レポートの要旨(アブストラクト)を書こうとして、「内容はまとまっているはずなのに、なぜか分かりにくい」「何を書けば正解なのか迷う」と悩んでいませんか?
親記事の「レポートの要旨の書き方:例文つきでわかりやすく解説」では、要旨の基本的な役割や構成、書く際の注意点について学びました。この記事では、さらに一歩踏み込んで、実際に使われる例文を要素ごとに分解し、なぜその文章が「良い」のか、あるいは「惜しい」のかを徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、自分のレポートに合わせた最適な要旨がスラスラと書けるようになっているはずです。
レポートの要旨を4つの要素に分解して理解する
優れた要旨には、必ず含まれるべき「4つの骨組み」があります。例文を分析する前に、まずはこの構成要素を整理しましょう。
- 背景・目的: なぜこの研究・調査が必要だったのか
- 方法・対象: どのような手段で、何を調べたのか
- 結果: 調査の結果、どのような事実が判明したのか
- 結論・考察: その結果から何が言えるのか、どのような意義があるのか
これら4点が論理的につながっていることが、読みやすい要旨の絶対条件です。それでは、具体的な例文を見ていきましょう。
【良い例】要素が明確な要旨の分解解説
まずは、構成が整った「良い例文」を分解して解説します。
【テーマ:大学生の電子書籍利用に関する調査】
(背景・目的) 近年、電子書籍の普及が進んでいるが、大学生の学習における利用実態は十分に明らかになっていない。本レポートでは、大学生の学習効率と電子書籍利用の関連性を明らかにすることを目的とした。(方法) A大学の学生200名を対象にアンケート調査を実施し、紙媒体と電子書籍の使い分けについて分析した。(結果) その結果、資料検索には電子書籍が好まれる一方、深い精読には紙媒体が選好される傾向が確認された。(結論) 大学生は用途に応じて媒体を使い分けており、学習支援においては両媒体の特性を活かした資料提供が重要である。
なぜこの例文は「良い」のか?
この例文が優れている点は、「一文一義」で役割が明確なことです。
- 分解のポイント: 冒頭で「実態が明らかになっていない」という課題を提示し、最後には「両媒体の特性を活かすべき」という具体的な結論に着地しています。
- SEO・読者へのメリット: 読者はこの数行を読むだけで、レポートの全体像を完璧に把握できます。
【悪い例】修正が必要な要旨の特徴と改善案
次に、ありがちな「惜しい例文(悪い例)」を見てみましょう。どこに問題があるか考えてみてください。
【悪い例:内容が抽象的すぎる】
本レポートでは、環境問題について調査を行った。様々な文献を読み、現状についてまとめた。その結果、多くの課題があることが分かった。今後は対策が必要であると考える。
この例文の欠点
この文章の最大の問題は、「具体性」の欠如です。
- 情報の不足: どの環境問題か?(温暖化?海洋プラスチック?)、どんな文献か?、具体的な課題は何だったのか?が一切不明です。
- 改善のヒント: 「環境問題」を「都市部における食品ロス問題」のように具体化し、「対策」を「自治体による回収システムの構築」のように具体的に記述する必要があります。
要旨の質を高める「良い例」と「悪い例」の比較表
書き方のコツを視覚的に整理しました。
| 項目 | 良い例(採用すべき) | 悪い例(避けるべき) |
| 主語と述語 | 「本調査では~を明らかにした」と明確 | 「~だと思われる」「~かもしれない」と曖昧 |
| 数値の扱い | 「80%の回答者が~」と具体数値を出す | 「多くの人が~」「大半が~」と感覚的 |
| 接続詞 | 「したがって」「一方で」など論理的 | 「そして」「あと」など口語的で羅列 |
要旨の基礎知識を再確認する 文章の分解方法を理解した後は、改めて全体のルールを見直すことが大切です。 「レポートの要旨の書き方:例文つきでわかりやすく解説」では、基本を網羅しています。
まとめ:構成を意識して説得力を高める
要旨はレポートの「顔」です。今回解説したように、文章を要素ごとに分解し、それぞれに具体性を持たせることで、読み手に内容が正しく伝わるようになります。
まずは親記事で解説されている「構成の基本」を再確認し、その上でこの記事の「例文分解」を参考に、ご自身の文章をブラッシュアップしてみてください。
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