「読書が遅い」「読書量を増やしたい」と悩んでいる人にとって、読書スピードの向上は大きな関心事のひとつです。しかし、読書のスピードアップには何かとハードルが高く、実践に踏み切れないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では効率的に読書のスピードアップをマスターするためのコツや方法を紹介します。基礎知識や具体的な練習法、さらには日常生活に取り入れやすいトレーニング法まで、幅広く解説していきます。読書スピードアップを目指す人はぜひ、本記事を参考にしてみてください。
読書スピードアップ法|効率的に速読をマスターするコツ
読書のスピードアップができるとどんなメリットがあるのでしょう。一般的には以下のようなメリットがあるとされています。
・同じ情報量を短い時間で読めるので、時間の節約になります。
・仕事や勉強において読書に割く時間が短くなり、生産性が向上する可能性があります。
・文章のポイントを把握しやすくなり理解度が向上する可能性があります。
・単語や言葉の意味を理解するスピードが速くなり、語彙力向上につながります。
・情報を効率的に脳に取り込むことになり、記憶力向上につながる可能性があります。
以上のように、読書のスピードが速くなると得られるメリットが複数あると言われます。
読書のスピードアップに関する基礎知識
読書のスピードアップに関する基礎知識を確認しておく必要があります。
まず読書のスピードは、平均どのくらいなのかです。そして、スピードが遅い原因に何があるのかです。また読書スピードを速くするポイントも知っておきたいことです。
読書スピードは平均どれくらいなのか
日本人の読書スピードは平均で1分間で400文字から600文字程度とされています。(参照元:SP速読学院)
600文字といえば、原稿用紙なら1ページと半分です。文庫本なら1ページあたりが600文字から700文字とされていますので、平均的な読書スピードは文庫本で言えば1ページ分くらいということです。(古い文庫本だと800文字くらいに文字が詰まったものもあります。)
書籍のページ数はジャンルによって多少違います。一般的な小説で300ページ前後、経済関連のビジネス書は300ページ超、その他のビジネス書で230〜250ページ程度です。
単純計算すると、平均的な読書スピードで読むと、小説なら5時間位、経済関連のビジネス書なら5時間超、その他のビジネス書で4時間前後が、平均的な読書スピードで読み終わる時間の目安ということになります。
読書スピードが遅い原因
時々「読書スピードが遅いのが悩み」と聞くことがあります。もちろん本人にしてみれば重要問題です。原因となる理由はいくつかあります。
・心の中で音読している
・知らない言葉や漢字がブレーキになっている
・1文字(1単語)ずつ理解しながら読む癖がついている
・本を読み慣れていない
心の中で音読しているという理由は、読書スピードが遅いとされる人に多い理由です。個人の感覚によりますが、頭の中か、心の中で音読している人が多いです。実際に口には出していないものの、口を動かしているようなスピード感になってしまいます。
また知らない言葉や漢字がブレーキになっている人は、普段本をあまり読んでいない人にあるケースです。例えていうなら、普段運動をしていない人がいきなり短距離を走り始めるみたいなものです。腕の振り方も膝の上げ方も分かっていないので遅いですね。それに近いです。文字を読もうとしているのに、普段読んでいないので、知らない言葉や漢字がたくさんあります。言葉の意味を理解しないままに読み続ける素読という読み方はあります。
しかし、普通は意味がわからないと調べます。スマホアプリは瞬時に調べられるようになりましたが、それでも数秒〜数10秒の時間を取られてしまいます。知らない言葉や漢字が減ってくるまでは、ブレーキになる可能性はあります。
一文字ずつ理解しながら読むくせがついてるという人もいます。普段本を読まない人の特徴の2番めでもあります。言葉の意味・漢字の意味を考えながら、読んでいきます。ずっと熟読のペースでじっくりと意味を考えながらの読書という癖がついてしまっています。
本を読み慣れていない人は、文字を読んだ時の理解速度が遅いことも原因になっています。読書スピードが速い人は、普段の読書量も非常に多いです。そのため、知らない言葉が少なくなっています。
人の脳は読書に限りませんが、初めて何かをする時は、新しい回路(神経細胞がシナプスでつながったばかり状態)ができます。そして、何度も同じようなことを経験していくと、回路(シナプス)が太くなって、早く処理できるようになります。俗に言う頭の回転が早くなる状態です。
