新書は専門分野の入門書的な位置づけにあり、学生の読書感想文の題材に選ばれることもあります。
また社会人となり、ひとまず浅くても良いので概要の勉強をしようとするときにも選ばれることがあります。
また手軽に持ち歩けるサイズ感や、各出版社が各社毎に特徴づけて制作している点も、単行本や文庫本とは一味違うカテゴリーとなります。
そのように特徴がある新書の中から、一冊を選ぶときに参考にするのは、様々なランキングでしょう。特に勉強のために一冊を選ぼうとするなら、自分の趣味嗜好から離れて、知識を広げる選び方のヒントになります。
ただしランキングは、主催者やカテゴリーや基準などが様々ですので、ランキング順位をうのみにする必要はありません。あくまで注目を集めている本として、読んでおくべき本の指標として目安とすると良いです。
各種の新書ランキングを目安にして読むべき本を見つける
新書はジャンルが非常に幅広く、かつ専門性が高いテーマの本が多いです。
ランキングには書店別や出版社ごとや基準など、主催者の思惑がある場合も少なくありません。
ですので、ランキングの順位にはさほど意味がありません。注目すべき目安として、読んでおくべき本として、記憶において本選びの参考にすると良いです。
ですので当記事ではランキングは表記せずに、読んでおくべき本として紹介をいたします。
新書ランキング歴代ベストセラー
読むべき本として最も注目すべき本は、長きに渡って読まれ続けている本の中ににあります。
歴代の名著、あるいはロングセラーやベストセラーの中にこそ読むべき本があります。ですので、当記事では歴代のベストセラーを抽出するために中古本のブックオフのランキング(2000年以降にベストセラーとなった新書)に注目して紹介いたします。
新書ランキング歴代|バカの壁
すでに読んでいる人は多いと思われますが、新書の名著として紹介する必要がある本です。著者は東大名誉教授の養老孟司先生です。
人が持っている「思考の壁」のことを「バカの壁」と称して解説しています。人には理解度が高くないことでも、「わかった」つもりになっている事が多々あります。そのことをバカの壁と称しています。その結果、同じ事柄を見たり聞いたりしても、受け取り方は人さまざまということになってしまいます。
このバカの壁は誰でも持っているものであり、注意すべきことなのです。
新書ランキング歴代|さおだけ屋はなぜ潰れないのか
内容は「会計」についての本です。そう言うと関心が薄くなる人もいるかもしれません。しかしビジネスマンであるなら読んでおくべき本として選ぶべきです。
会計は専門用語があり、分かりにくいため敬遠してしまう人もいます。しかし、この本が歴代のベストセラーとして選ばれるのは、題材選びが上手いことにあります。誰が経験している日常の中にあるケースをとりあげて解説しています。
今や時代は会社に務めるのではなく、自分でスモールビジネスを始める人が一般的になってきています。会計の基本を知らずに商売はできません。読むべき本です。
新書ランキング歴代|伝える力
著者はテレビでもおなじみの池上彰さんです。
自分自身の説明能力に悩んだことがある人は、読んだことがある人も多いでしょう。当サイトの「読む書く」にも関連性があります。どんな仕事をしていようと、ベテランであろうと新人であろうと、誰かと仕事をする環境にある人は、「相手に伝える」ことを避けて通れません。仮に自分ひとりで仕事をする人であっても、顧客や依頼主がいるはずです。
人には必ず相手に伝えるという場面があります。この本を読んで実践すれば、仕事がうまくいくようになるでしょうし、人間関係も改善していく可能性が高いです。
新書ランキング歴代|聞く力
著者は阿川佐和子さん。もともと報道番組のキャスターだったが、現在は執筆業からインタビュアーとして数々の対談をなさっています。インタビュアーとしての経験から気づきをまとめた内容になっています。
前述の「伝える力」と同様に、誰もが人とのコミュニケーションの中で「聞くこと」はとても重要なことです。聞くことができなければ、説明能力が高いとしても、仕事や人間関係がうまく進んでいかない可能性が大きいです。
人には自己重要感があり、相手に聞いてもらえていなければ、コミュニケーションはできないからです。読むべき本として覚えておきましょう。
