本の要約は著作権侵害にあたる場合がある【違法注意】

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本の要約の利用の仕方は、基本的に私的利用に限るものです。

本の要約は利用の仕方によって著作権侵害にあたる場合があり違法となりますので、その注意について紹介してまいります。

本の要約は私的利用が基本ですから、ネット公開やSNSの発信に利用すると、著作権侵害になってしまいます。

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本の要約は著作権侵害にあたる場合がある【違法注意】

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著作権侵害とは違法であり犯罪です。親告罪であり、告訴されると処罰されます。そして損害賠償を求められてしまいます。

まず、先にお伝えしますが、自分がスキルアップするために、要約の方法やコツを学び、本を読んで、要約を書くことや、学校教育の中で利用される場合については、著作権侵害とはなりません。

自分自身のスキルアップは私的使用だからです。(著作権法第30条)

本の要約をネットに公開するのは著作権侵害にあたります

要約した文章をネットで公開すると、私的使用ではなくなり、著作権侵害にあたる可能性が出てきます。そもそも、著作物をインターネットに公開する権利を持っているのは、著作者だけです。著作権法の第23条に、公衆送信権等は著作者が専有すると規定されています。

要約は、「原文と違うのだからいいのでは」と思う人もいると思います。詳しくは後述しますが、要約公開はNGであり違法です。

著作権侵害にならないためには、著作者の許可を得る必要があります。ですので、当サイトでも紹介しているフライヤーflierなどの要約サービスでは、当然著作者の許可を得ているわけです。

本の要約が著作権侵害にあたるならyoutubeの本要約チャンネルは違法なのか?

世の中には、「これは著作権侵害になるのでは」と思われるものがあります。youtubeの本要約チャンネルものその一つです。

書籍の紹介をしている動画がかなりたくさんあります。本の紹介自体は、著作権侵害にはならないのですが、「要約」という言葉を使っているところが微妙な印象を受けます。

要約とは、著作者の要旨に沿って、要点をわかりやすくまとめたものです。つまり要約を読めば、内容が大体わかるものです。この状態で、公開すると著作権侵害にあたるわけです。

ここでyoutubeの本要約チャンネルがなぜ著作権侵害にならないのかについて、注目してみると気づくことがあります。チャンネルのタイトルは、「要約」になっていますが、内容が要約ではなく、自分の言葉で説明されてる解説や書評で構成されているのです。

つまり、本の要約を紹介しているのではなく、ユーチューバーが本の感想を紹介しているチャンネルということです。内容が個人の言葉で噛み砕かれて、表現されている書評や感想という形態になれば、違法とは言えないのです。

個人の感想は著作権侵害にはならない

つまり「要約はアウト」だが、「書評や感想はセーフ」ということのようです。

要約は著作物に該当し、書評や感想は個人のアイディアであるという線引きがあるのかもしれません。グレー感は残りますが。

ちなみに、公開することによって、利益を上げてるかどうかは、問題ではありませんので、要約そのものをネット公開だけではなく、コピーして配布すれば、著作権侵害になります。

また、書評や感想はセーフらしいということでも、著作者に害を与えるような書き方をすれば、名誉毀損など別の犯罪になりますので、ご注意を。

本の内容をSNSに公開している人はリスキー

ネット公開には、当然SNSも該当します。Twitterやインスタグラムに書籍を紹介している人は、かなりリスキーな状況です。

ユーチューバーの要約チャンネルとは違い、Twitterなどは文字数や画像の制限数があり、かなり著作物に踏み込んでいる印象を受けます。

前述の個人の感想の範囲におさまらない可能性があります。Twitterで見られるような本を図解で紹介しているツイートはかなりグレーな感じがします。

実は、本の要約がNGなのは、翻訳権・翻案権に該当するからです。翻訳権・翻案権とは著作物に手を加えてアレンジしたりできるのは著作者だけだと、著作権法の第27条に規定されています。

ツイッターで公開されている本の図解は、翻案権に該当すると言われても仕方がないレベルに見えます。

本で得た知識をブログなどで発信するときの著作権

本を読んでいて感銘を受けたことや、学びを得たと感じる知識について、ホームページやブログで、その知識を広く伝えたいと思うことがあると思います。

このケースも同様に考えられます。

「本の要約」として表現すれば、著作権侵害になる可能性が高いです。噛み砕いて、自分の言葉で表現したもの=書評や感想・意見としての公開であり、本の内容がネタバレにならなければ、著作権侵害になる可能性は低いです。

「書籍が売れるならいいんじゃないの」とはならないのです。

ただ、引用ルールをクリアして引用する場合は、著作権侵害にはならないので自分の言葉で、得られた学びや知識を公表し、そのエビデンスとして引用するのは、良い方法です。

記事の要約も著作権侵害にあたる

本の要約について紹介してまいりましたが、実は、似たものとして記事にも著作権があります。

私的使用でない場合は、新聞社やネットニュースの記事を許可なく要約して利用すれば、翻訳権・翻案権に該当し、著作権侵害にあたります。

要約はやめて、部分的引用をルールに従って使用するにとどめるべきです。

引用ルール

・本文が主であり、引用はあくまで従であること(引用がメインではNG)
・引用であることを明示すること
・引用する必要性があること(本文のエビデンスとして)
・出典元が明記されていること
・改変しないこと(引用文は原文のままで)

まとめ

本の要約をして良いのは、私的利用など範囲が定められており、内容の要約としてネット公開や紙での配布などすると、著作権侵害にあたり違法となる可能性が高いです。

ブログやSNSに、良い本に巡り会えたことを公開したい場合は、ネタバレにならないように配慮し、自分の言葉で噛み砕いて、書評や感想・私見として、公開することです。

また、著作権の保護期間は著作者の生存年間及びその死後70年とされています。

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