「新書大賞」とは中央公論新社が主催しています。1年間に刊行されたすべての新書(ほか出版社も含め)から「1年間の最高の一冊」を選んでいる賞です。2008年から開始され継続されています。
もしも読書はしたいが何を読んだら良いのか迷っているなら、歴代の新書大賞を読んでみるという本の選び方もおすすめです。
新書大賞とは1年間に刊行された全ての新書から最高の1冊
新書大賞の主催は中央公論新社ですが、対象となるのは全ての新書です。中央公論新社が自社の新書を優遇して選出しているわけでもありません。
最新の2022年の事例から解説します。
新書大賞2022は2020年12月〜2021年11月に刊行された全ての新書が対象でした。新書に造詣が深い105人による投票で選出され2022年2月10日発売の中央公論3月号に掲載されました。
新書に造詣が深い105人とは、有識者・書店員・各社新書編集部・新聞記者です。
投票は、各人が1位から5位までを選び、1位を10点、2位を9点というように、点数化して行われます。全員の点数が合計された後に、1位から20位までの順位を決定し、1位を新書大賞とし発表しています。
専門分野の入門書的な性質が新書の特徴です。ときには入門書レベルとしても難しく感じる場合もあるかもしれません。しかし自分の見識を広げることを目的に新書を読むのであれば、「新書大賞」を中心に読むべき本を選ぶのは良い方法です。
新書大賞からおすすめ|歴代の大賞を読む
新書大賞は、その年に出版された新書の中から優れた1冊を選び、その内容や影響力を評価する賞です。これまでの受賞作品は、幅広いテーマやジャンルをカバーしており、読者にとって興味深い情報や新たな知識を提供してくれるものばかりです。
歴代の新書大賞受賞作品を読むことは、以下のようなメリットがあります。
1. 様々なテーマに触れる機会
新書大賞受賞作品は、自然科学から人文科学、哲学、社会問題まで多岐にわたるテーマを取り上げています。異なる分野の知識や視点に触れることで、幅広い視野を持つことができます。
2. 深い洞察や考えを得る
受賞作品は、著者がその分野での研究や経験をもとに執筆していることが多いです。そのため、専門的な内容であっても、わかりやすく解説されていることが多いです。深い洞察や新たな考えを得ることができます。
3. トピカルな問題に対する理解を深める
社会的な問題や時事問題についての受賞作品も多いです。これらを読むことで、現代の課題や議論の背景を理解し、自分の意見を形成する材料とすることができます。
4. 読書の楽しさを体感する
新書は一般的に薄い本で、コンパクトにまとめられています。そのため、比較的短時間で読み終えることができます。気軽に手に取って読書の楽しみを体感することができます。
5. 評価された優れた作品を選ぶ手間が省ける
新書大賞はその年の中で優れた1冊を選定しているため、どの作品を読むか迷う手間が省けます。信頼性の高い作品を選ぶ指針として利用できます。
ですから、新書大賞受賞作品を選んで読むことは、知識の拡充や新たな気づきを得るための素晴らしい方法です。自分の興味や関心に合ったテーマの作品を選んで、新しい世界を楽しんでみてください。
新書大賞の歴代最高の1冊を2008年から全て紹介
当記事では、2008年から開始した新書大賞の歴代受賞作を紹介しています。
新書大賞2022ランキング
新書大賞2022の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | サラ金の歴史 | 小島庸平 | 中公新書 |
2位 | 生物はなぜ死ぬのか | 小林武彦 | 講談社現代新書 |
3位 | 荘園 | 伊藤俊一 | 中公新書 |
4位 | デジタル・ファシズム | 堤未果 | NHK出版新書 |
5位 | ゲンロン戦記 | 東浩紀 | 中公新書ラクレ |
6位 | ジョブ型雇用社会とは何か | 濱口桂一郎 | 岩波新書 |
7位 | 歴史修正主義 | 武井彩佳 | 中央公論新社 |
8位 | ヒトラー | 芝健介 | 岩波新書 |
9位 | 無理ゲー社会 | 橘玲 | 小学館新書 |
10位 | 「利他」とは何か | 伊藤亜紗・中島岳志・若松英輔ほか | 集英社新書 |
11位 | 批評の教室 | 北村紗衣 | ちくま新書 |
12位 | 氏名の誕生 | 尾脇秀和 | ちくま新書 |
13位 | ロヒンギャ危機 | 中西嘉宏 | 中公新書 |
14位 | 原敬 | 清水唯一朗 | 中公新書 |
15位 | 古代中国の24時間 | 柿沼陽平 | 中公新書 |
15位 | 安いニッポン | 中藤玲 | 日経プレミアシリーズ |
17位 | 米中対立 | 佐藤亮 | 中公新書 |
18位 | サボる哲学 | 栗原康 | 中公新書 |
19位 | 探求する精神 | 大栗博司 | 幻冬舎新書 |
20位 | 土葬の村 | 高橋繁行 | 講談社現代新書 |
