敬語は、相手への敬意や丁寧さを表現するための言葉遣いであり、特に日常会話でよく使われる「行く」という動詞の敬語表現を知っておくことが大切です。
この記事では、「行く」の尊敬語や謙譲語、ビジネスシーンでの使い方、そして「行くことができる」「行くことができない」「行くのをやめる」などの応用表現について詳しく解説します。適切な敬語表現を使いこなすことで、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。
「行く」の敬語表現
「行く」の尊敬語は「いらっしゃる」、謙譲語は「伺う」「参る」です。目上の人が行く場合は尊敬語、自分が行く場合は謙譲語を使います。例えば、「社長は会議にいらっしゃいました」「明日、お客様のところへ伺います」などと使い分けましょう。
敬語の「行く」を使いこなそう！尊敬語「いらっしゃる」の使い方
尊敬語「いらっしゃる」は、「行く」の敬語表現の一つで、目上の人や大切なお客様が行く場合に使います。相手に対する敬意を示すために使われる言葉です。
「いらっしゃる」の使い方
主語が目上の人の場合
例えば、社長が会議に行く場合は、次のように言います。
「社長は会議にいらっしゃいました。」
このように、主語が目上の人の時は、「いらっしゃる」を使うことで、相手への尊敬の気持ちを表現できます。
主語が大切なお客様の場合
お客様が会社に来られる場合も、「いらっしゃる」を使います。
「お客様が午後2時に弊社にいらっしゃいます。」
このように、大切なお客様に対しても、「いらっしゃる」を使うことで、丁寧な言葉遣いができます。
「いらっしゃる」の使い方の注意点
自分や身内には使わない
「いらっしゃる」は、あくまでも目上の人や大切なお客様に対して使う言葉です。自分や身内に対して使うのは適切ではありません。
例えば、「私は明日、会議にいらっしゃいます。」というのは間違いです。
親しい間柄では使わない
また、親しい間柄の人に対して「いらっしゃる」を使うのも、不自然な場合があります。
例えば、友人に対して、「明日、うちにいらっしゃる？」と言うのは、かしこまりすぎている印象を与えてしまうかもしれません。
尊敬語「いらっしゃる」は、「行く」の敬語表現の一つで、目上の人や大切なお客様が行く場合に使います。相手に対する敬意を示すために使われる言葉です。ただし、自分や身内、親しい間柄の人に対して使うのは避けましょう。シーンに合わせて、適切に「いらっしゃる」を使いこなすことで、丁寧な言葉遣いができます。
敬語の「行く」を使いこなそう！謙譲語「伺う」と「参る」の使い方
謙譲語「伺う」と「参る」は、「行く」の敬語表現の一つで、自分が目上の人のところへ行く場合に使います。自分の行為を謙虚に表現することで、相手に対する敬意を示すために使われる言葉です。
「伺う」と「参る」の使い方
目上の人のところへ行く場合
例えば、上司のところへ行く場合は、次のように言います。
「部長、これから伺ってもよろしいでしょうか。」
「社長、会議に参ります。」
このように、自分が目上の人のところへ行く時は、「伺う」や「参る」を使うことで、謙虚な態度を示すことができます。
お客様のところへ行く場合
お客様のところへ行く場合も、「伺う」や「参る」を使います。
「明日、お客様のところへ伺います。」
「今から、お客様のもとへ参ります。」
このように、お客様に対しても、「伺う」や「参る」を使うことで、丁寧な言葉遣いができます。
「伺う」と「参る」の使い分け
「伺う」と「参る」は、どちらも謙譲語ですが、使い分けがあります。
「伺う」の使い方
「伺う」は、主に目上の人やお客様のところへ行く場合に使います。
例えば、「先生のお宅に伺う」「お客様の会社に伺う」などのように使います。
「参る」の使い方
「参る」は、主に公的な場や儀式などに行く場合に使います。
例えば、「式典に参る」「会議に参る」などのように使います。
ただし、最近では「参る」も日常的に使われるようになってきており、「伺う」と同じように、目上の人やお客様のところへ行く場合にも使われます。
謙譲語「伺う」と「参る」は、「行く」の敬語表現の一つで、自分が目上の人のところへ行く場合に使います。自分の行為を謙虚に表現することで、相手に対する敬意を示すために使われる言葉です。「伺う」は主に目上の人やお客様のところへ行く場合、「参る」は主に公的な場や儀式などに行く場合に使います。ただし、最近では「参る」も日常的に使われるようになってきています。シーンに合わせて、適切に「伺う」と「参る」を使いこなすことで、丁寧な言葉遣いができます。
「行く」の敬語表現を使ったビジネスシーン