amazon新書ランキング
Amazonは新刊にこだわらず、いわゆるロングテールと言われるリアル店舗では店頭に置けない本がたくさん扱われています。ですのでAmazonのランキングは、新刊も含めて、読まれている本・読むべき本を見つけるのに最適です。
ただ今回紹介する新書は、新刊を中心としたランキングです。まさに今読むべき本です。
amazon新書ランキング|バカと無知
まえがきが安倍元首相の襲撃事件の犯人についてから始まります。
人間が自分自身の物語を作ることが描かれています。「バカは自分がバカであることに気づいていない」「日本人の3人に一人は日本語が読めない」「差別と偏見」など、これまで多くの人が気づいているのに避けて通って来ていることが明言されています。
amazon新書ランキング|死は存在しない
ビジネス書を複数書いて来ている経歴からすると、スピリチュアルに感じるタイトルです。著者は東大の工学博士の学位を持つ田坂広志氏です。しかしサブタイトルには「量子科学が示す」とも書かれています。
読み終えた時に、心に何が残るのか、人によって違いはあると思います。しかしこれまでに根拠がない怪しいスピリチュアルを読み聞きした経験がある方は、まるで違う感想を持つでしょう。
amazon新書ランキング|脂肪を落としたければ食べる時間を変えなさい
この本の要旨は明白です。ダイエットにつながる体内時計についての本です。
体内時計と生活リズムのずれを解消することで、脂肪を溜め込みやすい習慣を変えていく事ができるとしています。食べ方と睡眠、そして運動と時間との関係性について、見直す方法が解説されています。
amazon新書ランキング|世界インフレの謎
2022年、今世界に起きているインフレの原因について解説されています。原因はロシアが仕掛けた戦争ではないとしています。なぜなら2021年にはインフレが始まっていたからです。
もちろんそれも大きな問題ですが、日本に住んでいる人間として、日本だけが苦しむという解説には注目せざるを得ません。日本は慢性的なデフレにあるからです。世界は物価が上がる一方で賃金も上がっています。しかし日本においては過去30年賃金は横ばいで物価も横ばいです。日本だけに起きている異常な状態です。読むべき本です。
amazon新書ランキング|聞く技術 聞いてもらう技術
心理士としての著者が「聞く」ことにフォーカスし、まとめた本です。
人には、聞きたくないとき、聞く余裕ががないときがあると、著者は言います。聞くことは簡単そうで、実は聞きたくないときに、耳をふさいでいると解説しています。
「聞く」と「聴く」では、はるかに「聞く」がむずかしい。「聞く」ことが難しいのは、話を聞いてもらえていないことに原因があるといています。自分の話を聞いてもらえないと、相手の話を聞くことは難しい。
新書ランキング|紀伊国屋
紀伊國屋書店のランキングはネットに公開されています。デイリーとウイークリーとマンスリーを閲覧することができます。オンラインショップだけのアマゾンと似ていることもありますし、全く違うこともあります。
当記事では2023年1月28日付けのマンスリーランキングに注目して紹介します。
- 日本史を暴くー戦国の怪物から幕末の闇まで|中公新書
- 成熟スイッチ|講談社現代新書
- ゼロからの「資本論」|NHK出版新書
- バカと無知|新潮新書
- 未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本でおきること|講談社現代新書
新書ランキング|高校生におすすめ
当記事の冒頭で紹介しましたように、新書とは専門分野の入門者的な位置付けにあたる内容が描かれている事が多いです。
ですので、これから見識を深めていくべき高校生や大学生には最適の書籍と言えます。
新書ランキングから高校生へすすめる|わかりやすさの罠 池上流「知る力」の鍛え方
現在の高校生からすれば、池上彰さんはテレビで様々なことに関して、わかりやすく解説してくれる大人として見られているのかもしれません。池上彰さんはもともと記者でありジャーナリストでした。いつしか物事を分かりやすく人に伝えることを仕事とする人になりました。
