本や文章を読むのが遅いと感じている人は、例えば試験問題の読み込みや読書の速度をもっと速くできないか、などと悩んでいる人もいるかもしれません。
現在のあなたの本の読み方が、もし心の中で発音するようにして文字を読んでいる方法ならば、視読にするだけで、十分に何倍もの速度で読めるようになります。
視読とは?効果的な読書方法とスキル向上の秘訣
視読の読み方は「しどく」です。読書の読み方の一つです。
速読を始める場合のスタートの読み方で紹介される場合もあります。
本格的な速読の有料講座やセミナーを受ける前に、従来の自分の読み方から、視読を意識するだけで読書スピードは2〜3倍になります。
視読とは
視読(しどく)は、速読(そくどく)や効率的な読書方法の一つであり、情報を効果的に取得するための読書スキルです。視覚的な認識を活用し、テキストを高速かつ効率的に読みながら内容を把握することを重視します。
通常の読書では、一つの単語や文章を順番に読み進める方法が一般的ですが、視読では視界全体を使って複数の単語やフレーズを同時に捉えることを目指します。これにより、文章全体の構造や主要なアイデアを素早く把握することが可能となります。読書には、深く理解する読み方と、大まかな内容を把握する読み方がありますが、視読は後者の方法です。視読をすることで、多くの情報を短時間で読み取ることができます。
視読の主な目的は、時間の節約と情報効率化です。大量のテキストや情報を効率的に読み込み、必要な情報を素早く抽出することができます。また、視読は読解力の向上にも寄与し、より深い理解や知識の獲得にも役立ちます。
具体的な視読の技術としては、スキミングやスキャニングがあります。スキミングは文章の概要を把握するための高速な目次の読み方であり、スキャニングは特定の情報を見つけるために目を動かしながら読む方法です。これらの技術を使って、効率的な読書を実現することができます。
視読では内容の理解ができない場合もある
視読をしているが内容が理解できない原因は、様々な要因が考えられます。
例えば、文章が複雑であったり、専門用語が多用されていたり、文章の構造が複雑であったり、前提知識が必要であったりすることがあります。また、読む環境によっても理解度に影響が出ることがあります。
例えば、騒音が多い場所で読んでいたり、疲れていたりすると、文章を理解することが難しくなることがあります。ですが、これらの問題に直面した場合、解決策はいくつかあります。文章を読み直したり、専門用語を調べたり、前提知識を補ったり、文章を要約したりすることで、理解度を高めることができます。
視読とは、情報を短時間で得ることができる反面、本の内容を深く理解することができない傾向があります。視読をする場合は、重要なキーワードをメモするなどして、後で復習することがおすすめです。
視読のやり方とコツ
よく言われることですが、本や文章を読むのが遅い人は、黙読をしているのに、多くの場合、心の中(脳の中)で音読しています。もちろん、黙読ですので、口からは音は出ていませんが、心の中ではほとんど発音しているのと同じ状態で本を読んでいます。
これは、子供の頃に、音読から黙読に移行する際に、覚えた癖をそのままの状態でずっと引き継いできているのです。
これが本を読むのが遅い原因になっています。脳のスピードは、とても早いのですが、(無音でも)発音するという動きを挟むだけで、グンとスピードが落ちてしまいます。
視読の方法の1段階目のコツ
試しに、脳の中の発音を止めるように意識してみるだけで、文字の上を視点がとてもスムーズに移動していく感覚がわかると思います。
うまくいかない人は、指先を文字の横にあてて、スーッとスライドさせてみてください。いかがでしょうか。発音をしないでも、頭に入ってくる感じがわかるのではないでしょうか。
どうしても発音してしまうという人は、あえて「あー」「うー」などと、心の中で発音しながら、読んでみてください。
この時点でも、少し早くなったことに気づくと思います。
視読の方法の2段階目のコツ
次に、文字を1文字ずつ読むのではなく、単語や文節のかたまりごとに「見る」意識で、文章を見ることを試してください。
