本を読むと眠くなる経験ってありますね。
本を読むのが苦手な人に安心してもらいたいのは、苦手な人でも好きな人でも、本を読めば眠くなることはあります。いくつかの理由があります。紹介いたします。
本を読むと眠くなる理由と対策|脳の病気?
試験のための勉強や、仕事のための調べごとなどで、本を読むときに眠くなることがあります。期限の時間が迫っているタイミングだと、焦ってしまいます。
本を読むと眠くなる理由は
本を読むときに眠くなるという人には、考えられる理由があります。
1)視覚的な疲労
長時間にわたって本を読むと、眼の筋肉が疲れてしまうことがあります。文字やページに集中するために瞳の焦点を合わせる必要があり、これが眼疲労を引き起こし眠気を誘発する可能性があります。
2)集中力の消耗
長時間の読書は集中力を要します。集中力を維持することは脳にとってエネルギーを消耗する活動であり、結果として眠気が生じることがあります。本を読むときは、新しい情報を処理したり、ストーリーを理解したりするために、脳が活発に活動するからです。
3)心理的なリラックス効果
本を読むことは多くの人にとってリラックスやストレス解消の手段となります。読書は心を静め、リラックスさせる効果がありますが、その結果として眠気が生じることもあります。
4)日中の疲労や睡眠不足
もし本を読む時間帯が日中であり、十分な睡眠をとっていない場合、眠気を感じやすくなる可能性があります。脳が十分に休息できていないことが理由です。
5)アデノシンの増加
アデノシンは、脳が活動すると増え、眠ると減る物質です。読書をしていると、脳が活発になり、アデノシンが蓄積されることで眠気を感じることがあります。アデノシンは、脳の神経細胞を興奮させる物質であるグルタミン酸の活動を抑制することで、眠気を促進します。また、アデノシンは、脳の神経細胞間のシナプス伝達を阻害することで、脳の活動を抑制します。これらの作用により、アデノシンは眠気を促進します。
6)環境的理由
読書をする環境も、眠気を誘う要因となります。例えば、暗い部屋で読書をしたり、寝転んで読書をしたりすると、眠気がより強く感じやすくなります。静かな音楽も眠気を誘うことが考えられます。
7)読書の目的が明確でないことや内容に興味を感じないこと
読書の目的が明確でないと、本を読んでいる途中で何のために読んでいるかわからなくなり、集中力が続かなくなり、眠くなってしまうことがあります。また、本の内容に興味がないと、本を読むのが苦痛になり、眠くなってしまうことがあります。
8)本を読む姿勢に原因がある
背中が丸くなり、頭が前方に傾いてストレートネックになっている場合があります。本を読む際に、頭を下げていると、血流が悪くなり、眠気を感じやすくなります。
9)脳のエネルギー不足
脳の活動エネルギーである糖質やビタミンB群が不足している可能性があります。糖質やビタミンB群は、脳のエネルギー源ですので、不足すると脳のエネルギーが不足し、眠気を感じることがあります。
10)病気の可能性もあるかも
ナルコレプシー(過眠症)の可能性も考えられます。ナルコレプシーは、睡眠障害の一種で、日中に強い眠気が持続する病気です。
本を読むと眠くなる理由には多くの可能性があります。自分の場合は、どのケースになるのかを注目してみてください。本を読むと眠くなることへの対策も違ってきます。
本を読むと眠くなる理由に脳が関係している可能性
実は、眠くなる原因に脳が関係していると思われるケースがいくつかあります。本来は、読書による刺激によって脳は血流が増加して活性するのです。
脳が糖質不足の可能性
一つは、前述の脳の活動エネルギーが不足している可能性です。特に糖質が不足しているという血糖値が下がっている状態では、眠くなってしまいます。
脳が酸素不足の可能性
また、姿勢が悪く十分な呼吸ができていないと脳は酸素不足になります。前述の背中が丸い姿勢とは胸を圧迫する姿勢になります。背筋を伸ばして胸を開き、深く呼吸することで、脳に酸素が行き渡るようになります。あくびが出ているのなら、酸欠状態の可能性があります。
睡眠不足の疑い
睡眠不足も脳に影響を与えます。十分な睡眠がとれることで、脳と体の疲れが取れます。睡眠が不足していると、体と脳の疲れは修復・回復が不十分な状態になります。布団に入るとすぐに寝てしまうとか、朝起きるのが辛いという人は、睡眠不足の可能性があります。
脳内物質βエンドルフィンのせいかも