本書のタイトルに繋がる感がします。池上さんが懸念しているのは、ネットやSNSで拡散される情報についてです。ネットの情報・SNSで拡散される情報は猛烈なスピードで伝達されていきます。しかも、フェイクニュースが本当のようにひろがり、根拠のないデマが事実のように拡散されていきます。
そもそも新聞やテレビのようなマスコミの情報でさえ、全て正しいと言い切れないのです。しかしネットの情報やSNSの情報は、個人レベルの未確認情報が事実のように、拡散されていきます。信じても良い情報かどうかを見極める必要があるのです。
新書ランキングから高校生へすすめる|読書する人だけがたどり着ける場所
池上流「知る力」の鍛え方と同様に、高校生にはぜひ読んでほしい本です。高校生や大学生で読書をしていない人が揃って口にすることは、読書をすると時間がかかるし、知らないことはネットで十分ということです。
同様のことは、ホリエモンやひろゆき氏も話しています。しかし彼らがそのレベルに至ったのには、膨大な読書量の後のことです。ホリエモンは2年6ヶ月の服役中に1000冊の本を読んだとしています。30ヶ月で1000冊ですから、およそ1日に1冊読んでいた計算になります。
それだけでの読書量を経験して、今はスマホで十分と言っているのです。
本書で書かれているように、広く深く読書をすることで、分かってくる場所があります。社会人になって必要を感じ始めたときには、使える時間が少なくなっているのです。読書によって得られる知識情報は、ネットから得られる情報よりも広くて深いのです。
ネットで読める知識や情報は、読みやすさが優先して作成されています。そのため情報量は浅く書かれています。さらに古くなった情報や時間の経過とともに間違った情報へと変化している場合もあります。もちろん手早く簡単に物事を知るには良い情報源ですが、深さと広さが不足しています。
新書ランキングから高校生へすすめる|ゾウの時間 ネズミの時間
ある意味タイトルで示された通りの本です。また所々に専門分野の入門書的な要素が数式などの形で表現されています。
しかし文章自体は、平易な表現で書かれており、高校生にも十分読みやすい本です。基本的には生物学の本です。
体の大きさが違う動物はそれぞれの時間軸を持っているということ。人間が考えているのは、あくまで人間の体を軸とした場合の時間です。
体の大きさと生態における利点と制約など、面白く読み進められるはずです。所々に出てくる数式は理解できずとも大丈夫です。専門的なようでいて、入門者レベルであり、無理なく生物学を学べます。
新書ランキングから高校生へすすめる|時間はどこから来て、なぜ流れるのか
まるで哲学書なのかと思わせるタイトルですが、物理学の本です。
確かに、私達は時間が経つとか、時が流れるという表現をします。とこどころに難しい部分もありますが、文章自体は平易な表現でかかれています。
問題は、時間の流れが現実の物理的なことなのかどうかです。この問題に著者が答えている本です。
新書ランキングから高校生へすすめる|友だち幻想 人と人のつながりをかんがえる
お笑い芸人の又吉直樹さんがテレビ紹介したことで話題になった本です。
突き詰めると、人は一人では生きられないという事です。しかし難しいのは、心理学者アドラーが言うように、他人がいるせいで悩む事が多いのもまた事実だからです。
つまり、幸せも苦しみも他者がもたらすものであるとしています。つまり、相手が他者であることを理解し、その上でルールや関係性を区別することを使い分けていくのです。
まとめ
新書ランキングを参考にするのはあくまでも目安です。
読みたい本や興味あるテーマの本だけを選んで読んでいては、広く深く本を読むことは出来ません。見識を広げる読書の方法は、普段の自分なら手に取らないような本でも、読んでいくことです。
見識を広げる意味で、読むべき本を考えるとき、各種の新書ランキングは目安になります。結果的に様々なジャンルを読むことになり、見識が広がります。
社会人として成長していく途中で、広い知識や素早い判断が必要になる場面が来ます。
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