私たちは普段、初めて目にする文章は最初の文字から読んでいますが、何度も目にしている文字、例えばチラシのキャッチコピーや看板の文字などは、単語などを一つの塊のようにして、瞬時に判断して読んでいます。
まるで、単語や一塊ごとに、カメラのシャッターを切るのに近い感覚で、「読む」のではなく「見て」判断しているのです。
視読の方法の2段階目のコツは、文章を読むのに、普段の塊ごとに判断している方法を使うことです。
最初の慣れないうちは、多少もたつくかもしれませんが、続けていくうちに、同じような単語や言葉が出てくるので、どんどん早く次の言葉に視点が動いていきます。
視読のトレーニングをしてみよう
視読のトレーニング方法を以下に紹介します。以下の順でチャレンジしてみてください。
1)目標を決める
視読の目標を設定して下さい。例えば、特定の速読速度を達成したり、情報の把握力を向上させることを目指すなど、明確な目標を定めることが重要です。
2)基礎的な読書スキルの確認
視読の前に、基礎的な読書スキルを確認しましょう。適切な字幕移動や文章の読み方、正しい視線の使い方など、基本的な読書スキルが身についていることが重要です。
3)スキミングとスキャニングの練習
スキミングとスキャニングは、視読の基本的なテクニックです。スキミングでは、文章の概要を把握するために目次や見出しを見る練習をしましょう。スキミングは、文章内容をざっくりと把握する方法です。スキャニングでは、キーワードなどを軸にして特定の情報を見つけるために目を動かしながら素早く読む練習をします。
4)文章の難易度の上げ下げ
トレーニングを始める際は、適切な難易度のテキストを選ぶことが重要です。初めは簡単な文章から始め、徐々に難易度を上げていくと良いでしょう。自分に適したペースで進めてください。
5)練習の継続
視読のスキルを向上させるためには、継続的な練習が必要です。毎日少しずつでも練習を行い、徐々にスピードと理解力を向上させていきましょう。
視読の利点(メリット)は
日本人の読書速度は、1分間に400文字から800文字とされています。参考までに、アナウンサーのアナウンス速度が1分間に300文字とされています。文章を読むのが遅いという悩みがある人は、心の中で音読する癖が、抜けていませんので、アナウンサーの速度と同等程度で読んでいるのかもしれません。
前述の視読のやり方を身につければ、慣れてくると、1分間に2,000文字程度になるとされています。ですので、現在よりも6倍から7倍の速度で、読書が進むことになります。本一冊を読み切る前の所要時間(日数)は今までの6分の1から7分の1になるということです。
視読の利点はいくつもあります。最大の利点は、時間が短縮できるということです。視読は高速な読書スキルであり、テキストを素早くスキャンし、重要な情報を抽出することができます。これにより、通常の読書方法に比べて時間を節約することができます。特に大量の情報を処理する必要がある場合や短い期間で多くの資料を読む必要がある場合に効果的です。
記憶の定着を高めるには時間内に要所を再読
視読は、本格的な速読ではありませんが、従来の何倍もの速度で知識情報が脳に入ってくることになります。これまでとは違う速度で脳に入力されていくことになりますので、記憶の定着に不安が残ります。
大学の研究結果でも、速読の速度と脳への記憶の定着については、速度が速くなれば、定着率が下がる場合があるという結果もあります。
ですので、視読で読み終えた後で、本の中の要所については、再読することで記憶の定着を高めることをお勧めします。速読を身につけた場合でも、時間内に何度も読み返すことで、記憶を定着させる作業を行なっている事例もあります。
まとめ
視読は本格的な速読のレベルではありませんが、単語・言葉で一つのグループ(かたまり)として、読み込んでいくことで、従来の心の中(脳の中)で音読している状態と比べると、読書速度は遥かに速くなります。
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