新書大賞2021ランキング
新書大賞2021の受賞作品は以下のとおりです。18位〜20位の状況に良い作品が多い年であったことが伺われます。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 人新世の「資本論」 | 斎藤幸平 | 集英社新書 |
2位 | 民主主義とはなにか | 宇野重規 | 講談社現代新書 |
3位 | 椿井文書 | 馬部隆弘 | 中公新書 |
4位 | 民衆暴力 | 藤野裕子 | 中公新書 |
5位 | スマホ脳 | アンデシュ・ハンセン | 新潮新書 |
6位 | 五・一五事件 | 小山俊樹 | 中公新書 |
7位 | 「勤労青年」の教養文化史 | 福間良明 | 岩波新書 |
8位 | 感染症の日本史 | 磯田道史 | 文春新書 |
9位 | 社会を知るためには | 筒井淳也 | ちくまプリマー新書 |
10位 | 白人ナショナリズム | 渡辺靖 | 中公新書 |
11位 | アメリカ大統領選 | 久保文明・金成隆一 | 岩波新書 |
12位 | 世界哲学史(全8巻) | 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納冨信留 | ちくま新書 |
13位 | 2020年6月30日にまたここで会おう | 瀧本哲史 | 星海社新書 |
14位 | ウンコはどこから来て、どこへ行くのか | 湯澤規子 | ちくま新書 |
15位 | エリザベス女王 | 君塚直隆 | 中公新書 |
16位 | 暴君 | スティーブン・グリーンブラット | 岩波新書 |
17位 | AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争 | 庭田杏珠・渡邉英徳 | 光文社新書 |
18位 | アフター・リベラル | 吉田徹 | 講談社現代新書 |
18位 | 音楽の危機 | 岡田暁生 | 中公新書 |
20位 | 岩波新書解説総目録1938−2019 | 岩波新書編集部 | 岩波新書 |
20位 | 人類と病 | 詫摩佳代 | 中公新書 |
20位 | たちどまって考える | ヤマザキマリ | 中公新書ラクレ |
新書大賞2020ランキング:大賞は「独ソ大戦」
新書大賞2020の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 独ソ戦 | 大木毅 | 岩波新書 |
2位 | ケーキの切れない非行少年たち | 宮口幸治 | 新潮新書 |
3位 | 教育格差 | 松岡亮二 | ちくま新書 |
4位 | 日本社会のしくみ | 小熊英二 | 講談社現代新書 |
5位 | 「家族の幸せ」の経済学 | 山口慎太郎 | 光文社新書 |
新書大賞2019ランキング
新書大賞2019の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 日本軍兵士 | 吉田裕 | 中公新書 |
2位 | 文系と理系はなぜ分かれたか | 隠岐さや香 | 星海社新書 |
3位 | 陰謀の日本中世史 | 呉座勇一 | 角川新書 |
4位 | 日本が売られる | 堤未果 | 幻冬舎新書 |
5位 | 原民喜 死と愛と孤独の肖像 | 梯久美子 | 岩波新書 |
新書大賞2018ランキング
新書大賞2018の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | バッタを倒しにアフリカへ | 前野ウルド浩太郎 | 光文社新書 |
2位 | 未来の年表 | 河合雅司 | 講談社現代新書 |
3位 | 日本の近代とは何であったか | 三谷太一郎 | 岩波新書 |
4位 | ポピュリズムとは何か | 水島治郎 | 中公新書 |
5位 | 定年後 | 楠木新 | 中公新書 |
新書大賞2017ランキング
新書大賞2017の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 言ってはいけない | 橘玲 | 新潮新書 |
2位 | 人口と日本経済 | 吉川洋 | 中公新書 |
3位 | 日本会議の研究 | 菅野完 | 扶桑社新書 |
4位 | 下り坂をそろそろと下る | 平田オリザ | 講談社現代新書 |
5位 | 応仁の乱 | 呉座勇一 | 中公新書 |
新書大賞2016ランキング
新書大賞2016の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 京都ぎらい | 井上章一 | 朝日新書 |
2位 | 生きて帰ってきた男 | 小熊英二 | 岩波新書 |
3位 | イスラーム国の衝撃 | 池内恵 | 文春新書 |
4位 | 多数決を疑う | 坂井豊貴 | 岩波新書 |
5位 | 下流老人 | 藤田孝典 |
新書大賞2015ランキング
