本を読まないが頭がいい人は知識力ではなく記憶力か思考力が高い人

本 読まない 頭 いい

本を読まないのに頭がいいという人はいます。

可能性はいくつかあります。

一つは、生まれつき知能が高いケースです。いわゆる知能指数が高いということです。

もう一つは、本は読まないが、その他の文章やデータを毎日読むことが多く思考することが多く、脳に刺激を与え続けているケースです。

さらに考えられるケースは、記憶力のレベルが高い人です。記憶力は読書による刺激で高めることができる能力です。生まれつきの才能として記憶力が孝人もいますし、サヴァン症候群のように、極端な記憶力の高さを示す事例もあります。

頭がいいとは、何を基準とするのかによって見方が変わります。

目次

本を読まないが頭がいいのは知識力ではなく思考力が高い人

本 読まない 頭 いい1

日本では頭がいいといえば、なんでも知っている人のことを指していることが多いです。つまり知識量が多い人・記憶力が高い人ということです。

しかし本来頭がいい人とは、思考力が高い人のことです。考えることが重要です。問題解決について考える力や、より良い選択を判断する力のレベルが高い人ということです。

本を読むことと思考力が高いことは、関連性はありますが、イコールで結ばれる関係性にはありません。

また私たちは知能指数が高い人のことを指して、頭がいいと言います。IQが高い人は、思考力が高く、問題解決の場面で、最適解を見つける能力が高いのです。しかしIQが高い人は学校の勉強ができないということも、アインシュタイン(IQ200と言われてます)をはじめとして、幾つもの例があります。IQ130以上は天才と言われます。しかし暗記が苦手という事例があり、IQの高さと記憶力は比例はしないようです。

本を読まないこと読むことと、頭がいいことの関係性について深掘りします。

頭がいいとは

そもそも「頭がいい」とはどういう状態なのか、確認する必要があります。

日本の場合、一般的に頭がいいといえば、学校のテストの点数が高いことをいいます。つまり知識量と記憶力のレベルが高いということです。しかし諸外国では、少しニュアンスが違います。

インテリの語源であるintelligence(インテリジェンス)は知性という意味であり、物事を知っていて思考し判断する能力という意味になります。

社会人として仕事をする場面で、知識量と記憶力が高い人は、一定の評価として「頭がいい」と言われます。しかし、リーダーや管理職となって上昇していく人は、知識と記憶だけではなく、思考と判断の能力が高い傾向があります。

また東北大学の川島教授によれば、高速に音読(速読ではなくできるだけ早く音読をする)をすることを繰り返すことで、脳の血流が増加し活性化し、前頭前野の体積が増えたことをMRIで確認したと言います。結果、頭の回転が速くなり、記憶と集中が高くなったとしています。

つまり頭がいいとは、知識と記憶だけではなく、思考と判断のレベルが高いことであるということです。さらに強めの読書(速く音読をする)によって脳の力がレベルアップするということです。

本を読まないこと読むことが頭がいいことに直接一致はしない

読書は頭がいいことと関連性が高いといえますが、本を読むということだけで頭がいいとまでは言い切れません。

本の読み方によって頭がいいことに影響がある場合があるということです。

脳にある程度の負荷がかかる読み方をしている人ほど、頭の良さとの関連性が強くなります。つまり、読書を物語を楽しむものとして読むレベルでは、脳に負荷はかかりません。ですので、「本を読むことが好き」というだけでは、頭がいいとまでは言えないのです。

本が好きでよく読んでいるということは、運動レベルに置き換えると、「散歩かウォーキング」です。もちろん、健康維持には散歩もウォーキングも有効であることはよく知られています。しかし、散歩やウォーキングで体が鍛えられているとは考えないはずです。読書においても同じです。

ですので、単に本を読むことと頭がいいことと関係性を考えると、直接一致はしないことになります。ただし強い関連性はあります。本の読み方が変われば、頭がいいことに直結することになります。

本を読むと頭が良くなる可能性はある

物語を楽しむ読書は、体の運動レベルで言えば、「散歩やウォーキング」をしている程度と前述しました。これを筋トレレベルで本を読むことを考えると、頭が良くなる方法は2つです。筋トレのレベルになると体が変化するのと同じように、脳も変化するのです。

1つ目の方法は、出来るだけ早く読むことです。一般的な速読は声に出さない黙読をしますが、脳トレとしての読書は「高速音読」がおすすめです。読む・聞く・話すを高速で同時に行うことで、脳が鍛えられます。本の内容を理解できないのではないかと心配する声があるかもしれませんが、安心してください。高速音読に本の内容の理解は不要です。

