大学の課題で数千字、数万字の論文や書籍の要約を求められたとき、いきなり1ページ目から丁寧に読み始めていませんか?実は、そのやり方が「要旨」を見失わせ、要約を難しくさせている原因かもしれません。
優れた要約を作成する大学生は、本文を細かく読み込む前に、「目次」「序文」「結論」から情報の骨組みを抽出しています。
この記事では、大学の課題に役立つ要旨の見つけ方や、なぜ本文を読む前の「前準備」が重要なのかを徹底解説します。
1. なぜ本文を読む前の「前準備」が要約の成否を分けるのか
多くの大学生が陥る罠は、情報を「平坦に」受け取ってしまうことです。前準備なしに読み始めると、枝葉のエピソードに気を取られ、幹となる「要旨」を見逃してしまいます。
脳内に情報の「フォルダ」を作る
本文を読む前に、目次や序文をチェックすることは、脳内に情報を整理するための空のフォルダを作る作業です。「この章では課題の背景を、この章では解決策を述べるのだな」と予測がつくことで、読解スピードと理解度が飛躍的に向上します。
「要約の軸」がブレなくなる
全体像が見えていない状態で要約を始めると、序盤の内容ばかりが詳しくなり、後半の重要な結論が駆け足になるといったバランスの悪い文章になりがちです。最初に「要旨(結論)」を把握しておくことで、常にゴールから逆算した要約が可能になります。
2. 大学のレポートで役立つ「要旨の見つけ方」3ステップ
論文や専門書から、著者が最も伝えたい核心部分(要旨)を最短で見つけ出すための具体的なステップを紹介します。
ステップ1:目次から「論理の階層」を読み解く
目次は、著者が最も心血を注いだ「思考の設計図」です。単に項目を眺めるのではなく、どの章に最もページ数が割かれているかを確認しましょう。最もボリュームがある章、または他と質の異なる用語が使われている章に、要約に含めるべき重要なキーワードが隠されています。
ステップ2:序文(はじめに)で「問い」を確認する
大学で扱う文章には、必ず「解決すべき問い」が設定されています。序文には、「本稿では〜について考察する」「従来の〜説に対し、新たな視点を提示する」といった宣言が含まれます。この「問い」こそが、要約のスタート地点となります。
ステップ3:結論(おわりに)から「答え」を逆算する
ミステリー小説とは異なり、学術的な文章は先に「答え」を見ても問題ありません。むしろ、結論を先に読むことで、本文中のどのデータや論理が「答え」を導き出すために必要不可欠なものだったのかを、冷静に判断できるようになります。
3. 論文の要旨を外さないための「プレ・リーディング」技術
特に難解な論文を要約する場合、以下の「読み方」のコツを意識してみてください。
- アブストラクト(要約文)を自分の言葉で言い換える: 論文の冒頭にある概要を読み、一度何も見ずに自分の言葉で1行にまとめてみます。これが後の要約の「核」になります。
- 図表の「タイトル」だけを追う: 図表は、著者が言葉だけでは説明しきれない重要な証拠を示した場所です。図表のタイトルを順に追うだけで、論理がどう進展したかのストーリーが見えてきます。
- 小見出しを繋いでみる: 各章の小見出しを「〜なので、〜となり、結果として〜」という風に繋いでみます。不自然にならずに繋がるルートが、その文章のメインルートです。
4. 要旨を捉える力を鍛える「マクロ読解」トレーニング
一文字ずつ追う「ミクロ読解」から、構造を捉える「マクロ読解」へシフトするための練習法です。
- 「問い」と「答え」をワンセットでメモする: 読み始める前に、紙の端に「問い:?」「答え:?」と書き、序文と結論からそこだけを埋める癖をつけます。
- 段落の「最初と最後」だけを読む: 専門書などは、段落の最初と最後に要点が集約されています(トピック・センテンス)。中盤の具体例を思い切って飛ばし、骨組みだけを追う勇気を持ちましょう。
- 「なぜ」と「要するに」を繰り返す: 読みながら常に「なぜ著者はこれを書いたのか?」「要するに何が言いたいのか?」を自分に問いかけます。
具体的な執筆ステップとコツを確認する: 前準備として要旨の捉え方をマスターしたら、次は実際に文章として組み立てていきましょう。大学生がレポートを仕上げるための具体的なフローについては、要約の書き方|大学生の手順とコツをあわせて参考にしてください。
まとめ:急がば回れの「構造読解」を身につけよう
「時間がもったいないから」といきなり本文を読み始める大学生こそ、実は最も多くの時間をロスしています。
目次、序文、結論という「情報の要所」を事前におさえることは、要約という難攻不落の城を攻略するための「偵察」作業です。偵察を完璧に行えば、本文の中から拾い上げるべき言葉が自然と光って見えるようになります。
まずは次回の課題から、1ページ目をめくる前に目次をじっくり5分間眺めることから始めてみてください。あなたの要約の質は、その5分間で決まるのです。
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