小説の要約で最も難しいのが、「作者の一番いいたいこと」を見つけることです。
物語の流れは追えても、テーマや主張がはっきり言葉にされていないため、どこを要約に入れるべきか迷ってしまいます。
この記事では、小説に隠された作者の主張を見抜くための具体的な手順を整理します。感覚ではなく、順番に考える方法を身につければ、どんな作品でもテーマをつかめるようになります。
作者の主張とは何か
小説における作者の主張とは、「物語を通して伝えたい中心的な考え」のことです。
ただし、多くの小説では、
・「これがテーマです」と明言されない
・登場人物の発言が必ずしも作者の意見とは限らない
という特徴があります。
そのため、台詞だけを拾うのではなく、物語全体の流れを見て判断する必要があります。
小説のテーマを見抜く3つの視点
小説のテーマは、ひとつの台詞や場面だけを見ても判断できません。物語全体を通してどの価値観が描かれ、どの考え方が最後に残ったのかを整理する必要があります。ここでは、感覚に頼らずにテーマを見抜くための3つの具体的な視点を紹介します。順番に確認していけば、作者の主張がどこにあるのかが自然と見えてきます。
① 物語の変化に注目する
テーマは、物語の「変化」の中に表れます。
・主人公は何に悩んでいたのか
・何をきっかけに考えが変わったのか
・最後にどう変化したのか
この変化を一文でまとめると、作者の主張に近づきます。
② 繰り返される言葉や場面を見る
小説では、重要なテーマが何度も繰り返されます。
・似たような出来事が何度も起きる
・同じ価値観が対立の中で語られる
・象徴的な言葉が繰り返される
繰り返しは、作者が強調したい部分です。
③ 結末の意味を考える
結末は、作者が読者に何を残したいかを示しています。
・なぜこの終わり方なのか
・もし別の結末だったら何が変わるか
と考えると、作品の核心が見えてきます。
作者が伝えたいことを言語化する方法
テーマがぼんやり分かっても、うまく言葉にできないことがあります。
その場合は、次の形に当てはめてみてください。
「この物語は、◯◯という状況を通して、△△の大切さを伝えている作品である」
たとえば、
「友情の崩壊を通して、信頼の大切さを伝えている」
のように整理すると、要約に使える一文になります。
主人公の台詞だけに頼らない
主人公の言葉はヒントになりますが、それが必ずしも作者の主張とは限りません。
登場人物は、未熟だったり間違っていたりすることもあります。
・誰の考えが最終的に肯定されたか
・物語全体としてどの価値観が残ったか
を基準に判断することが重要です。
作者の主張を見つけるための実践ステップ
- 物語全体を読み、中心的な出来事を整理する
- 主人公の変化を一文でまとめる
- 繰り返し出てくる価値観を探す
- 結末の意味を考える
- 「何の大切さを伝えている作品か」で言語化する
この流れで整理すれば、感覚ではなく論理的にテーマを導き出せます。
→ 小説全体の要約手順や構成の考え方を整理した親記事はこちらです。
「小説の要約を書く|あらすじとの違い」
まとめ
作者の主張は、文章のどこかに直接書いてあるとは限りません。
物語の変化、繰り返し、結末の意味を整理することで、はじめて見えてきます。
小説の要約では、この主張を軸にして要点を選び直すことが大切です。テーマが定まれば、要約は一気に書きやすくなります。
[d]
関連記事一覧
