読解力をつける本は小説が向いている理由

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社会人になると、読解力が不足してると感じたり、読解力がないと指摘されてしまう事があります。

仕事の関連の文章を読んで、内容を理解しているつもりでも不十分だったと感じたり、勘違いしていたりしたことに気づいたことはないでしょうか。また上司や取引先とのコミュニケーションの中で、話されていた言葉の理解が不十分でミスをしてしまった経験があるはずです。これらの原因は読解力が不足していることにあります。

また自分は本をよく読むほうだと、認識している人は読んでいる本のジャンルが偏っている可能性もあります。もしビジネス書ばかり読んでいるようだと、やはり読解力が不足している可能性があるからです。

現代においては、読解力とは文章を読んで内容を正確に理解するだけではなく、文章の中に明文化されていない相手の考えや意図を読み取る読解力も、社会人として仕事をしていくために重要なコミュニケーション力となります。

実は読解力を高めるには、ビジネス書では不十分なのです。むしろ小説の方が向いているのです。当記事では読解力をつける本には小説を選ぶ方が良い理由について解説しています。

目次

読解力をつける本は小説が向いている理由

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読解力とは、一般的には文章を読んで理解する能力です。しかし現代は誰もがメールやLINEでテキストを読み書きすることで、コミュニケーションを取る時代です。

社内の報告連絡や、社外への商談・交渉までもが、かなりの部分を文章によってコミュニケートされるようになりました。相手の顔の表情や声の表情から、相手の意図を感じ取るという場面は、非常に少なくなっています。

現代においては、読解力の重要性は文章を正確に読むだけではなく、顔の表情や声の表情の代わりに、行間を読む必要があるのです。言葉に明文化されていない相手の意図を感じ取れるかが、重要ポイントになっています。

読解力を身につけるには小説の方が向いてる

読解力を身につけるには、まず本や文章を読む必要があります。そして本の文章から要点を見つけ出して、まとめるトレーニングをすることで読解力を鍛えていました。

しかし現代は面談回数は減少し、電話の通話さえも減少しています。誰もがメールやLINEだけでコミュニケーションととっている状態です。仕事においては、相手の文章から意図を感じ取れなければトラブルやクレームにもなる時代です。

そのための読解力を身につけるには、論理的に書かれているビジネス書では、不足の可能性があるのです。

むしろ非論理的な文章である、小説の方が読解力を身につけるには向いているのです。小説を読んでいくには、想像力を働かせる必要があります。

読解力を身につけるにはビジネス書ではなく小説を読むべき理由

ビジネス書は、一般的に専門書であっても、文章構成は論理的でわかりやすく書かれています。結論・理由・理由の根拠などの構成になっており、専門書でも言葉の意味を理解すれば、構造的にはわかりやすいのです。

しかし誰もが文章でコミュニケートする時代では、論理的でわかりやすい文章でメール等を書く人ばかりではありません。

そして担当者は「そういう意味だとは思わなかった」という結末を迎えることも少なくありません。しかし現場では読解力不足の改善をせずに、スルーしています。

読解力不足の改善をするために、読むべき本はビジネス書ではなく、論理的ではない小説を読む必要があるのです。

読解力は文章を読んで理解する力であり相手が言いたいことを理解する力

読解力は、もはや文章を正確に読んで内容を理解する力だけではなくなりました。論理的でない書き方で書かれた相手のメール文章から、相手の意図を汲み取る必要があるからです。

前述したように、誰もがメールやLINEでコミュニケートする時代です。会社から発信される文章は、論理的でわかりやすく書かれていると思います。しかし相手から返ってくる文章は、非論理的で、直接的表現ではないこともありますし、曖昧な表現で書かれている場合もあります。