新書大賞2015の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 地方消滅 | 増田寛也 | 中公新書 |
2位 | 資本主義の終焉と歴史の危機 | 水野和夫 | 集英社新書 |
3位 | ハンナ・アーレント | 矢野久美子 | 中公新書 |
4位 | 愛と暴力の戦後とその後 | 赤坂真理 | 講談社現代新書 |
5位 | 最貧困女子 | 鈴木大介 | 幻冬舎新書 |
新書大賞2014ランキング
新書大賞2014の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 里山資本主義 | 藻谷浩介・NHK広島取材班 | 角川oneテーマ21 |
2位 | 犬の伊勢参り | 仁科邦男 | 平凡社新書 |
3位 | ㈱貧困大国アメリカ | 堤未果 | 岩波新書 |
4位 | 野心のすすめ | 林真理子 | 講談社現代新書 |
5位 | 来るべき民主主義 | 國分功一郎 | 幻冬舎新書 |
新書大賞2013ランキング
新書大賞2013の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | 社会を変えるには | 小熊英二 | 講談社現代新書 |
2位 | 田中角栄 | 早野透 | 中公新書 |
3位 | 日本近代史 | 坂野潤治 | ちくま新書 |
4位 | わかりあえないことから | 平田オリザ | 講談社現代新書 |
5位 | 聞く力 | 阿川佐和子 | 文春新書 |
新書大賞2012ランキング
新書大賞2012の受賞作品は以下の通りです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社 |
新書大賞 | ふしぎなキリスト教 | 橋爪大三郎・大澤真幸 | 講談社現代新書 |
2位 | 昭和天皇 | 吉川隆久 | 中公新書 |
3位 | TPP亡国論 | 中野剛志 | 集英社新書 |
4位 | 武器としての決断思考 | 瀧本哲史 | 星海社新書 |
5位 | 女子校育ち | 辛酸なめ子 | ちくまプリマー新書 |
新書大賞2011ランキング
新書大賞2011の受賞作作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社新書 |
新書大賞 | 宇宙は何でできているのか | 村上斉 | 幻冬舎新書 |
2位 | デフレの正体 | 藻谷浩介 | 角川oneテーマ |
3位 | 街場のメディア論 | 内田樹 | 光文社新書 |
4位 | 競争と公平感 | 大竹文雄 | 中公新書 |
5位 | 伊藤博文 | 瀧井一博 | 中公新書 |
新書大賞2010ランキング
新書大賞2010の受賞作作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社新書 |
新書大賞 | 日本辺境論 | 内田樹 | 新潮新書 |
2位 | 差別と日本人 | 野中広務・辛淑玉 | 角川oneテーマ |
3位 | 音楽の聴き方 | 岡田暁生 | 中公新書 |
4位 | 戦後世界経済史 | 猪木武徳 | 中公新書 |
5位 | ノモンハン戦争 | 田中克彦 | 岩波新書 |
新書大賞2009ランキング
新書大賞2009の受賞作作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社新書 |
新書大賞 | ルポ 貧困大国アメリカ | 堤未果 | 岩波新書 |
2位 | 強欲資本主義 ウォール街の自爆 | 神谷秀樹 | 文春新書 |
2位 | できそこないの男たち | 福岡伸一 | 光文社新書 |
2位 | 電車の運転 | 宇田賢吉 | 中公新書 |
新書大賞2008ランキング
新書大賞2008の受賞作品は以下のとおりです。
順位 | 作品名 | 著者 | 出版社新書 |
新書大賞 | 生物と無生物のあいだ | 福岡伸一 | 講談社現代新書 |
2位 | となりのクレーマー | 関根眞一 | 中公新書ラクレ |
3位 | 1997年ー世界を変えた金融危機 | 竹森俊平 | 朝日新書 |
関連記事一覧
- 読むべき本
- 読むべき本は小説・ビジネス書・自己啓発本でOK
- 新書のまとめ|サイズやジャンル・選び方など
- 新書とは?定義・見分け方について|サイズ以外にも違いがある
- 各種の新書ランキングを目安にして読むべき本を見つける
- 高校生になったら読むべき新書をおすすめ
- 新書で高校生がレポートを書くためのステップバイステップガイド
- 新書大賞ランキング|歴代の最高の1冊を2008年から全て紹介*当記事
- 新書マップを使えば予想外の本を検索できる
- 新書おすすめ|年代別ならこちらから中学生〜大学生・社会人
- 新書のおすすめ2018年〜2022年から見つける
- 新書サイズの基本情報とメリット | 持ち運び&読みやすさが魅力