ビジネスシーンでは、「行く」の敬語表現を使って丁寧に伝えましょう。メールでは「明日の会議に伺います」、面接では「こちらに伺えて光栄です」と表現します。また、病院への行き方を説明する際は、「病院にいらっしゃる際は、正面玄関からお入りください」と丁寧に案内しましょう。
ビジネスメールで使う「行く」の敬語表現
ビジネスメールは、相手と直接会って話をするわけではないので、言葉遣いがとても大切です。特に、目上の人やお客様とのやり取りでは、敬語を使って丁寧に伝えることが求められます。
「行く」の敬語表現をメールで使う場面
ビジネスメールで「行く」の敬語表現を使う場面としては、以下のようなものがあります。
会議や打ち合わせに行く場合
「明日の会議に伺います。よろしくお願いいたします。」
「来週の打ち合わせには、必ず参ります。」
お客様の会社に訪問する場合
「来月5日に、貴社に伺わせていただきたく存じます。」
「今週中に、お客様のオフィスに参る予定です。」
セミナーや勉強会に参加する場合
「来週のセミナーに参加させていただきます。」
「勉強会には、必ず伺います。」
「行く」の敬語表現の使い方のポイント
「伺う」と「参る」の使い分け
「伺う」は、主に目上の人やお客様のところへ行く場合に使います。一方、「参る」は、主に公的な場や儀式などに行く場合に使います。ただし、最近では「参る」も日常的に使われるようになってきています。
「させていただく」を添えると丁寧
「伺う」や「参る」に「させていただく」を添えると、より丁寧な印象を与えることができます。
例えば、「来週、お客様の会社に伺わせていただきます。」のように使います。
「〜てまいります」で丁寧に
「参る」の丁寧語として、「〜てまいります」があります。
例えば、「明日の会議には、遅れずに参ってまいります。」のように使います。
例文
ここでは、ビジネスメールで「行く」の敬語表現を使う例文をいくつか紹介します。
例文1
田中様
お世話になっております。株式会社〇〇の鈴木と申します。
来週火曜日に、貴社に伺わせていただきたく存じます。
お忙しいところ恐縮ですが、お時間をいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社〇〇
鈴木太郎例文2
佐藤部長
お疲れ様です。営業部の田中です。
明日の会議には、必ず参ってまいります。
資料の準備も万全です。
よろしくお願いいたします。
営業部
田中花子ビジネスメールでは、「行く」の敬語表現を使って、丁寧に伝えることが大切です。「伺う」は目上の人やお客様のところへ行く場合、「参る」は公的な場や儀式などに行く場合に使います。「させていただく」を添えたり、「〜てまいります」を使ったりすることで、より丁寧な印象を与えることができます。シーンに合わせて、適切な敬語表現を使いこなしましょう。
面接で使う「行く」の敬語表現
面接は、就職や転職の際に非常に重要な役割を果たします。面接官との対面で、自分の能力や人柄をアピールする必要があるため、言葉遣いには特に気を付ける必要があります。敬語を適切に使うことで、相手に好印象を与えることができます。
「行く」の敬語表現を面接で使う場面
面接で「行く」の敬語表現を使う場面としては、以下のようなものがあります。
面接会場に到着した時
「本日は、面接にお伺いさせていただき、ありがとうございます。」
「こちらに参れて光栄です。」
自己紹介をする時
「私は、〇〇大学を卒業後、△△株式会社に就職いたしました。その後、□□株式会社に転職し、現在に至ります。」
「前職では、営業部に所属し、新規顧客開拓に尽力してまいりました。」
入社後の抱負を述べる時
「御社に入社できましたら、全力で業務に取り組んでまいります。」
「御社の一員として、精一杯努力していく所存です。」
「行く」の敬語表現の使い方のポイント
謙虚な態度を示す
面接では、謙虚な態度が求められます。「伺う」や「参る」などの謙譲語を使うことで、自分の行為を控えめに表現し、相手に対する敬意を示すことができます。
「〜させていただく」を活用する
「〜させていただく」は、謙譲語の一つで、自分の行為を相手に許可を求めるような表現になります。面接では、「今日は面接に伺わせていただき、ありがとうございます。」のように使うことで、丁寧な印象を与えることができます。
尊敬語は使わない
面接では、自分の行為について話すことが多いため、基本的に尊敬語は使いません。相手に対する敬意は、謙譲語を使うことで表現します。
例文
ここでは、面接で「行く」の敬語表現を使う例文をいくつか紹介します。
例文1
面接官：本日は、面接にお越しいただきありがとうございます。
受験者：こちらこそ、お忙しい中、面接のお時間をいただき、ありがとうございます。本日は、精一杯自分の経験と能力をアピールさせていただきたいと思います。例文2