そういう状況で、相手が言いたいことを理解するのが、現在必要な読解力です。

小説を読むべき理由|読解力で難しいのは行間を読むことだから

行間を読むとは、文章を読んで、言葉としては明確に書かれていない相手の意図を汲み取ることです。

行間を読むには、従来通りの論理的に読み取る読み方の他にも、スキルを駆使しなければなりません。例えば、クリティカルに読み取る方法です。クリティカルに読む(批判的思考)とは、否定的に読むということでなく、事実との相違はないか、どこかに間違いはないのか、前提としていることは正しいのか、などの意識を持って読むことです。

また相手に対する想像力を使うことも必要です。なぜ、その文章を書いたのか、どういう心理なのかを想像することが、行間を読むために必要なスキルです。

実際に行間を読めないとどうなるのかと言えば、相手の言葉をそのまま受け取るということです。人は何かを言われた時に本当は嫌なのに「イエス」という場合があります。そこには、相手を傷つけない方がいいとか、「ノー」と答えると話が長くなりそうだからなどと瞬時に考え回答します。しかし本音は別にあるので、その「イエス」が守られることはありません。

また本当は「イエス」なのに、何らかの考えがあって「ノー」と答えることもあるのです。行間が読めないと、言葉通りにしか読み取れませんので、交渉ごとや商談では成果は出せないでしょう。

小説を読むべき理由|行間を読み取るにはビジネス書は向いてない

ビジネス書は一般的に論理的な構成で書かれています。つまり構造的にはわかりやすいということです。専門書の場合、専門用語によって、わからない言葉があると思いますが、調べればわかることです。また文章として表現されていること以外に著者の意図はありません。

ビジネス書やビジネス文書は、通常読み始めてすぐに何について書かれた文章なのか、を判断できます。論理的な文章構成では、最初に結論が書かれていることが多いからです。また曖昧な表現もなく、行間を読むということは必要ありません。

しかし顧客や取引先から発信された文章は、論理的に書かれていない場合が非常に多いです。相手は、感情的であったり、あえて直接的ではない表現を使ったり、逆説的に書かれていたり、オブラートに包んだような表現、曖昧な表現も、よくあります。

文章構成にしても、最後まで読まないと間違った理解をしてしまう場合もあります。後にトラブルやクレームに発展するケースでは、担当は「そういう意味だとは思いませんでした」と言います。

これらのように論理的ではなく書かれた相手の文章を読み取るトレーニングとして、ビジネス書は向いていないのです。

小説は論理的な文章ではないからこそ読解力のトレーニングになる

曖昧な表現や婉曲的な言い方で書かれた相手からの文章の真意を読み取る練習になるのは、小説を読むことです。

ご存じのように、小説には形容詞や副詞が数多く利用され、曖昧な表現がたくさん登場します。ビジネス文書では、なるべく避ける表現です。

しかし小説は、起承転結の構成になっており、最後にどんでん返しがある場合もあります。登場人物の心の動きに想像力を働かせ、最後には作者は何を言いたいのだろうと考えを巡らせます。

顧客や取引先からの文章が、そこまで複雑に表現されていることはないかもしれません。しかし担当者や責任者が相手に対する汲み取りが浅かったために、クレームやトラブルに発展するケースはよくあります。

まとめ

以上の理由から、読解力を身につけたいと考える人は、ビジネス書ではなく、小説を読むべきなのです。

小説を読むことは、趣味の一つでしかないと思われている人も少なくないと思います。しかし、人の心理を想像したり、作者の意図を考えるトレーニングには、最適です。

相手が何を言いたいのか、何を伝えてきているのかを読み取る読解力は、メール中心の現代のコミュニケーションでは、優先順位が高い社会人に必須のスキルです。

ビジネス書ばかり読んでる人の中には、小説を読むことを軽視する人もいます。自分の周りを見渡すと、ビジネス書ばかりを読んでいる人が見つかるかもしれません。しかし彼らの読解力は文章の表面的な理解にとどまっていることに気がつくはずです。言葉にしていない意図を感じ取る事が困難です。

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