重要なのは、読む・聞く・話すを高速で同時に行うことです。脳を強く刺激する方法です。

もう1つの方法、深く考えながら読むことです。クリティカルに読む方法がおすすめです。批判的に読む(批評と評価)方法です。理解を深める読み方としては、マーカーや付箋をもって読む方法が一般的です。

しかし、クリティカルに読むとは、批評や評価をしながら読むことです。ですので、マーカーでチェックする方法よりも、本の内容を一々「何故」という疑問を持ち考えながら、読むのです。考えながら読むことで、内容をしっかりと理解でき、批評や評価ができるようになります。思考力と判断力を高めるトレーニングになります。

読書速度は遅くなります。ただし理解は深くなります。

記憶を落とさない方法

実は脳は、毎日の記憶をある程度忘れるようになっています。睡眠中に、記憶が整理されることもよく知られていることです。その中で、翌日には忘れてしまう記憶と残る記憶があります。

短期記憶と長期記憶と言われます。一度本を読んだだけの記憶は、短期記憶として認識され、翌日には3割程度しか残っていません。「自分は本を読んでもすぐ忘れてしまう」という方も安心してください。20分後には4割忘れるようになっているからです。

一方で忘れない記憶もあります。感情が伴った記憶は、長期記憶に残ることがわかっています。そして短期記憶から長期記憶に意図的に移行する方法が、何度も繰り返す復習という方法です。

すでに試験勉強の時に、何度も本を読み、何度も問題集を読んで、解説を読み込んでいるのと同じなんです。

読んだ本の内容をいつでも取り出せる長期記憶に保存しておくには、同じ本を何度も読んだり、24時間以内に読書ノートに要約を書いていくのが記憶に残る方法です。復習の目安は、翌日・1週間後・1か月後です。2回目以降は精読でも、拾い読みでもいいです。本を読んでる途中で記憶が戻ってくるはずです。時間短縮を考えれば、読書ノートに要約を書いて、2回目はそれを読むのでも良いです。(これはエビングハウスの忘却曲線を利用した方法です)

本を読まない人でも、文章やデータを見て日々思考する人は頭がいい

優秀な経営者の中には、「過去には猛烈に読書をしていたが、今は仕事が忙しくて、もっぱら仕事の資料を読みデータを読み思考している時間ばかり」という人もいます。

そして経営者として素晴らしい実績を維持している方々がいます。現状は本を読まない人です。

元々本はあまり読まないという方でも、一日の時間の多くを資料やデータを読み、思考と判断と決定を繰り返している人は、やはり頭がいい人と言えます。

ですので、過去も現在も本を読まないし、他に何もしていないのに頭がいいというわけではないのです。長く社会人を続けていると、「お試し」で昇進することがあります。その時に、実は本を読んでいた人は新しい役割をこなして、さらに上に上がる可能性があります。

しかし、本を読んでこなかった人・昇進しても本を読まない人は、辛い立場に立たされます。上位者の役割をこなせないベテラン社員は、会社のお荷物になる可能性があります。

本も文章も読まず思考する場面が少ない人が頭がいいのは一般的ではない

冒頭に述べましたが、本を読まないのに頭がいいと言われる人の中には、生まれつき知能が高い人がいます。

知能指数が高いと言われる人たちです。一般的にはIQ(知能指数)は、110以上で高いと言われます。120以上で優秀と言われ、130以上は天才と言われる人たちです。IQ130は、メンサ(高いIQの方であれば入れる団体)の入会資格基準でもあります。人口の上位2%といわれ、世界中に12万人の会員がいます。

IQの基準は100で、平均は90〜109とされています。IQの高い人には、読書家と言われる方が多く、圧倒的な読書量があればIQは上がるともいわれています。

まとめ

頭がいいとされるケースは、極端な事例(本を全く読まない人やIQ120以上の人)を別にして考える必要があります。

例えば、知能指数が90〜109の平均的な人と考えた場合、本を読まない人よりも本を読む人の方が頭がいいという可能性は高くなります。

ただ本をあまり読まない人でも、重要な本を選んで、同じ本を翌日と1週間後と1か月後に読む復習をすることで、忘れない記憶(長期記憶)として、定着することがわかっています。

読書量が多くない人でも、本の読み方に注目することで、記憶力が高い人思われるようになれるのです。

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