面接官：前職では、どのような業務に携わっていましたか？
受験者：前職では、営業部に所属しておりました。新規顧客の開拓に尽力し、売上の向上に貢献してまいりました。その経験を活かし、御社でも全力で業務に取り組んでいきたいと考えております。面接では、「行く」の敬語表現を適切に使うことが大切です。「伺う」や「参る」などの謙譲語を使い、謙虚な態度を示しましょう。また、「〜させていただく」を活用することで、丁寧な印象を与えることができます。尊敬語は使わず、相手に対する敬意は謙譲語で表現します。面接での言葉遣いに気を付けることで、好印象を与え、内定獲得に近づくことができるでしょう。
病院に行く際の案内で使う敬語表現
病院に行くことは、体調不良や怪我など、不安を抱えている人が多いものです。そのため、病院への行き方を説明する際には、相手に配慮し、丁寧な言葉遣いを心がける必要があります。敬語を適切に使うことで、相手に安心感を与え、スムーズに病院へ案内することができます。
病院への行き方を説明する場面で使う敬語表現
病院への行き方を説明する場面で、「行く」の敬語表現を使う例としては、以下のようなものがあります。
病院の場所を説明する時
「病院は、駅から徒歩5分ほどの場所にございます。」
「病院までは、バスで10分ほどでいらっしゃることができます。」
病院の入口を説明する時
「病院にお着きになりましたら、正面玄関からお入りください。」
「病院の入口は、右手にございます。そちらからお入りいただけます。」
受付の場所を説明する時
「受付は、入口を入ってすぐ左手にございます。そちらにお進みください。」
「受付にて、保険証をご提示いただきますようお願いいたします。」
敬語表現の使い方のポイント
丁寧語を使う
病院への行き方を説明する際には、丁寧語を使うことが大切です。「〜です」「〜ます」といった丁寧語を使うことで、相手に対する敬意を示すことができます。
「お」「ご」を付ける
「お」「ご」を付けることで、より丁寧な印象を与えることができます。例えば、「お入りください」「ご提示いただく」のように使います。
間違いやすい敬語表現に注意する
「行く」の敬語表現では、「いらっしゃる」は目上の人が行く場合に使う尊敬語、「伺う」「参る」は自分が行く場合に使う謙譲語です。病院への行き方を説明する際には、相手が病院に行くことを想定しているので、「いらっしゃる」を使うのが適切です。
例文
ここでは、病院への行き方を説明する際の例文をいくつか紹介します。
例文1
患者：すみません、病院への行き方を教えていただけませんか？
案内係：かしこまりました。当院は、駅から徒歩5分ほどの場所にございます。駅を出ましたら、右手に見えるビルが当院でございます。正面玄関からお入りください。例文2
患者：バスで病院に行きたいのですが、どのバスに乗ればよいですか？
案内係：バスでお越しの場合は、A番のりばから出ている市営バスをご利用ください。病院前で下車いただけます。バスは10分ほどの間隔で運行しておりますので、ご安心ください。病院への行き方を説明する際には、相手に配慮し、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。「いらっしゃる」などの敬語表現を適切に使い、「お」「ご」を付けることで、より丁寧な印象を与えることができます。また、間違いやすい敬語表現にも注意が必要です。相手の不安を和らげ、スムーズに病院へ案内できるよう、言葉遣いに気を付けましょう。
「行く」の敬語表現の応用
「行く」の敬語表現の応用として、「行くことができる」は「伺うことが可能です」、「行くことができない」は「伺えません」と表現します。また、「行くのをやめる」は「参るのを控える」などと言い換えることで、丁寧な印象を与えることができます。シーンに合わせて適切な敬語表現を使いましょう。
「行くことができる」を敬語で表現しよう
「行くことができる」は、ある場所に行く能力やチャンスがあることを表す表現です。この表現を敬語で言い換えることで、より丁寧で礼儀正しい印象を与えることができます。
「行くことができる」の敬語表現の使い方
「伺うことが可能です」を使う
「行くことができる」の敬語表現として、最もよく使われるのが「伺うことが可能です」という言い方です。「伺う」は「行く」の謙譲語で、自分が相手の場所に行くことを表します。
例えば、上司に対して「来週の会議に伺うことが可能です」と言えば、丁寧に自分の出席可能を伝えることができます。
「参ることができます」を使う
「参る」も「行く」の謙譲語ですが、「伺う」よりもやや改まった印象を与えます。公的な場や、よりフォーマルな場面で使うのが適切でしょう。
