「本の要約をブログに書くと著作権侵害になる?」「あらすじや引用はどこまで掲載できる?」と疑問に思っていませんか。
本の内容を自分の言葉で紹介しただけで、必ず著作権侵害になるわけではありません。ただし、元の本の文章や構成、特徴的な表現を使い、読者が本の内容を詳しく把握できる形で公開すると、複製権や翻案権などの侵害が問題になる可能性があります。
一方、必要な範囲で引用のルールを守り、自分の感想や批評を中心に書評を作る方法はあります。
この記事では、本の要約をブログに掲載するときの著作権上の注意点、引用の基本ルール、安全性を高める書評の書き方を解説します。
本の要約をブログに書くと著作権侵害になる?
本の要約をブログに書いたからといって、必ず著作権侵害になるわけではありません。
著作権が保護するのは、著者の考えや情報そのものではなく、それらを創作的に表現した文章などです。そのため、読んで得た事実や一般的な考え方を、自分なりに整理して紹介できる場合もあります。
ただし、元の本の文章をそのまま写すだけでなく、言葉を置き換えただけの場合や、章立てや説明の流れを保ったまま短くまとめた場合も、複製や翻案が問題になる可能性があります。
実際に、書籍の内容を短くまとめてウェブサイトで公開した行為について、翻案権や公衆送信権などの侵害が認められた裁判例があります。
「自分の言葉で書けば必ず安全」「短ければ問題ない」とは判断せず、元の本の表現にどの程度依拠しているかを確かめる必要があります。
著作権者の許可が必要になるケース
元の本の文章や、創作性のある構成・具体例・図表などを使い、本の内容を詳しく再現する場合は、著作権者の許可が必要になる可能性があります。
著作権を持っているのが常に著者本人とは限りません。契約によって出版社やほかの法人へ権利が移っている場合もあるため、許可を得るときは権利者を確かめる必要があります。
また、「要約」という言葉を記事タイトルに使っただけで違法になるわけではありません。問題になるのはタイトルではなく、記事の実際の内容が元の著作物の表現を無断で利用しているかどうかです。
本の内容を詳しく紹介したい場合や、有料サービスとして要約を配信する場合は、権利者へ許可を求めるか、著作権に詳しい専門家へ相談する方が安全です。
感想や書評なら自由に書けるとは限らない

自分が本を読んで感じたことや評価、批評を、自分の言葉で書くことは、一般に書評の中心となる部分です。
ただし、「感想」という名目でも、本の文章を大量に転載したり、内容や展開を細かく再現したりすれば、著作権の問題がなくなるわけではありません。
特に小説では、結末まで含む詳しいあらすじや、特徴的な場面・せりふの再現に注意が必要です。ビジネス書でも、著者独自の説明、図表、具体例、構成などをそのまま使わないようにします。
書評では、本の内容の再現よりも、次のような自分独自の部分を中心にしましょう。
・どのような読者に向いているか
・自分が印象に残った点
・賛成できた点や疑問に感じた点
・ほかの本との違い
・読後に自分の考えや行動がどう変わったか
本の要約で著作権侵害が問題になりやすい例
次のような記事は、著作権侵害が問題になる可能性が高まります。
・本文をそのまま、または一部を変えただけで掲載する
・本の章立てに沿って、内容を順番に詳しくまとめる
・著者独自の説明や具体例をほぼそのまま再現する
・図表、イラスト、写真を許可なく転載する
・小説の展開や結末を、作品を読まなくてもわかるほど詳しく紹介する
・引用部分がブログ本文の大半を占める
・出典を記載せず、他人の文章を自分の文章のように掲載する
一方、著作権法が保護するのは創作的な表現であり、作品から得た一般的な事実やアイデアまで独占されるわけではありません。
ただし、どこからがアイデアで、どこからが保護される表現なのかは、簡単に線引きできない場合があります。
本の文章をブログで引用するための基本ルール
本の文章を、自分の記事内で必要な範囲だけ引用できる場合があります。
著作権法では、公表された著作物について、公正な慣行に合い、報道、批評、研究など引用の目的上正当な範囲内であれば、引用できると定めています。
ブログで引用するときは、少なくとも次の点を確かめましょう。
1.すでに公表されている著作物から引用する
2.自分の批評や説明に引用する必要がある
3.自分の文章が主で、引用部分が従になっている
4.引用部分をかぎ括弧や引用枠などで明確に区別する
5.必要な範囲を超えて引用しない
6.原則として原文を勝手に書き換えない
7.書名、著者名、出版社、ページなど出典を示す
出典を書くだけで、無制限に転載できるわけではありません。また、引用する必然性がなく、記事の大半を本の文章が占める場合は、適切な引用と認められない可能性があります。
