「何が言いたいの?」「もっと簡潔に説明するように」などと言われた経験がないでしょうか。
あるいは誰かの説明を聞いていて、「結局何の話しをしているのだろう」と思ったことはありません。
実際口にするかどうか別として、かなりの割合で私たちはそう考えています。
当記事では「簡潔に説明する」ことの意味と具体的な方法について解説しています。
簡潔に説明する意味と具体的な方法
簡潔に説明するという言葉を聞いたことがない社会人はおそらくいないでしょう。
その位に、頻繁に使われている言葉です。裏返せば、簡潔に話すことができていない状況が多いとも言えます。
ところで簡潔に説明するとはどういう意味なのか、理解しているでしょうか。実は正確な意味を理解せず、なんとなく覚えていることがあります。しかし覚えているはずなのに、実際には簡潔に説明できていないという状況が多いのです。
「簡潔に説明する」の意味
「説明する」とは、物事の状況や状態、理由や根拠などについて、相手にわかるように解き明かすことです。
「簡潔に」とは、要点を押さえた上で、不要な情報がなく、無駄なく表現されていることです。
つまり「簡潔に説明する」とは、不要な情報がなく、相手に分かりやすく、かつ要点が押さえられていて、簡単に内容が解き明かされていることとなります。
簡潔に説明する必要があるということは次のような状況にあると考えられます。
1)説明が長い。一文が長い。
2)要点がどれなのか、分かりにくい
3)関連性が低いことも説明している
4)聞いたことに答えていない
5)話が長い
簡潔に説明するを英語で言うと
簡潔に説明する、簡単に説明するを英語で言う場合の言い方にはいくつかあります。
主な使い方は以下のようになります。
・explain briefly(簡潔に説明する)
・explain simply(簡潔に説明する)
・long story short(手短に言うと)
・brief description(簡単な説明)
簡潔に説明する方法
簡潔に説明するということは、前述のとおり、要点を抑えた上でなるべく文章を短くして、相手に説明するとことです。
場面は2つあります。
1つは相手からの質問に答える場面です。答える時間はほんの数分です。具体的に2分が目安です。2分を目安にして、聞かれたことに答えるのです。相手は詳細ではなく、概要を知りたいと思って質問をしていることがほとんどです。
もう1つはプレゼンや会議での説明などです。基本形としては、事前にレジメが配布され、説明者には5分から10分程度の説明時間が配分されているケースです。
簡潔な説明の原則は5W1Hと結論から話すPREP法|余計な事を話さなくなる
子供の頃に学校で習った5W1Hは、社会人になってもベーシックなフレームワークとして使われます。そして話す順番は結論から話すPREP法が相手にとって分かりやすい方法として知られています。
5W1Hは、ほとんどの話し手と聞き手が知っているはずの考え方です。いつ(When)・どこで(Where)・誰が(Who)・何をどうした(What)、どのようにして(How)、その理由(Why)の6つの要素に、当てはめると分かりやすいです。
簡潔に説明する時、これは大事なポイントだと考えていたことが5W1Hに収まらないことがあります。つまり5W1Hという主要の要素ではなく、「例」や補完的な要素だと分かります。簡潔に説明する場合には、「例」や補完説明は、省く対象となるのです。
そして、簡潔に説明する順番としてPREP法を使うことです。
PREPとは、Point(結論や主張)・Reason(結論や主張につながる理由)・Example(理由の根拠・データ・具体例)・Point(結論・主張)の略称です。人が理解しやすい文章等の構成として知られています。
簡潔な説明では質問を明確にする
上司からの質問に対する報告や、会議やプレゼンでの質疑応答など、相手の質問に答える場面があります。説明がうまくできていないケースでは、相手の質問を誤解している場合があります。
また質問を受けて頭の中を高速に回転させ解答を見つけたときに、回答文の途中から話し始めてしまう場合もあります。
この2つのケースでは、質問者は自分の質問に答えていない印象を強くします。場合によって、質問者は感情的になってしまいます。
自分の理解を正確にするためにも、相手からの想定外の質問があった際には、質問内容を復唱して誤解がない事を確認するのです。
簡潔に説明するには2分以内を目安に全体像とゴールライン(行き先と何をしてもらいたいか)を伝える|要点が明確になる
人の集中可能な時間には、様々な意見があります。25分・45分・90分などと言われます。しかし連続した集中可能時間としては、3分間で限界を超えることがわかっています。
実際には1分半がベスト、2分半が限界、3分は限界オーバーなのです。そして次に何かをきっかけにして、集中時間が繰り返されていきます。集中させるきっかけが起きなければ、5分後10分後には相手の耳には話しての声は届かず、寝てしまう可能性があります。
人の集中できる時間は非常に短いので、最初の2分間でまず説明の全体像を伝えることです。説明の全体像の中ではゴールラインも忘れずに伝えることです。前述の「結論」にあたる部分です。
2分間と言えば、かなり短く感じると思います。しかし一般的な話す速度では、2分あれば600文字まで話すことができます。具体的な文章量としては、文庫本1ページ分の文字量になります。
簡潔に説明するには何文字がいい
分かりにくい文章には、一文が長い(文字数)という特徴があります。書いた文章であれば、句点「。」で一文となり、分かりやすいとされる文字数は、30文字〜50文字が適切と言われています。
簡潔に説明する場面は、主に口頭での場面です。話している言葉には、句点(。)読点(、)が目に見えるわけではありません。しかし「・・・ですが、・・・」というように、接続詞「が」を挟めることで文章が続いていることを印象付けます。
つまり「が」が多いと、長い文章が多いと感じることになります。接続詞は、少なくすることで一文の長さが短い印象になります。簡潔に説明する文字数には、30字から50字がちょうど良いです。
簡潔に説明しつつ相手の集中を切らさない|話が長いと思われなくなる
人の集中可能時間は非常に短いです。一旦集中が切れてしまうと、戻すのが大変です。
対策は2つです。
1つは集中の継続時間は2分前後ですので、3分目には聞き手からのヒアリングを挟むなどの工夫をする。一方的な説明時間を2分までにすることです。
もう1つは、相手の集中を切れにくくするには、相手が知りたいこと・聞きたいことに、寄せて説明することです。
事前のリサーチが可能であれば、SNSやネットの情報で構いませんので、下調べをしておくことです。ただし調べた事実については、相手によって反応が極端に分かれますので、伏せておいた方がいいかもしれません。
調べた事をベースに、説明の中で関連性がある部分があれば、寄せて話すことで、相手の集中を切らさないことができます。当然、説明をしている時の相手の観察も重要要素です。どの部分に反応したののかをよく注意して観察することです。
ポイントは、相手が好きなこと・関心があること・知りたいこと・聞きたいことです。
上司に質問された場合に説明するには
簡潔に説明する相手が上司で、業務報告を求められた場合、知りたいこと・聞きたいことはなんでしょう。簡潔に説明できていない人は、売れた・売れてないなどの結果に終始します。上司が知りたいことはそこではありません。
前回の会議やミーティングで、戦略や戦術を計画したはずです。その狙いがあっていたのかどうかを知りたいのです。計画通りの行動ができているのか、何か障害はないのか、現在の方針のままで良いのかを知りたいのです。
簡潔に説明するには、相手が知りたいこと・聞きたいことに合わせていなければ、NGです。
まとめ
簡潔に説明することの意味と具体的な方法について解説しました。
簡潔に説明しているはずなのに、相手に伝わっていないことの原因は複数考えられます。
「結局何が言いたいのか」「要点は何か」などと言われないために、今回提案している方法を実践してみてください。
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