読書感想文を社会人が書く意味と書き方

社会人,読書 (3)

読書感想文は、苦手でした、という人が社会人になると驚きます。

社会人にも読書感想文があるからです。

「学生で終わったと思ってたのに」という人には、社会人が読書感想文を書く意味をお伝えします。

目次

読書感想文を社会人が書く意味と書き方

読書感想文を社会人になっても書く意味は、学生の頃とは全然意味が違います。

社会人になると、書類各種・レポート・報告書・顧客や取引先との商談や交渉もメール、などと、文字や文章について触れる機会が増えます。

読解力や文章作成能力・要約力など、文章を読む・書く・まとめるに関する能力が求められるのです。

社内の書類の書き方が下手だとしても、個人の評価は下がりますが、会社にとっては大きな問題ではありません。

しかし、社外関係はそうは行きません。顧客や取引との連絡やコミュニケーションは、今の時代は9割がメールです。メールの文章を書けないことで、ビジネスに大損失を起こすことは、現実に起きています。

社会人が書く読書感想文には大きな意味がある

社会人に読書感想文が重要な意味があるのは、前述の社外関係について、読解力・語彙力・文章力・要約力などの基礎スキルをもっているのかどうか、を確認するためです。

信じられないような稚拙な文章しか書けない社会人が存在するからです。会社にとって、大きな問題です。

もちろん社会人本人にとっても、「文章力のない人間なんだ」とレッテルをはられてしまうとこれはこれで大問題です。

人の手が足りないと判断されれば、前線のスタッフとして配置される可能性はありますが、仕事量は少なく、評価も上がらなくなるでしょう。

筆者の経験の中には、読解力・文章力に難のある社員が、人事考課の面接で、同期入社の中で自分が評価が低いと不平を言われたことがあります。読解力と文章力が不足していると、相手の言うことを理解することが苦手で、さらにわかり易い文章を書く能力もないので、計画書や戦略書を書く能力がありませんでした。

最悪なのは、こういう説明をしても理解できないことです。読解力不足の人は、文章も理解できませんが、人の言うことも理解できないのです。

痛々しい限りです。

読書感想文はテンプレートで書けばいい|社会人編

読書感想文を書くことが苦手な社会人は、文章構成のテンプレートを使って書く練習をすればいいです。

文章構成のテンプレートとは、「何を、どのくらいの分量で、どの順番で書くか」をテンプレート化したものです。

白紙から書き始めるより、遥かに書きやすいです。

読書感想文のテンプレートと書き方

学生時代に読書感想文を書いてきた経験がある人なら、お分かりだと思いますが、読書感想文は、書き始める前に、大枠(骨子)を決めてから書き始めると、書きやすいです。

学生の場合の一般的な書き方(文章構成の骨子)は、以下のように書く場合が多いです。

・読む前の印象など|読み始めるきっかけや事前にその本に対して感じていたこと
・本文1|ごく簡単なあらすじ(長くなりすぎないように)
・本文2|内容の要所について、感じたこと
・まとめ|読み終わって、全体を通して感じたこと

しかし、社会人ともなれば、会社は読書感想文を後日の人事考課の参考に見ている場合が多いのですから、社会人としての論理的思考を感じてもらいやすい書き方にするのがおすすめです。

そのための書き方は、以下の通りです。

・序文|まず結論を書くことです。読書を通じて何を感じたのか。今後の業務に何を役立てることができると感じたのか、など。
・本文1|最初に書いた結論に繋がる根拠を書きます。なぜ、そう感じたのか、です。
・本文2|根拠につながる具体例です。関連する本の一部を引用すると良いです。
・まとめ|結論の繰り返し

本文2の具体例を示す引用を用いることについては、一般的に「引用ルール」が決まっています。引用ルールとは、著作権に関連することです。

会社に提出する読書感想文に、著作権の引用ルールは該当しないと思いますが、著作権の引用ルールを知っていて、活用していることは、プラスの評価になるはずです。

引用ルールは次の通りです。

・主従関係が明確であること・・・この場合、引用文は、あくまでも読書感想文を支えるだけの「従」の関係にあるということです。

・引用部分を明記・・・一般的には、「”   ”」を使用して明記します。

・出典元を明記・・・今回は感想文ですので、「出典元:(本のタイトル名)何ページ」で良いでしょう。

・改変しないこと・・・これ重要なのですが、引用した文章は、原文そのままで引用することです。

読書レポートの書き方でもテンプレは応用できる

読書レポートという課題があった方は、読書レポートの趣旨を確認すべきです。

要約文を求められているのか、要約と考察(意見や批評)を求められているのか、です。一般的に、要約だけで良い場合、意見や批評は不要のものだからです。

一般的な要約文の書き方は以下の通りです。意見や批評も求められている場合は、最後に加えると良いです。

・文章全体から、要旨を見つける
・要旨につながるように、文章構成に分解し、骨子を見分ける
・多くの場合、文章全体は、大見出しか章ごとに、分けられる
・要旨につながる要点を、分けた大見出しのブロックごと、あるいは章ごとに見つける
・要約文の場合は、それぞれの要点を、要旨にそうようにつなげて、わかりやすくまとめる

読書レポートを、読書感想文だと早合点して、作成すると、求められているものと、まるで違うものになりますので、注意しましょう。
要約文とあらすじは別のものですが、小説の要約だと、似てしまう可能性があります。