本を読み始めた段階では、文字を目で見て、頭の中で瞬時に過去データから意味を取り出して理解して、また次の文字へ移動して・・・という一連の動きの回路が強く太くなっていない状態です。つまり、頭の回転速度・理解速度が遅い状態である可能性があります。
読書スピードを上げるために必要なコツ
速読や超速・瞬読という一種のスキルをもった速く読む読み方には、専用のトレーニングが必要です。しかし、今の読書スピードをある程度(例えば2倍)早くすることは、比較的簡単です。
スキミングやスキャニングで読書スピードを上げる方法
スキミングとは、テキストをざっと流し読みして、主要な内容やポイントをつかむ読書法です。見出しや章のタイトル、写真やイラスト、ボールド体やイタリック体の文字に注目し、テキストの構成や主要な内容を予測します。目的に合わせて、必要な情報を見つけ出します。一部分だけ深く読んで、それ以外は流し読みして情報を取捨選択します。
スキャニングとは、目的の情報を探すために、テキストをある程度読み飛ばしながらスキャンする読書法です。目的とする情報を明確にし、それに関連するキーワードを探します。テキストのページをざっとスキャンし、目的とするキーワードや情報を探します。目的とする情報が見つかったら、その周辺を読んで情報を確認します。
トピックセンテンスを意識して読書スピードをアップする方法
トピックセンテンスとは、段落や文章の先頭に置かれる主題を表す文のことです。トピックセンテンスを意識することで、読書スピードを上げることができます。具体的には、段落のトピックセンテンスを読んだ後、その内容に関する予測や仮説を立て、その後の文でそれが正しいかどうかを確認するようにします。
また、トピックセンテンスを意識することで、読んでいる文章の構造を理解しやすくなります。これにより、読み手は文章全体をよりスムーズに理解し、より効率的に情報を吸収することができます。
繰り返し行う効果的な練習でスピードアップを実現
効果的な練習として「タイムトライアル練習」「パッセージの繰り返し読み」「クイックレスポンス練習」「フィンガートレーニング」があります。
タイムトライアルは、一定時間内にできるだけ多くのページを読む練習です。繰り返すことで、スピードアップの進捗を実感できるはずです。
パッセージの繰り返し読みは、一定のパッセージを何度も繰り返し読む練習です。繰り返しながら徐々にスピードを上げてみてください。
クイックレスポンス練習は、理解の速度を早める練習です。一定のパッセージを読んだ直後に、その内容についてまとめたり、問いかけに答えたりすることで、理解速度を鍛える練習になります。
フィンガートレーニングでは、ページの上で指を移動させ、目で追いかけるように読む練習です。思いの外、速く読めていくことを実感できるはずです。
脳内音読(心の中で音読)をやめること
心のなか(または頭の中)で音読する癖をやめることです。癖になっている人は、意識してもすぐには治らないと思いますが、諦めずに繰り返してください。音読防止のために、心のなかで「あー」や「うー」などと発音しているつもりになる方法も有効です。
読めない漢字を減らす
スマホに漢字アプリを入れて、何度も調べて覚えて繰り返します。知らない言葉や漢字を減らしていきます。単純に繰り返すだけです。読書スピードのブレーキの回数が減っていきます。
同じ本を何度も読む
読書スピードを上げるには、同じ本を何度か読む方法もおすすめです。これは認知科学者の苫米地英人さんが速く読む方法についての本の中で説明しています。(速読セミナーの方法とは違います)
文章や本を何度も読むことで、既に知ってる意味の言葉で書かれている状態を作っていきます。この状態を圧倒的に増やしていくと、新しく読む本であっても、知ってる言葉ばかりが並んでいる状態になっていきます。
つまり、文章を見て瞬時に意味を理解していける状態が作られていくのです。ですので都度理解するというステップを省略できます。
まとめ
読書スピードアップ法について解説しました。
読書のスピードアップができれば、効率的な時間の使い方も可能になります。また、速く読めるほうが、沢山の本を読めるということにもなります。読書スピードの目安については一般論として紹介しています。普通に読んで、自分がそれより速くても遅くても、卑下することもありませんし、自慢にもなりません。
しかし読書スピードが速くなると得られるメリットも多くありますので、本記事をヒントに実践してみることをお勧めします。
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