小説を読むメリットは脳の活性化と読解力・想像力の向上にある

小説を読むメリット

ビジネスマンに小説を薦めて意外な表情をされたことがあります。小説を読んでもビジネスの参考にはならない、と思い込んでいる感じがします。

実は筆者にもそういう時期がありました。しかし、相手とのコミュニケーションや相手の心理への想像力が、ビジネスの鍵になることを気づいていくと、通常のビジネス書を読むことだけでは解決できないことに気がつきます。

実は小説を読むことがヒントになるのです。

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小説を読むメリットは脳の活性化と読解力・想像力の向上にある

相手とのコミュニケーションといっても、営業だけの問題ではありません。プロジェクトメンバー同士でも、本部社員との関係性など、常に相手とのコミュニケーション力と想像力は必要です。論理的なコミュニケーションだけでは、相手への心のケアや対応が不足して、物事が進展しないことも多々あります。

つまり小説を読むことで追体験をし、心理描写などから他者の心理の動きなどが分かり、現実にコミュニケーションに実験をしていくことで、想像力やコミュニケーション力が高まっていくのです。

小説を読んで得られるのは単なる娯楽趣味ではない

小説を読むメリット1

学生時代の小説への印象が強い事や、社会人になってから論理的思考の洗礼を受けて、読む本の種類がビジネス書一辺倒になる時期があります。

小説は、最後まで読まないとどんなストーリーなのか分かりません。また小説は主にストーリーや風景描写・心理描写などを味わうモノで、ビジネスに役立つ知識情報としては全く参考にならないと、感じている社会人は多いと思います。

確かに、ストーリーや物語の中の知識や情報が、直接的に現実の仕事に役立つ場面は、かなり少ないと思います。

しかし、思い出してみて下さい。小説を読んでいるとき、頭を回転させて先を読んだり、登場人物の言葉や行動から追体験をしているかのように考えたり、していませんか。あるいはもっとシンプルに、この漢字の意味は何か?言葉の意味は?と考え調べたことはありませんか。

つまり小説は娯楽的であったとしても、読むときには脳を使っているということです。

小説を読むと脳が活性化するメリット

小説だけに限りませんが、読書をすることは脳を活性化する刺激をもたらします。さらに効果を上げるなら、読書方法を黙読ではなく、音読や朗読・素読にすることです。

音読や朗読・素読をするということは、声に出して本を読むということです。読む・話す・聞くという動作を同時に行うことで、脳は活性化されます。なるべく速いスピードで声に出して本を読むことで脳が活性化することは科学的にも確認されている事実です。

その分野で日本国内で最も実績があるのは、東北大学の川島教授です。文章の理解することは後回しにしてでも速いスピードで声に出して読書をすることで、脳の脳の前頭葉を中心に血流が増え活性化することを確認しています。速く読むことで神経細胞の繋がりが強化されて伝達スピードが高速化するということです。

小説を読むメリットは読解力・想像力などを向上

小説とビジネス書では、文章の構造も言葉の表現も違います。ビジネス書では社会人の問題解決のヒントになる事もありますし、今後の仕事の基礎となる事を身につけることになります。

では小説には具体的にどんなメリットがあるのかを深掘りしていまいります。特に、ビジネス書にあまりないポイントについて解説いたします。

小説を読むメリット|語彙力を高めるならビジネス書より小説

小説とビジネス書の大きな違いの一つは、文章の表現です。ビジネス書は論理的に書かれています。数値化できるモノは数字で表現し、客観性を大事にし、根拠を加えて信ぴょう性を高めることもします。

小説の場合、曖昧で抽象的な表現が多いかも知れません。ですから、読み手によって文章表現から得ている感覚に違いあります。読み手は自分の主観で読むからです。

また言葉の表現も、論理的で誰もが同じように理解するように書かれているビジネス書と、小説を比べると全く違います。登場人物の行動や言葉の表現が、登場人物の主観によって表現されています。

一つの行動や言葉づかいについても、場面によって言い換えをして、言葉の印象を変えています。多くの言葉の意味を知って、使いこなすのが語彙力です。ビジネス書と違って分かりやすさを追求していない小説の表現の方が豊ですし、語彙数も多いです。

小説を読むメリット|言い換え力が上がりコミュニケーション力がアップする

日本語の表現は、人の心や行動を表す言葉の数がとてもたくさんあります。登場人物が発する言葉や行動についての表現も多数あります。

例えば、論理的な話し方で感謝を伝えるならば、簡潔でわかりやすく伝えますので、「いつもありがとうございます。」が一般的です。

しかし、言い換え力が高い人が感謝を伝える場合は、次のようになります。

・いつもお心配りいただき、ありがとうございます。
・ご多忙中のところ、恐れ入ります。ありがとうございます。
・あたたかい心遣いをありがとうございます。
・いつも気にかけて下さいましてありがとうございます。