また要約文には、通常文字数制限があります。「100文字に要約しなさい」あるいは「10%に要約しなさい」などと、指定があるはずですので、確認しましょう。最短だと、「1行(〜5行)に要約する」などという場合もあります。

読書感想文を書く社会人はコピペNG

学生時代に、著作権フリーの読書感想文を全写しか部分写しをして、逃れてきた経験があるひとは、社会人になってもコピペをやってしまう可能性があります。

それは絶対にNGです。バレます。ネットから写した感想文は100%バレます。

学生時代は大丈夫だったと思ってる人もバレてます。ただ、学生の頃には読書感想文の評価割合が小さいものだったから影響が少なかっただけです。

社会人の場合、クビにこそなりませんが、昇進昇格はなくなるでしょう。人事部の評価には「コピペをする人」と記録が残ります。

読書しない社会人が増えてる

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文化庁の国語に関する世論調査 Ⅳ読書についてによれば、本を読むべき時期は10代と考える人が40%を超えて(平成30年)います。(令和元年からは調査内容が変更された)

その結果を反映するように、「1か月に何冊本を読みますか」の問いには、半分近い人が「読まない」と回答しています。(1冊以上読む人が半分ちょっと)

さらに、「今後読書量を増やしたいと思うか」の問いには、平成25年が「そう思う」と「ややそう思う」の合計が66.3%あったのに、平成30年には60.4%に減少しています。

会社が評価し重用するのは読解力・文章力・要約力を持つ人材

考えてみるとわかることですが、読み・書きの基本的なスキルができていない人が、課長や部長に出世することはありません。(間違い人事はその後降格になります)

会社が評価し、管理職以上に出世していく人の多くが読書をしていることは、意外に知られていないのかもしれません。

また中小企業も含め、企業の経営者かそれに近いポジションの人で本を読まない人は、ほとんどいないこともあまり知られていません。

会社は、読解力・文章力・要約力、そして論理的思考力を持った人材を必要としています。社内の要職では、それらの能力は、必須です。

どうしたら、給料が上がるのか、出世するのかと、考えるなら、たくさん読書をして、読解力・文章力・要約力磨くことです。

社会人の読書を効果あるものにするには

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社会人の読書は、単純に物語を楽しむというよりも、読書の効果は仕事のため、良い評価を得られて年収が上がるための勉強ともいうべきことでした。

では社会人の読書を効果ある読書にするには、どんなジャンルをどのくらい読めばいいのかについて解説します。あくまでも、仕事をする上での一助となるための読書です。

社会人の読書量はどれくらい

一つの目安は、先の文化庁の読書量についての調査結果に基づくものです。

平成30年のデータでは、読まない人が47.3%、1・2冊が37.6%、3・4冊が8.6%、5.6冊が3.2%、7冊以上が3.2%です。残り0.2%は不明です。

3・4冊以上読む人の合計が15%です。

実はこの数値は、国民の年収の分布ともよく似ています。

読書量と年収には、相関関係があると推定されます。読書量と年収の割合を重ね合わせてみると、「ひと月の読書量は4〜5冊」を目安とすべきと思います。

社会人の読書時間は平均どれくらいなのか

読書時間は、当然読書量と関係します。

読書量の平均値は、ひと月に2冊ほどしかありません。

文化庁の国語調査によれば、平成20年・25年・30年と本を読まない傾向はどんどん強くなっています。

また電子書籍hontoの調査(インターネットで全国20〜49歳の方へお調査)は、2014年のデータでは、読書時間の調査結果があります。

調査結果は、平均で1日に30分前後という結果になっています。しかし、平均時間で読める読書量は2冊ほどです。

ひと月に4・5冊を読んで、仕事に効果があるように生かしていきたいと考えると、読書時間は1日に1時間前後を作って読んでいくと、月に4〜5冊の読書量はカバーできるようになるはずです。

社会人が読書すべきジャンルは

社会人が読書すべきジャンルといえば、ビジネス書をイメージしそうですが、100%ビジネス書である必要はありません。

営業を中心に、顧客や取引先と商談や交渉の場面が多くある社会人は、何気ない趣味の話からコミュニケーションが強くなることがあります。ですので、漫画や写真集以外ならば、興味を惹かれたものジャンルにこだわらずに、読書すべきです。

ビジネス書を軸にして、さまざまなジャンルに関心を持って、読んでみましょう。

特にお勧めするのは下記通りです。

・経済関連のビジネス書
・投資関連のビジネス書
・小説
・自己啓発関連

まとめ

社会人にこそ読書は必須です。学生時代の読書は、半分は趣味や楽しみだったと思います。しかし、社会人は、会社として評価を上げて、年収を上げていくのに必要です。

読書をして、読解力・文章力・要約力を高めていくことで、経営者や上司に認められるようになります。性格の良い人が出世するわけではありません。

読書感想文(読書レポート)の書き方を覚えて、必要なジャンルの本を読んでいくことをお勧めします。

 

 

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この記事を書いた人

社会人経験約40年。仕事において強い必要性があり読書に目覚め、その後年収も急上昇。上場企業にキャリア入社し、50代に入り独立起業し会社経営。自分自身の読書に救われた経験から、読書によって人生が変わることを伝えたい。

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