著作権に配慮した書評ブログの書き方
本の基本情報を簡潔に紹介する
書名、著者、出版社、扱っているテーマなどを簡潔に紹介します。
本文の内容を章ごとに再現するのではなく、「何について書かれた本なのか」が伝わる程度にとどめます。
自分の感想や批評を中心にする
記事の中心は、自分が読んで感じたことや考えたことにします。
「勉強になった」で終わらせず、どの点に共感したのか、疑問を感じたのか、自分の経験とどう結びついたのかを書きます。
引用は必要な部分だけに絞る
著者の表現そのものを示す必要がある場合だけ、短い範囲を引用します。
引用した文章の前後には、その部分を取り上げる理由や、自分の意見を十分に書きます。
結末や重要部分の書きすぎを避ける
小説やミステリーでは、結末や重要な仕掛けを詳しく書かないようにします。
著作権とは別に、読者の楽しみを損なうネタバレにも配慮し、必要な場合は冒頭で注意書きを入れます。
元の本の内容を詳しく再現しない
元の本の代わりになるほど詳しく、文章、構成、具体例、物語の展開などを再現しないようにします。
読者が本を選ぶための情報や、自分独自の感想、評価、批評を中心にしましょう。
YouTubeやSNSで本を要約する場合も同じ
著作権法上の注意点は、ブログだけでなく、YouTube、SNS、メールマガジンなどでも基本的に同じです。
「要約チャンネル」「本の解説」と名乗っているかどうかではなく、実際にどのような文章、画像、音声、映像を使っているかで判断されます。
動画内で本の文章を読み上げたり、ページや図表を映したり、作品の内容を詳しく再現したりする場合も注意が必要です。
外部から見ただけでは、運営者が権利者の許可を得ているか判断できないため、ほかのブログや動画が行っていることを、そのまま安全な方法としてまねしないようにしましょう。
すでに公開している要約記事を見直すポイント
すでに本の要約記事を公開している場合は、タイトルだけを「書評」や「解説」に変えても十分ではありません。
次の点を確かめてください。
・本の章立てに沿って詳しく内容を再現していないか
・著者独自の文章や表現を言い換えただけになっていないか
・引用部分が記事の中心になっていないか
・引用する必要性と出典が明確か
・自分の感想、批評、比較、経験が記事の中心になっているか
・本の図表、写真、イラストを無断掲載していないか
問題がありそうな部分は一度非公開にし、元の本の内容を再現する記事ではなく、自分の評価や感想を中心とした書評へ修正する方法があります。
判断が難しい場合は、著作権を扱う弁護士などへ相談してください。
よくあるQ&A
本の要約をブログに書くのは違法ですか?
本を要約した記事がすべて違法になるわけではありません。ただし、元の本の創作的な表現や構成を使い、その本の本質的な特徴が伝わる形で公開すると、複製権や翻案権などの侵害が問題になる可能性があります。
自分の言葉に書き換えれば著作権侵害になりませんか?
言葉を置き換えただけで必ず問題がなくなるわけではありません。元の文章や構成に依拠し、表現上の本質的な特徴が残っている場合は、翻案権の侵害が問題になる可能性があります。
本の感想をブログに書くのは問題ありませんか?
自分自身の感想や評価を、自分の言葉で書くことは書評の基本です。ただし、感想記事であっても、本の文章を大量に転載したり、内容を詳しく再現したりすると著作権上の問題が生じる可能性があります。
本文は何文字まで引用できますか?
著作権法に「何文字まで」という一律の基準はありません。自分の批評や説明に必要な範囲に絞り、自分の文章を主体にして、引用部分を明確に区別し、出典を示す必要があります。
本の表紙画像をブログに掲載できますか?
表紙画像にも著作権が関係する場合があります。出版社や販売サイトが定める使用条件を確かめ、許可された公式の紹介素材やアフィリエイトサービスの画像を、規約の範囲内で使う方が安全です。
小説のあらすじはどこまで書けますか?
「何文字まで」「結末を書かなければ安全」という一律の基準はありません。作品の特徴的な表現や展開を詳しく再現せず、書評に必要な範囲で簡潔に紹介する必要があります。
まとめ
本の要約をブログに書いたからといって、すべてが直ちに著作権侵害になるわけではありません。
ただし、元の本の文章、構成、具体例、物語の展開などを使い、本の表現上の特徴が伝わる形で公開すると、複製権や翻案権などの侵害が問題になる可能性があります。
書評ブログでは、本の内容を詳しく再現するのではなく、自分の感想、評価、批評、読者へのおすすめ理由を中心にしましょう。
本文を引用するときは、必要な範囲に絞り、自分の文章を主体にしたうえで、引用部分の区別と出典の表示を行うことが大切です。