等、言い換えには、敬語に大和言葉を加えることで、受け取った相手から、尊敬や信頼を頂ける話し方です。こういう能力は、当然生まれながらに持っているものではなく、特に小説の中の登場人物が話している言葉です。

小説を読んで良い影響を受けると、言い換えの力とコミュニケーション力が高くなります。

小説を読むメリット|想像力と思考力が上がる

小説ではほとんどの場合、何人かの登場人物がいて、その間で会話や行動がなされていきます。小説によって、視点が登場人物の誰かの場合もあり、誰でもなく客観的に進む場合もあり、場合によって章の切り替わりで、視点が移るなどする場合があります。

それぞれの視点から見える相手の心理も含めた景色は、異なります。

また登場人物は、実際の人間と同じように、考えていること全部が言葉になっているわけでありません。心の中の動きと実際の言葉など、リアリティがあります。

このように読み進めていくと、相手の立場や心への配慮などの想像力が高まります。この想像力アップは、仕事をする上でも役立ちます。小説を読んで、想像力が上がることは、同僚や上司の心を想像すること、顧客や取引先の心理を想像することに役立ちます。

読解力をアップさせるのはビジネス書よりも小説

すべての学習のベースになるのは読解力です。文章を読んで内容を性格に理解する能力です。

しかし現代のようにあらゆる関係性において活字(テキスト)によるコミュニケーション(メールやSNS)が一般的になると、行間を読むことも読解力に重要な要素となっています。つまり明文化されていない相手が言わんとしていることを読み取ることです。

行間を読み取る読解力が不足していると、「言葉にしないと理解できない人」「具体的に言わなくても考えればわかるだろう」と言われてしまうのです。

ビジネス書は論理的に書かれており、曖昧な表現は排除されているのが普通です。しかし小説の登場人物の言動は曖昧さに満ちています。想像し思考して読み取る必要があります。現実社会の人に対して、相手が言うことを理解しようとすれば、小説を読む読解力がなければ理解しにくいのです。

小説を読むメリットを得るには読書量の3割は小説にする

社会人が読書する本のジャンルが、ビジネス書を主体とする事は当然のことです。しかし、ビジネス書ばかりを読んでいても、ビジネスマンの成長を考えるとバランスが取れません。小説も3割前後は読むようにしておきたいものです。

仕事で成果を出すのには、一人だけでの能力でできるわけではなく、チームや組織の力が必要になります。コミュニケーションが上手く取れていないチームはだいたいにしてロスが多いものです。コミュニケーション力は大事な能力です。

またビジネスの相手とのコミュニケーションでも語彙力や想像力が必要になることは、いうまでもありません。しかしビジネス書ばかりを読んでいると、戦略や戦術的なことに関する知識情報だけが増えていきます。

実際に実行に移していく場面では、語彙力やコミュニケーション力・想像力がなければ、うまくいかない事があります。結局、ビジネスの主となる部分は人が介在しているからです。

ビジネス書と小説以外のジャンルについても、2〜3割含めることをおすすめします。具体的には、歴史・哲学・生物など、様々なジャンルです。

小説を読むデメリット

小説を読むメリットは、ビジネス書からは得難いものがあります。しかしデメリットがないというわけではありません。といいますのは、ページがめくる手が止まらなくなってしまうという現象が起きる場合があるのです。

その結果、読書に時間を使いすぎてしまい、他の活動をする時間がなくなってしまうという現象が起きてしまう可能性があります。もしかすると、睡眠不足を起こしてしまう可能性があるのです。

小説を読むこと自体がでメリットになるのではありませんが、状況によっては時間配分に注意する必要があります。

まとめ

小説を単純な娯楽と考えてしまう人がいます。ビジネス書を連続して読んでいるときに、小説を挟むことで気分転換にもなりますので、娯楽や趣味としての印象があるかもしれません。

しかし著名な経営者達も小説を読んでいるように、小説には娯楽を超えるメリットがあります。自分の仕事をよりスムーズに進めていく上でも、小説を読んで得られることは小さくないメリットがあります。

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この記事を書いた人

社会人経験約40年。仕事において強い必要性があり読書に目覚め、その後年収も急上昇。上場企業にキャリア入社し、50代に入り独立起業し会社経営。自分自身の読書に救われた経験から、読書によって人生が変わることを伝えたい。

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