読書をしているのに、残念なことに仕事や実生活に役立てられていない人って少なくありません。
そういう方の話を聞いていくと、ビジネス書や自己啓発本、あるいは小説などを読んではいるものの、字面しか読んでいないことに気付かされます。
読書を役立つものとして役立てるには、漠然と読んでいるだけでは効果がありません。
読書は疑似体験や追体験をすることで、最高の効果へとつながるのです。
読書で疑似体験・追体験|成長や成功のヒントになる
社会人として優秀と言われる人達が行っている読書法の一つが、疑似体験・追体験を意識して読む方法です。先人たちの思考を追体験することで、学びを得ているのです。
疑似体験とは、実際には起きていないが、本当に起きているに近い感覚を体験することです。追体験は、他人の体験に自分を重ねて自分のことのように感じる体験です。つまり読書をすることは、バーチャルリアリティやシミュレーションゲームに近い体験をすることとも言えるのです。
しかし本を何冊読んでいたとしても、追体験を意識せずに字面だけを大量に読んでいても、読書から学びを得ることはできません。思考が浅く、記憶から消えるのも早いです。
人が自分の実体験からしか学びを得られないのだとすれば人生は短すぎ
よく言われることですが、人は経験から多くを学ぶとされています。すべての成長において「経験」することが不可欠ということです。しかし少し考えれば分かる通り、経験からの学びだけが人を成長させると考えると、人生はあまりに短いということになってしまいます。
誰にとっても1日は24時間しかないからです。自分自身の経験だけで生きて、さらに成長することを考えると、限られた時間の中では、かなり厳しいと分かります。
先に生きていた人が、その人の体験で上手くできたことや失敗したことを記録し、あとの時代の人へ残してくれていたらどうでしょう。後の時代に生まれた人は、その記録を手がかりに多くの時間をかけずに、成功の方法や失敗について、実体験せずに経験値とすることが出来ます。
それが本を読んで学びを得ることであり、疑似体験や追体験によって得られるのです。先人の体験を同じだけの時間をかけずに経験値とすることができるのです。
私達は、自分自身の体験でなくとも先人の経験を疑似体験・追体験することができます。本の中に書かれている著者の主張や経験を、考えながら読んでいくことで追体験できるのです。
追体験と疑似体験
読書に関連して、追体験と疑似体験という言葉が登場します。
その違いについて再度確認しておきましょう。追体験とは、他人の経験を自分の体験のように感じることです。本の中に登場する人物のストーリーや考え方、あるいは著者の主張や考え方など、自分も体験しているような感覚に感じることです。
この感覚が発展すると、営業の場合で言えば、顧客ニーズや考えに集中して、顧客の要望していることが見えてくる感覚になることができます。そのレベルへ到達できる営業は、顧客の気持ちがわかる営業として業績を伸ばすことができます。
疑似体験は、追体験に言葉は似てはいますが、意味は少し違います。疑似体験は、実際には起きていないことを本当の体験かのように感じることです。それは今後も現実には起きないかもしれないことですが、そこに身を置くことで明らかに学びは増えます。
リアリティがあるのか、ないのかの違いこそありますが、どちらにしても経験値や学びのレベルは高まります。そのためには字面を眺めるだけではなく、意識して深く考えながら読む必要があります。
読書効果と疑似体験・追体験
読書の効果にはたくさんありますが、疑似体験・追体験をすることで、読書効果はとても大きくなります。
確かに実体験とは違う体験です。しかし人間の潜在意識は、自分と他人を認識しないと言われます。
読書をして追体験をし深く思考することで、本を読んで学んだことなのに、そもそも自分の考えであるかのように認識することはよくあることです。
ですので、小説にしてもビジネス書にしても、良書に出会ったら、追体験や疑似体験を意識するように、想像し深く思考しながら本を読むことで、理解が深くなりますし、読書効果はより大きくなります。
毎月何冊もの本を読んでいるのに、学びが得られない人・仕事や生活に役立たせることができない人は、字面だけを読んでいるのです。あるいは読書量を増やすことだけに意識をおいているのかもしれません。
もちろん読書量は多いほうが良いですが、字面だけ読む方法では、学びは得られません。その読み方では、本から学びを得るという読書効果は得られない可能性があります。
ただ本の内容を理解せずに、脳トレとして高速に音読する方法(=素読)はあります。脳を活性化する方法として有効です。脳を活性化し、脳の回転を速くしたり集中力を高めるトレーニングとして有益です。
読書で疑似体験・追体験を意識し深く思考する|たくさんの経験値を得る最高の読書効果
読書をすることで追体験をすることはおすすめの本の読み方ですが、一つ注意が必要なのは、先人の経験や知恵はたくさん知ることで、高い読書効果が得られるということです。
つまり1冊の本や一人の著者に偏ってしまうのではなく、様々なジャンルの本やたくさんの著者の本に触れてこそ、効果があるものです。
偏りの中には、不十分であったり、間違いが含まれている場合もあります。1冊の本や一人の著者だけを盲信するような読み方はリスクがあります。
古い本から新しい本まで、追体験をするようにして深く思考しながら、読書をすることで経験値は高まります。本を読んで学べる人とそうでない人との違いがここにあります。
読書をすることは先人(成功者)のノウハウを体験すること
読書をすることの最高の効果とは、先人(成功者)から成功のノウハウと失敗しないための学びのアドバイスを受けることです。先人が何ヶ月か何年かの時間をかけて調べたこと研究したことを、わたしたちは数10分から数時間の読書をすることで、疑似体験や追体験をして、知ることができるのです。
読書が苦手な人や好きじゃないという人は、読書をすることは成功者がノウハウを伝えようとしていることに気がついてないのかもしれません。
本を読まない人は、本を読むと時間がかかるとか、つまらないといいます。
平均的な読書速度(600文字/分)で平均的な本(10万文字)を読むと、3時間弱かかります。3時間かけて、先人の数年分の成功ノウハウを知ることができるのです。これほど効率が良い成功方法はありません。
まとめ
読書をしているのに、学びを得られていない人は案外多いです。
そういう方は、読書が趣味といいます。しかし一方で、読書することで仕事や人生を好転させている人もいます。学びが得られるような本の読み方ができるようになると、趣味ではなくなるのかもしれません。
それを分けるのは、読書で追体験をするかどうかにあります。
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