もう一つは、「βエンドルフィン」の分泌です。特に難しい本を読むと、眠くなると感じる人は多いかもしれません。
難しい本を読むと、脳の中では「βエンドルフィン」が分泌されます。苦痛を取り除こうとしているのです。この物質には、鎮静効果・リラックス効果があります。眠くなるのはそのためと考えられます。
本を読むと眠くなることへの対策
趣味で読んでる本の時間なら良いのかもしれませんが、勉強のため、試験のため、セミナーの準備のためなど、目的が明確で寝てる場合じゃない時は、困りますね。
そんな時の解決は、以下の方法を紹介します。
視覚的な疲労に理由がある場合
本を読むと眠くなる理由が視覚的な疲労にあると感じる場合の対策は、「休憩を取る」「明るい場所で読む」「寝る直前に読書をしない」などが有効です。
また、本を読む前に、軽く体を動かすことも、眠気を防ぐ効果があります。
本を読むと眠くなるなら姿勢の改善
姿勢を改善をしましょう。丸くなりがちな背筋を伸ばし、前方に垂れてる頭をグッと起こして、ストレートネックをやめましょう。前方に下がった頭を支えるのは、かなり重たいのです。首や肩周りの筋肉に、負荷がかかりすぎていることが、眠気を誘発している可能性がありますので、首と肩の筋肉の負担を軽減しましょう。
音読や体を動かしながら本を読む
机周りの環境に問題がなければ、声に出して読むのはお勧めです。
音読をするということです。今更と思われる方もいるかもしれませんが、声を発すると同時に、自分の耳でも聞くことになります。
また、体の一部を動かしながら本を読む(ながら読書)のも有効です。例えば、ステッパーを踏みながら本を読む(読書家で知られるDaiGoさんもやってる)のは、お勧めです。
いっそのこと寝て睡眠不足を解消|仮眠の効果はなかなか良いです
何度か、眠気が来たら、あえて15〜20分間仮眠をするのです。スマホに15分〜20分のアラームをセットして思い切って寝ます。眠い時の仮眠は効果的で、目覚めたときには、脳が覚醒します。時間は、15〜20分くらいがベストです。
短すぎは仮眠効果が出ません。長すぎると、本気寝になってしまいます。
体を使って運動することで脳が覚醒
前述のステッパーを踏みながら読書と類似しますが、こちらの情報では、ながら読書ではなく運動を単独で行うことです。
体を動かしていくことで、アドレナリンが分泌され、脳が覚醒します。読書に再度向かうと、先程までの眠気はおさまっている時はずです。軽い散歩程度の運動でも、脳は覚醒します。
糖質とビタミンを食べる|脳はエネルギーの消費が大きい臓器
読書には、脳の活動が必要です。脳が活躍するためには、糖質とビタミンB群が必要です。眠くなる状態は、低糖質の状態とビタミンB群が不足している可能性があります。ブドウ糖とビタミンB群を摂取することで脳が覚醒します。
コーヒーなどのカフェインを取る
カフェインは、即効性というまで速くはありませんし、個人差もありますし、コーヒー飲んだら1時間はがパッチリというものではありません。しかし、普段からカフェインをとると、目が覚めやすいという方は試してみてください。(効果は一時的ですが)
本を読むと眠くなるのは睡眠不足が原因の場合
睡眠不足の場合には、いくつか原因があります。無呼吸症候群や、寝る前の飲酒や食事が原因の場合もあります。寝る前の食事によって、寝てからもしばらくの間、消化が続いてしまい、睡眠不足になっています。
即効的な方法ではありませんが、食事と飲酒習慣の改善は必要です。
本を読むと眠くなるのは病気の可能性がある
前述したように、眠くなる理由として、ナルコレプシーという病気の可能性も考えられます。
ナルコレプシーは、過眠症の一つです。突然強い眠気が起きて眠ってしまいます。睡眠発作とも呼ばれ、本を読むタイミングに限らず、何かの行動の最中に、突然起きるものです。
近年の研究では、脳の中のヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞が働かなくなることが原因であることがわかりました(参照|厚生労働省e-ヘルスネット)。しかし根治的な治療は確立できておらず、日中の眠気を抑える対症療法による対策が行われています。
まとめ
本を読むと眠くなることがあります。原因は色々です。
対策はいくつかあります。
試してみて下さい。個人差もありますし、個人の中でも時場合により原因は変化します。
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