学生を卒業し社会人としての生活が始まっていくと、論理的思考、ロジカルシンキングができていないことで、右往左往する人がいます。
組織の中で、うまくコミュニケーション出来なくなる可能性があります。
高校や大学という互いに知り合えている関係性の中で、通じ合えていた状況が一変します。
論理的思考は結論から先に話す|本を読んで鍛える
生まれ育った環境や年齢が違う者同士が仕事などを通じた関係性の中で、コミュニケーションを取ろうとするとき、学生の時のように、言葉足らずの表現や感覚的な言葉遣いでは通じなくなります。(この感覚的な表現を定性的と言います)
学生は、同じ年代の者同士が話をするので、感覚的に分かり合えることが多いのですが、年齢や育った環境の違う者同士だと、感覚ではなく、論理や数字などを軸として定量的な表現でなければ、分かり合えなくなるのです。
論理的思考で表現すると、定量的な表現が軸になります。定性的な表現だと、具体的なことが相手に伝わらないからです。
論理的思考が身につくと話し方が変わる|先に結論から話すように
これは日本語の場合は、文章構造が最後まで聞かないと分からないということも関係しているのかも知れません。いつもはこんな会話をしていないでしょうか。
今日のお昼は、いつものラーメンを食べようと思って〇〇軒までいったらすごく混んでいて、何時になったらラーメンが食べられそうか分からなかったので、そば屋の□□庵にいって天ぷらそばを食べたよ。
日本語は述語が文章の最後に来ますね。論理的思考が身についてくると、先に結論を話すようになります。理由や状況説明はその後です。
今日の昼はそば屋で天ぷらそばを食べました。いつものラーメン屋はひどく混んでいたから。あの行列に並んでいたら、いつラーメンを食べられたか分からない。
論理的思考は本を読み鍛えることで身につく
どうして自分の意図することが、会社の同僚や上司、あるいは顧客に伝わらないのだろうと悩んだ経験は、おそらくほとんどの人がしていると思います。
ただし、その後、道は別れ、改善し乗り越えていく人と、その悩みを持ったままどんどん年齢が増していき、なかなか生きにくい人生を進んでいく人がいます。
それは論理的思考があるのか、どうかで、悩みは解決していきます。
論理的思考を意識しないとそれぞれの価値基準で認識することになる
人間の本質は感情で、非論理的です。本能的で反射的です。動物との違いは、理性を持っていることとされます。
理性を持って発言と行動ができるように生きていけるのが理想的です。この理性を持った発言と行動には、論理的思考が必要です。
人は他人と共存して生きています。共存するためには、共有することが必要なのですが、実際には自分の体から発信したものでない限り共有はできないものです。
しかし、論理的思考による定量的な発言や行動によって、共有されます。論理的思考を意識しないで発信される言葉は感覚的感情的であり、発信者にしかわかりません。
その結果、職場や顧客との関係や家庭においてまで、のちに「そういう意味だとは思わなかった」ということが発生するのです。
論理的思考がなければ、他人と共有できない
論理的思考はかなり重要であり、論理的思考がもしないとすると、究極的には仕事ができないし、家族と暮らせません。
論理的思考がないとは、非論理的思考であるということです。つまり感情的であるということ、主観的ともいえます。自分自身の感覚的な表現しかできません。定性的とも言います。
例えば、あなたがラーメン店の事業拡大を計画する担当者として、地域のマーケットを調べているとします。ライバル店のお店の状況を調べて、上司やチームと情報共有するときに、論理的思考がないと、こうなります。「ライバルの◯◯店の来客状況を調べてきました。昨日の昼間に、お店に潜入で調査に行ったら、かなり混んでました」
さほど重要ではないことについて、家族で雑談しているならOKです。しかしマーケット担当としての調査報告であるなら、情報が共有されないといけません。昨日の昼間とは何時のことなのか、かなり混んでるとは、何人くらいいた状況なのかが共有されません。(話し手の感覚と聞き手の感覚は一致していないからです)
正しくは、「ライバルの◯◯店を調べてきました。昨日の13時30分にお店の状況を確認してきました。カウンターが10人の人のうち7隻が埋まっていて、4人がけのボックスが3つあるうち、2つのボックスが埋まってました。どちらも3人ずつ座ってました。ラーメンの注文は、半分以上の人が▲▲ラーメンを注文してました」
