あなたの周りや上司の中に、「簡潔に言うと・・・」を口癖のように使う人はいないでしょうか。なのに、なぜか話が長くなる人もいます。
簡潔とは、本来は短く無駄がないはずなのに、です。
当記事では、「簡潔に言うと」の意味と英語で言う場合の言い換えについて、更に「端的に言えば」との違いについて掘り下げて解説をいたします。
「簡潔に言うと」の意味と使い方
「簡潔に言うと」の「簡潔」の言葉の意味は、「簡単であり要領を得ており、無駄がない」という意味が本来の意味です。
「簡潔に言うと」が使われるのは、ビジネスシーンが多いです。
例えば上司から部下への業務指示や内容説明のシーンや、部下から上司に報告した際に上司から要点をまとめて指示された場面での報告をするシーンなどです。
それらのビジネスシーンで、必要とされるのは、単純に文章として短くなったのではないということです。要点をついていて、不要な情報がないということです。その結果、シンプルで分かりやすくなり、「手短に伝えると」などと言い換えができるのです。
「簡潔に言うと」の意味|言い換えから考える
「簡潔に言うと」とは、長い話を短くまとめるために使われるフレーズです。意味するところは、話を簡単にまとめるということです。「簡潔に言うと」を使うことで、話題の中心点を明確にすることができます。聞き手側からすれば、大まかな内容を理解するのに役立ちます。
例えば、ある人がプレゼンテーションをしている場合、長い説明をしていると、聞き手は集中力を失ってしまうことがあります。そういう場合に、話の中心点を明確にするために、「簡潔にいうと」というフレーズを使うことで、聞き手の集中力を維持し、話の内容をより理解しやすくすることができるのです。
また、「簡潔にいうと」は、以下のような言葉に言い換えることができます。
・わかりやすく言うと
・一言で言えば
・簡単に言うと
・つまり
・要するに
・平たく言うと
・かいつまんで言えば
・言い換えると
・大まかにいうと
これらの言い換えの言葉から考えると分かりやすくなります。
「簡潔に言うと」の意味は、極論すれば「要点だけを一言でいうと」という意味になります。しかし実際の仕事の現場では、言葉の意味を理解していない話の長い上司や先輩社員が部下に向かって、くどくど長々と話すという場面が度々おきるのです。
つまり「簡潔に言うことができない上司や先輩社員」は、要約ができないし、要点も理解していない人ということになります。しかし話が長い人は、自分でそのことに気づいていません。
「簡潔に言うと」は、平易な言葉で表現するときや、全体を一言で表現するような場面で使います。
「簡潔に言うと」と「端的に言えば」との違い
「簡潔に言うと」に似ている表現で、「端的に言えば」を使う人や使われている場面に遭遇することも少なくないと思います。実際に、ビジネスシーンではよく見かけます。
「端的に言えば」の意味は
「端的に言えば」とは、より簡潔にいうことで、より簡単に理解できるようにするためのフレーズです。このフレーズは、「簡潔にいうと」と同様に、話題の中心点を明確にすることができます。聞き手がより簡単に理解できるようにすることができます。
「簡潔に言うと」との違いは
「簡潔に言うと」と「端的に言えば」の違いは微妙です。意味を調べても、どちらも「要点を押さえて簡単に伝える」という点では同じ意味として捉えられています。しかし、さらに深く調べると「簡潔」と「端的」には少しニュアンスの違いがありますので、自分が使う言葉として選ぶ場合は注意が必要です。
「端的」とは、「手っ取り早く要点だけ」という意味があります。使い方は、「端的に説明する」「端的にまとめる」「端的に話す」などと使います。手間をかけずに要点だけという意味が強くなります。「簡潔」とは、「簡単でわかりやすく、要点が明快」という意味があります。文章全体をわかりやすく簡略してまとめる象になります。
つまり「簡潔」と「端的」の違いは、端的が要点だけを残して他の部分を削っている意味があり、簡潔は文章全体から要点を整理しまとめている意味になります。
例えば、ある人が「私はアイスクリームが好きです。簡潔に言うと、私は甘いものが好きです。」と言ったとします。この場合、「簡潔に言うと」を使って、アイスクリームが好きだという内容を甘いものが好きだというより簡潔な言葉でまとめています。
一方、「端的に言えば、私は甘いものが好きです。」と言った場合、アイスクリームが好きだということが直接的には言及されていませんが、より明確で簡潔な言葉で表現されていると言えます。
「簡潔に言うと」はビジネスシーンでは敬語で表現する
ビジネスシーンでは、「簡潔に言うと」は、頻繁に使われます。
ただビジネスシーンでは、社外はもちろんですが、社内であっても敬語で話すのが一般的です。自分の部下に対しても敬語を使うのか、と思う人もいるかもしれません。
しかし仕事ができる人は、仕事では基本的に常に敬語を使います。懐の深さや人間性・信頼性の高さへとつながります。
「簡潔に言う」は自分の行動についての表現です。この場合に使う敬語は、謙譲語か丁寧語になります。尊敬語は相手の行動に使う敬語ですので、この場合は使いません。
「簡潔に言うと」のビジネスでの使い方の注意
「簡潔」は名詞、「簡潔に」は副詞になります。ですので敬語を使う部分は、「言う」についてです。
相手が目上の人ならば、謙譲語で「簡潔に申し上げると」と表現できます。
相手が目上以外の相手なら、丁寧語を使います。「簡潔に言いますと」と表現できます。
蛇足になりますが、自分の部下(チーム員)や年少者に対しては、丁寧語など使わないと言う方もいます。しかし、組織の構成はいつひっくり返るかわかりません。部下だった人が上司になることなんて普通に起きることです。また上司から考えるフレンドリーな関係性は、いつの時代も相手にとってはハラスメントに感じることが少なくありません。
逆に上位者なのに、丁寧語で話してくれる人に対して、人は懐の深さや人格を感じるものです。少なくとも丁寧語で話すようにすることです。
「簡潔に言うと」を英語で使う場合
「簡潔にいうと」は、前述の通り日本語でもいくつもの言い方があります。
実は英語で話す場合も、少しのニュアンスの違いでいくつもの表現の仕方があります。ニュアンスの違いでいくつもの表現の仕方があります。英語で話す場合は、どうなるでしょう。英語で話す言い方にフォーカスしてみます。少しずつニュアンスの違いがあります。
・in a nutshell(一言で言えば、簡潔に言えば)
・briefly stated(手短に言えば)
・simply put(簡単に言うと)
・to put it simply(簡単に言うと)
・in a word or two(簡単に言うと)
・in other words(つまり、言い換えると)
・in short(要するに)
・to make it short please(簡単に説明して)
・the short version is(ポイントだけ話すと)
・long story short(結論を言えば)
まとめ
「簡潔に言うと」の意味や言い換え・敬語について解説しました。
特にビジネスシーンでは、限られた時間内でより多くの情報をやり取りする場面が多いこともあり、高頻度で使われる言葉の一つです。
ただ前述しましたように、要領を得た・要点をついている表現でなければなりません。「簡潔にする」をシンプルに表現することに偏ってしまうと、言葉不足・説明不足という状態が起きてしまいます。
無駄がない表現で、かつ要点をおさえていなければなりません。
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