例えば、「来月の式典には、参ることができます」と言えば、式典への出席が可能であることを丁寧に伝えられます。
「お伺いできます」「お邪魔できます」を使う
「お」を付けることで、さらに丁寧な表現になります。「お伺いできます」「お邪魔できます」のように使います。
例えば、「来週、お客様の会社にお伺いできます」と言えば、お客様の会社に行けることを丁寧に伝えられます。
使用時の注意点
主語に注意する
「行くことができる」の敬語表現は、基本的に自分が行く場合に使います。相手が来る場合は、「いらっしゃることができます」のように、尊敬語を使うのが適切です。
過度に使いすぎない
敬語表現は、丁寧で礼儀正しい印象を与えますが、使いすぎると不自然な感じがします。場面や相手に応じて、適度に使うことが大切です。
例文
ここでは、「行くことができる」の敬語表現を使った例文をいくつか紹介します。
例文1
部下：「今週中に、A社とB社に営業に行くことができそうでしょうか？」
上司：「はい、両社とも伺うことが可能です。スケジュールを調整して、訪問の手配をお願いします。」例文2
学生：「来月のオープンキャンパスに参加したいのですが、参ることができますか？」
教授：「はい、ぜひ参ることができます。当日は、大学の施設見学や模擬授業など、様々なプログラムを用意しておりますので、ご期待ください。」「行くことができる」の敬語表現には、「伺うことが可能です」「参ることができます」「お伺いできます」などがあります。これらの表現を使うことで、丁寧で礼儀正しい印象を与えることができます。ただし、使いすぎには注意が必要です。場面や相手に応じて、適切に使いこなすことが大切でしょう。
「行くことができない」を敬語で伝えよう
「行くことができない」は、ある場所に行けないことを表す表現です。仕事や私生活で、この表現を使う機会は多いでしょう。特に、目上の人や大切な人に対して「行くことができない」と伝える時は、敬語を使って丁寧に伝えることが大切です。
「行くことができない」の敬語表現の使い方
「伺えません」を使う
「行くことができない」を敬語で表現する時は、「伺う」の否定形である「伺えません」をよく使います。「伺う」は「行く」の謙譲語なので、自分が相手の場所に行けないことを丁重に伝えることができます。
例えば、「申し訳ありませんが、明日の会議には伺えません」と言えば、会議に出席できないことを丁寧に伝えられます。
「参ることができません」を使う
「参る」も「行く」の謙譲語ですが、「伺う」よりもやや改まった印象があります。そのため、「参ることができません」は、よりフォーマルな場面で使うのが適切でしょう。
例えば、「来月の式典には、参ることができません」と言えば、式典に出席できないことを丁寧に伝えられます。
「お伺いできません」「お邪魔できません」を使う
「お」を付けることで、さらに丁重な表現になります。「お伺いできません」「お邪魔できません」のように使います。
例えば、「大変申し訳ございませんが、今週は御社にお伺いできません」と言えば、相手の会社に行けないことを丁重に伝えられます。
使用時の注意点
理由を添えると丁寧
「行くことができない」と伝える時は、できるだけ理由を添えると丁寧です。単に「行けません」と言うよりも、「予定が重なってしまい、行けません」と理由を説明する方が、相手に伝わりやすいでしょう。
代替案を提示する
「行くことができない」と伝える時は、代替案を提示すると良いでしょう。例えば、「今週は伺えませんが、来週なら伺えます」と言えば、相手も日程調整がしやすくなります。
例文
ここでは、「行くことができない」の敬語表現を使った例文をいくつか紹介します。
例文1
社員：「申し訳ありませんが、今週の会議には伺えません。突発的な案件が入ってしまい、どうしても外せない予定があります。」
上司：「わかりました。代わりに、A君に出席してもらいましょう。資料は後で共有してください。」例文2
学生：「教授、大変申し訳ございませんが、明日のゼミには参ることができません。体調を崩してしまい、医者から安静にするよう言われています。」
教授：「そうですか。無理をせず、ゆっくり休んでください。ゼミの内容は、後日、個別に説明しますので、安心してください。」「行くことができない」を敬語で表現する時は、「伺えません」「参ることができません」「お伺いできません」などを使います。理由を添えたり、代替案を提示したりすることで、より丁寧に伝えることができるでしょう。相手の立場に立って、適切な言葉選びをすることが大切です。
まとめ
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