読解力を鍛えるのが必要なのは大人

読解力 鍛える 大人

読解力といえば国語の読解力をイメージであり、学生というイメージが連想されるかもしれません。

しかし現実の問題としては、大人の読解力不足のほうが大きな問題と思われます。

大人が仕事や日常の人間関係で使う読解力は、読んで理解するだけではありません。

読解力がない大人は、相手の本音と建前に混乱します。そして仕事や人とのコミュニケーションで失敗してしまいます。コミュニケーションの失敗は人間関係の悪化へと連続してしまいます。

本音と建前がわかるようになり空気を読む大人になるためには、読解力を鍛える必要があります。

大人こそ、すぐにでも読解力を鍛える必要があるのです。

目次

読解力を鍛える必要があるのは大人

読解力 鍛える 大人1

OECDのPISA読解力について、日本の15歳が読解力が低下しているとして話題になったことがあります。子供の読解力などの学力が下がっていると注目されました。確かに重要なことではあります。

しかし毎日どこかの会社の中で、読解力がない大人が仕事に失敗している状況を考えれば、未来も大事だが現状の大人にこそ読解力を鍛える必要性があります。

読解力を鍛える必要があるのは、むしろ大人の方

書店では「大人の読解力」に関する書籍がたくさん販売されています。世の中には読解力がないことで苦労している大人が多いのです。中には自分で読解力がないことに気づかず、周りの人からもアドバイスされずに中高年の年代になってしまっている人もいます。

上司や先輩から読解力がないと指摘されたら、その瞬間はカチンとくるかもしれませんがラッキーなことです。読解力がない状態を改善すると、仕事にも人生にも大きな変化が起こるはずだからです。

もし上司や先輩の業務指示や、顧客や取引先とのコミュニケーションの中で、相手が何を言っているのかわからないと感じることがあれば、自分の読解力は低い可能性があると考えるべきです。

もちろん発信者側の文章力や要約力がないために、言いたいことが整理されていない顧客や取引先担当もいます。しかし特に一般ユーザーが顧客の場合にビジネススキルを期待するのは、困難です。

論理的ではない相手の言葉や文章から、何を言わんとしているのかを読み取る読解力が必要です。この読解力がないと、相手がいうことを理解できません。仕事はうまくいきません。大人こそ読解力を鍛える必要があるのです。

読解力を鍛えるべきは相手の言葉を額面通りにしか理解できない大人

日本人に多いとされる特徴に、建前と本音があります。本音は本当の気持ちや価値観のことです。しかし人はその場の空気などを感じて、本音とは違うことを発することがよくあります。それが建前です。

表向きの答えとして、本音を言える状況ではないなどと察知すると、建前としての言葉を発します。本音が「ノー」だとしても、建前では「ノーではない」というのです。

そこで問題なのは、読解力がない大人は言葉を額面通りに理解してしまうことです。相手がなぜ「ノーではない」と言ったのかに想像力を使うことはせずに、言葉通りに理解してしまい、チャンスを失ったり、仕事に失敗してしまうのです。

相手が発した言葉が「ノー」でも「ノーではない」でも、なぜなのかを考えるべきなのです。クリティカルに読み込むということです。

読解力を鍛える必要がある大人は空気を読めない

本音と建前を察することが出来ない大人は、読解力がないと前述しました。同時に、空気を読むこともできません。

具体的な言葉として表現されたわけではないが、何らかの意志が働いている空気感を感じさせる場面があります。実はこれも日本人特有のコミュニケーションと言われます。

読解力がない人は空気を読むのが苦手です。空気を読むとは、言葉の裏を読むことであり、行間を読むことです。読解力がない大人の場合、具体的に言葉や文章として表示されたことしか、理解できないのです。

日本人同士のビジネスでは、言葉の裏を読んだり、行間を読んで、空気を読むことが不可欠です。もしあなたが読解力がない営業マンなら、商談の成約率は平均以下でしょう。平均以下でも売れる理由は、読解力がない空気の読めない営業マンであっても、購入意欲の方が強い顧客の場合は商品を買ってくれるからです。

しかし読解力を鍛えて、空気が読める営業マンになり、顧客の本音と建前に気がつくようになれば、営業成績は間違いなくアップし、平均以上の存在になれるはずです。

読解力がない大人に必要なのは行間を読む力を鍛える

空気感は現場で感じるものです。顧客が発している言葉と行動(表情や目の動き・声の感じなど)が一致していないときに顕著にわかります。しかし面談していればこそのことです。

現代のように、メール文で顧客や取引先とコミュニケーションする場合は、当然相手の表情も目の動きも声の感じも分かりません。あるのは文章だけだからです。

文章を正確に読むのは当然のことですが、その中には建前と本音が混在している可能性があります。ですから、行間を読む必要があるのです。

行間は、空気感と同様に明確に表示されていない部分です。ですので文章を額面通りに受け取るのではなく、なぜそういう文章を書いているのかをクリティカルに考え、想像力を使って、読み取っていくことで本音を探るのです。

行間を読む力を鍛えるには、文章をたくさん読むことですが、最適なのは小説です。小説は一般的に、曖昧で抽象的である場合が多く、読者は文章表現や描写から追体験的に心象風景を感じるものです。そういった文章を読む事が、行間を読む力を鍛えることになります。

読解力を鍛える大人|ビジネス書ばかり読んでいても行間は読めない

大人が仕事や人生に役立てようと思う時に読む本は、一般的にビジネス書や自己啓発本です。

もちろんビジネススキルを高めたり、仕事に必要な知識情報を得るために、非常に有効なジャンルです。しかし人とのコミュニケーションについてのスキルある読解力、とくに行間を読む力を身に付けるには、ビジネス書をいくら読んでも成果は得られません。

なぜならビジネス書は、一般的に文章構成や文章表現がわかりやすく書かれているからです。文章構成は、多くの場合は「結論・理由・理由の根拠(エビデンス)」の構成になっています。また表現も数値やデータを参照するなど客観性があり、曖昧な表現はむしろ排除されています。つまり行間がないということです。

つまり行間を読めるように読解力を鍛えるには、ビジネス書ではなく、小説を読むべきということです。読み方は、単純にストーリーを楽しむのでは読解力は鍛えられません。

行間を読めるようになるには、登場人物の言葉や行動に「なぜ」と考えながら、想像力を使って読み込んでいく読み方が良いです。

まとめ

子供の読解力低下が話題になりましたが、問題なのは読解力がない大人の方です。

子供の未来も大事ですが、今日読解力がないことが原因で仕事がうまくいかない大人は、早く気づいてすぐにでも改善すべき問題です。

自分に読解力があるのかどうかは、本や文章を1ページ読んだ後に本を閉じ、何が書いてあるのかを自分の言葉で説明できるかどうかで簡単に分かります。

しかし現実として重要なのは、行間を読める力です。鍛える必要があるのは大人の読解力です。

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