こうなると、情報は共有されます。論理的に話すことをロジカルに話すとか、定量的に話す、と言います。数量的に表現可能な物事は、数字を使って話すのです。数量的な表現ができない時は、何かの比較や例えで話すと共有しやすくなります。(数量に加えて、5W1Hで話すと共有しやすくなります)
論理的思考力を鍛えるには本を抄録や要約し行動で実践する
論理的思考、ロジカルシンキングを持っている人の話し方は、「筋が通っている」とも言われます。
筋が通っているとは、よく整理されている、原因と結果がわかりやすい、根拠がしっかりしている、、、などともいえます。
これは社会人としての基本スキルとして必要なことです。このスキルがないと、先ほどから繰り返しているように、なかなか大変ことが、職場でも家庭でも起きてしまいます。
本を読むと身につくと紹介しましたが、そのためには、少なくとも週に1冊以上の読書が必要です。週に1冊が難しいという人は、論理的思考力を鍛える方法をお勧めします。それは本を読みながら抄録をしたり、要約することを繰り返すことです。物事をロジカルに整理して伝えることが鍛えられていきます。(抄録とは単純に書き写すことであり、要約は内容を短くまとめること。)
文章を書くことで、論理的思考は鍛えることができます。また、文字にして伝える限り、文字にして表現されたことが全てであり、発信者と受信者が、そういう意味ではなかった、となることが減少します。
自分も含めて、「そういう意味だと思わなかった」という場面がある場合は、自分が非論理的思考で日々生きていることの証拠です。相手のことは変えられませんので、自分自身の論理的思考力を鍛えることです。書くことと読むことです。
論理的思考が身につく・鍛えられる本のおすすめ
論理的思考の基本については、古くから様々な本が出版されており、根本的には大きな変化がありませんので、少し古くても定番と言える本から紹介します。
ただし、前述しましたように、意識をもってトレーニングする必要がありますので、読むことと、書くことを合わせて実践することをお勧めします。
おすすめするのは「ロジカル・シンキング」|照屋華子・岡田恵子
副題にある通り、論理的な思考と構成のスキルの本です。ロジカル・シンキングに関するド定番です。論理的なコミュニケーションについて、よく触れてる内容なのであり、初めて論理的思考に関する本を読むのであれば、特におすすめです。
わかりやすいのは「1分で話せ」|伊藤羊一
タイトルには、論理的思考・ロジカルシンキングという文字は、入っていないが、1分で話すということはまさに論理的思考ができていないとできないことです。
自分自身の体験や、あるいは誰かの話を聞いていて、「で、結局何が言いたいの?」と感じたことはないでしょうか。これはまさに非論理的思考に基づいて話をしているから起きる現象です。感覚的・感情的であり、 話の内容が整理されておらず、客観的データや根拠もなく、思いだけで話していると、結局何が言いたいの?となってしまいます。
まず先に、結論から話すということでもあります。その次に根拠、そして事実の積み重ねです。会議での発表や、営業マンが行う顧客との商談など、様々な場面で共通しています。
身につけるなら「考える技術・書く技術」|山﨑康司
論理的思考で、相手に伝える場面には、文字によって伝える場面が最近増えていると思います。
社会人としては、社内でメールで報告するとか、社外の取引先や顧客へ、各メールが伝えたいことが伝わるように書かれているか、が問題なのです。
同じタイトル名の超ベストセラーがあり、その著書の入門版として知られています。
日本時の話がまどろっこしくなる原因には、日本語の文法も影響しています。
まとめ
社会人は全員が論理的思考ができているかというと、実はそうではありません。できている人とできていない人が、混在している組織がほとんどです。
ただ、リーダーとなる人物が、論理的思考を軸にして仕事をしているチームは生産性が高いですし、コミュニケーションが取れていることが多いです。
不幸なことに、自分の上司が非論理的思考の持ち主だった場合、大変だと思いますが、業務指示を5W1Hで内容を確認して、自分の業務を進めるようにすることです。上司との関係がうまくいっていないと感じるケースの多くは、互いに非論理的思考のもとで、仕事をしていることが原因になっています。
互いに誤解したまま仕事を進めてしまうからです。良い結果になるはずもなく、互いに不満に思ってしまうのです。
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