があります。

要約練習をしていると、元の文章を短く簡潔表現できるようになっていきます。つまり、元の文章から要点を読み取る力が鍛えられていくのです。残念な上司が発言している内容をより取れるようになっていきます。

上司の問題については、いずれ淘汰されていくはずです。もし淘汰されないのなら、経営側の人が見る目がないのかもしれません。

要約練習で文章力が鍛えられると「結局、何?」と言われることがなくなる

文章力とは、相手に分かりやすく伝えるために必要な能力です。

文章力とは言いまして、書くことだけに特化しているわけではありません。

上司やリーダーに報告する場面では、相手に分かりやすく伝えるには、文章の構成力や要約力が必要になります。般的には、要約練習を重ねていくことで、簡潔に要点を伝えられるようになっていきます。相手が上司であっても、顧客や取引先であっても基本は同じことです。

要約練習を始めて数ヶ月後には、上司から「結局、何が言いたいの?」と言われなくなるはずです。これが、要約がうまくできるようになったことの目安になります。

思っていても口に出さない顧客や取引先の態度が変わったり、商談や交渉事がスムーズに進むようになるはずです。今すぐにでも始められるのが、スマホのTwitterアプリを利用する方法です。

要約の練習|今日から簡単にできる方法を紹介

要約の練習をする方法はいくつかあります。

本来は要約の練習をするということは、本や文章を読んで、要旨と要点を見つけて要約文を作成すると一連の流れを繰り返すことです。あるいは要約の練習問題を毎日くりかえしていく方法もあります。時間を決めて、毎日コツコツ実践していく方法です。

しかし今すぐからでも実務に応用できる方法はないだろうかと考える人も多いでしょう。

要約の練習方法|常に主語と述語に注目する

今日から目にする文章と耳にする文章について、「主語」と「述語」に注目する方法です。子供の頃に覚えた5W1Hでいえば、6つの要素のうち2つだけに注目することになります。

「誰が(何が)(who)」「何をした(what)」に注目して、文章を読み、話を聞くようにします。当然ながら、他の要素を無視するわけではありませんので、情報として頭に入ってきます。

しかし主語と述語に注目することで、大きな理解不足や勘違いがなくなります。つまり読解力が上がったような気がするはずです。また主語と述語がわかると要約もしやすくなります。究極的な要約の形態は、「誰が何をした」なのですから。

要約の練習方法|すべてを20文字に要約してみる

20文字はかなり少ない情報量です。この20文字でどこまで要約できるかの練習です。本1冊を20文字に要約できるとすれば、どれほど削れば良いのでしょう。

ジャンルやテーマにもよりますが、文庫本や新書は1冊10万字程度書かれている場合が多いです。10万文字を20文字に要約する練習をしてみてください。

頭の中は、何を残すか、どこまで削るかを考えて高速回転するようになるはずです。現実社会では、忙しい上司や忙しい顧客を捕まえて、1分間だけ時間をもらえたなんてシーンがあるかもしれません。

20文字要約にはそのくらいの取捨選択が必要になります。ツイッターアプリを使った方法を先に紹介しました。ツイッターは140文字ありますので、20文字に比べると余裕ですね。

要約練習は読んで100〜200文字にまとめる(社説やニュース・書籍など)

最もお勧めする要約の練習方法は、社説やニュースを読んで、要点をまとめる練習をするのです。本を読んで要約するなら、最低でも2ページほど読んで、読んだ部分を短くするという縮約(しゅくやく)の方法で練習するのも有効です。(縮約とは、文章を短くまとめること)

社説とニュースは、通常500文字から1000文字ほどで書かれています。社説は新聞社のサイトにアクセスすると、無料で見ることができます。新聞社の論説委員と呼ばれる社員が、会社を代表して、時節にあったコメントを毎日掲載しています。

1000文字程度の文章は、一般的には2分ほどで読める(日本人の平均速度は1分あたり400〜600字)はずです。文庫本なら、2ページ読むと、1200文字程度になるはずです。また書く時間は100字から200字で、平均からすると3分から5分かかります。考える時間を5〜6分として、全体で10分から15分程度の練習になります。Twitterが140文字(全角)ですので、毎日社説を読んでTwitterで発信するという要約練習はとても有益です。

1000文字の中に、繰り返されるキーワードやキーワードセンテンスから発言者の要旨(最も言いたいこと)を特定し、関連する文章(要点)を見つけて、要点を短くつなげて文章化して行きます。注意することは、元の文章と意味が変わらないようにする事です。

本を読むだけでは社会人の国語力(読解力と文章力)は身につかない|要約練習をやるべき

人間の脳は、何度も繰り返したことしか覚えない仕組みになっています。長期記憶と言われるものです。特に、同じ本を何度も繰り返し読むようなことをすると、忘れない記憶になります。(まるで試験勉強のようですだと思うはずです)

ですので、たった1回しか読んでない本の場合、翌日には7割程度を忘れます。ただし、感情を伴う記憶は、1回だけでも長期記憶になる可能性があります。強い感情が伴った知識や経験は残るのです。

要約の練習をするということは、要点を探したり、文章を短くまとめていくために、自動的に何度も同じ文章や本を読むことになります。結果的に忘れにくい記憶として残っていきます。要約の練習に使えるアプリもありますので、試してみると良いです。要約練習専用のアプリはありませんが、要約の練習に応用できます。

まとめ

要約の練習をすることは、実は社会人として必要な国語力を同時に練習してくれます。

要約練習を毎日練習すると、数ヶ月後には、文章力と読解力・語彙力も相乗効果でレベルアップしているはずです。

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この記事を書いた人

社会人経験約40年。仕事において強い必要性があり読書に目覚め、その後年収も急上昇。上場企業にキャリア入社し、50代に入り独立起業し会社経営。自分自身の読書に救われた経験から、読書によって人生が変わることを伝えたい。

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