祝電や表彰状に句読点がないのはなぜ?由来とマナー・例文を徹底解説

祝電 句読点 なぜ

結婚式の祝電や葬儀の弔電、あるいは会社で受け取る表彰状をよく見ると、文章の中に「、」や「。」といった句読点が一切使われていないことに気づくはずです。

現代の文章ルールでは「句読点がないと読みづらい」と感じるのが一般的ですが、儀礼的な文書において句読点を打たないことには、日本独自の歴史的背景と深い「縁起」への配慮が隠されています。

この記事では、祝電・弔電・表彰状で句読点を打たない理由とその由来、そしてマナーを守った正しい文章の書き方を詳しく解説します。


目次

1. 祝電や表彰状で句読点を打たない3つの主な理由

なぜ、お祝いや感謝を伝える大切な書面で句読点を省くのでしょうか。そこには主に3つの理由があります。

① 「縁起」を担ぐため(切り終止を嫌う)

最も大きな理由は、句読点が「区切り」や「終わり」を連想させるからです。

  • 祝電の場合: 句読点は「お祝い事に終止符を打つ」「縁を切る」ことに繋がるとされ、大変縁起が悪いと忌み嫌われます。
  • 弔電の場合: 「不幸が滞りなく終わるように」という意味で打たない説もありますが、一般的には「葬儀が滞りなく(句読点という障害なく)進むように」という配慮が優先されます。

② 相手に対する「敬意」の表れ(歴史的背景)

もともと日本古来の書道や書状には、句読点を打つ習慣がありませんでした。 句読点は明治時代以降、子供や文章を読み慣れていない人が読みやすくするために普及したものです。そのため、正式な証書や手紙に句読点を打つことは、「あなたには句読点がないと文章が読めないでしょう」という失礼なニュアンスを含んでしまうと考えられていました。相手を「教養のある方」と敬う気持ちが、句読点を打たない形として残っています。

③ 文書の格調(フォーマルさ)を保つため

表彰状や感謝状は、毛筆で書かれることが前提の文化です。毛筆の流れるような筆致(ひっち)の中に、点や丸を打つことは美観を損ねるとされています。現代のパソコン作成であっても、その伝統を引き継ぎ、句読点を省くことで「格式高い公用文」としての体裁を整えるのが通例です。


2. 【種類別】句読点を使わない正しい例文と書き方のコツ

句読点を使わずに読みやすい文章を書くには、いくつかのテクニックが必要です。

祝電(結婚式など)の例文

ご結婚おめでとうございます お二人の輝かしい門出を祝し 末永い幸せとご健勝をお祈りいたします 本日はお招きいただき誠にありがとうございました

ポイント: 句点の代わりに「改行」を、読点の代わりに「一文字分のスペース(空白)」を使い、視覚的なリズムを作ります。

弔電(葬儀など)の例文

御尊父様のご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます ご家族の皆様の悲しみを思うと 拝察するに余りあります 安らかなるご冥福を心よりお祈りいたします

ポイント: 文中でどうしても区切りが必要な場合は、スペースを空けることで読み手に配慮します。

表彰状・感謝状の例文

貴殿は多年にわたり業界の発展に多大なる貢献をされました よってここにその功績を称え 深く感謝の意を表します

ポイント: 証書関係は特に「読み上げ」を前提としているため、一息で読める長さで文を区切るのがコツです。


3. 現代の祝電マナー:句読点を打っても失礼ではない?

時代の変化とともに、句読点に対する考え方も少しずつ変わってきています。

カジュアルなメッセージなら許容される

最近のオンライン祝電サービスや、親しい友人へのメッセージカードでは、句読点を使っても「マナー違反だ」と激しく非難されることは少なくなりました。むしろ、読みやすさを優先してあえて句読点を打つケースも見られます。

「格式」を重んじる場では避けるべき

しかし、親族、目上の方、公的な場に送る祝電や、長く残る表彰状においては、依然として「句読点なし」が絶対的なマナーです。迷った場合は、伝統に則って「句読点を打たず、スペースと改行で調整する」のが最も安全でスマートな選択です。


4. 句読点を打たない文章を「読みやすく」仕上げる3つの手法

「、」や「。」を使わずに、相手にストレスを与えない文章を作るための実践的な方法です。

  1. 「改行」を最大限に活用する: 一文が終わるごとに必ず改行を入れます。これにより、句点(。)の役割を完全に代替できます。
  2. 「一文字空け」で意味を分ける: 文の途中で意味を切りたい場所(読点を入れたい場所)には、全角スペースを入れます。
  3. 「接続詞」を整理する: 「〜ですが」「〜なので」といった接続助詞を多用して文を長くせず、一文を短く完結させることで、句読点なしでも意味がスッと通るようになります。

句読点をあえて使わない表現の心理的効果を知る: 儀礼的なマナー以外の場面で、なぜあえて句読点を打たない文章が使われるのか、その効果や意味を詳しく知りたい方は、句読点をつけない文章の意味と適切な使い方をあわせて参考にしてください。


まとめ:句読点を打たないのは「相手への最高のリスペクト」

祝電や表彰状から句読点を消すことは、単なる古臭いルールではありません。そこには「縁を切らない」という願いと、「相手の教養を信じる」という敬意、そして「伝統的な美意識」が凝縮されています。

現代のデジタルなコミュニケーションに慣れていると違和感を覚えるかもしれませんが、こうした細かな配慮こそが、言葉に「重み」と「真心」を添えてくれます。大切な人へメッセージを送る際は、ぜひこの伝統的なマナーを意識して、格調高い一通を仕上げてみてください。

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