本書はアメリカの哲学者が教授として大学で哲学の授業を行ったものを書籍化したものです。つまり哲学の授業を切り抜いたり、編集し、出版されているものです。
哲学とはそもそも結論が明確に出せないような事を題材に選び、思索を深めるものです。本書も明確な結論はなく、教授がどう考えているという事を繰り返しています。
作品情報
本のタイトル|「死」とは何か
出版社|文響社
ページ数|384ページ
発売日|2018年10月5日
単行本(ソフトカバー)の他にAmazonのKindleとAudibleで購入可能
著者
著者は、シェリー・ケーガンさん。アメリカの哲学者。イエール大学哲学教授。哲学・倫理の専門家として知られています。「死」をテーマにしたイエール大学の授業は、17年連続で「最高の講義」に選ばれています。
あらすじと感想
イエール大学の哲学教授シェリー・ケーガンさんの授業を翻訳したものです。授業内容は、2007年にオンラインで無料公開され、本書はその講座内容をまとめて出版されたものです。
内容は本のタイトル通りです。「死」についてシェリーケーガン教授の意見がたくさん書かれているという印象です。
日本縮約版で384ページ、完全翻訳版だと751ページという中々の大長編です。またテーマがテーマだけに、注目する人が多く、評価は素晴らしいという意見と否定的意見に二分されている印象があります。
話題になっているという理由で手に取ると、多分後悔する本です。
本書は、哲学の授業をまとめた本です。ビジネス書を読む感覚で読んでいくと、根拠のない屁理屈をこねくり回している印象になるかも知れません。
「死」をテーマにしてはいますが、哲学書と考え哲学的思索のための本と考えると良いのだと思います。つまり結論はないということです。むしろ、長い間アメリカの最高の講義に選ばれ続けている事に興味を感じます。
重要ポイント
本書の重要ポイントについて紹介します。
「死」について
死に対する考え方
死は悪いこと?
不死にはどんな意味がある
死があるからこその人生の価値
死についての問題
まとめ
本書の内容は、シェリーケーガン教授の哲学授業の内容です。哲学の授業ですから、問題の答えを出すことよりも、思索を深めることに意味があるのだと思います。
この教授の考えに良い刺激を受ける人にとっては、良書に感じるでしょうし、最終的には何らかの結論があるはずだと思って読み進める方には、不満が残る書になる可能性があります。
読み終わったら、シェリーケーガン教授の授業を受けた者として、自分はどう考えるのかを思索することです。本書の肝はそこにあると思われます。
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