本の読み方で速読に関する読み方や本が多数販売されています。
これだけ「速読」関連の書籍が販売されるということは、裏返すと、実態は本を読むことが遅いことを悩んでいる人が多いということなのかもしれません。
確かに、時と場合によって、速読はとても有効です。限られた時間内で、まず文章を読まないといけない必要がある場合には速読ができるといいな、と思います。
しかし、本を読むのが遅いこと、つまり遅読はいつの場合も悪いわけではないです。
遅読とは?メリットとデメリット|克服する方法
遅読とは、「ちどく」と発音します。意味は、「じっくりと時間をかけて読むこと」です。
遅読とは、読書のスピードが遅いことを指します。近年、スマートフォンやタブレット端末などの普及により、情報収集やコミュニケーションに必要な文字の読解能力が求められるようになりました。
しかし、その一方で、情報量が増加する中で、速読や多読が重要視されるようになっています。遅読は、読書に時間をかけることで、深く理解し、考える時間を持つことができるというメリットがあります。また、遅読が苦手な人でも、繰り返し読むことで理解を深めることができます。
遅読のメリットは捨て難い
他の人よりも本や文章を読むことが遅いという自覚があり、速読をマスターしようとする人もいます。
一般的に良いとするイメージが少ない遅読ですが、実は捨てがたいメリットがあるのです。
遅読の最大のメリットは、深く理解し、考える時間を持つことができることです。遅読は、文章の細かいニュアンスや、複雑な構造を見逃さずに読むことができます。
また、繰り返し読むことで、理解を深めることができます。遅読は、長文書類や技術書などの専門的な文章を読む場合にも役立ちます。
例えば、速読や通読でざっと目を通し、重要な部分や著者の魂がこもっている部分は、熟読していくことで、よい遅読になります。クリティカルに疑問を持ちながら読むと、さらに理解が深くなります。
遅読のデメリット
一方、遅読にはデメリットもあります。情報収集の速度が求められる現代では、遅読は不利になることがあります。
例えば、仕事で大量の情報を扱う場合、遅読のスタイルでは仕事の効率が悪くなることがあります。また、遅読に慣れていると、読書量が減少することがあります。
さらに、遅読が苦手な人は、繰り返し読むことで理解を深めることができますが、時間がかかるため、ストレスを感じることがあります。
遅読家とはどんな人
遅読家とは、読書スピードが遅い人のことを指します。
遅読家は、速読家のように、短時間で多くの本を読むことができません。しかし、前述したように速読家にはできないメリットがあります。
例えば、遅読家は、本の内容をじっくりと理解することができます。そして本の内容をより深く味わうことができます。さらに、遅読家は、本を読むことに楽しさを見出すことができます。
遅読家は、以下のような特徴があります。
- 本を読むのが好きな人
- 本の内容をじっくりと理解したい人
- 本を読むことに集中するのが苦手な人
- 本を読むことに楽しさを見出すことができる人
- 読書のスピードが遅くても気にしない人
遅読家は、読書のスピードが遅いことを気にする必要はありません。早く本や文章を読むことを必要とする一定の場面を除いては、むしろ遅読家のメリットを活かして、読書を楽しむことは有益です。
遅読の原因は何?
遅読になる原因は何かと考えますと、最も多いケースでは、むやみに熟読をしてしまうことです。
初めて読む本を全編熟読してしまうから
熟読すること自体悪いことではないのですが、例えば初めて読む本に対して、最初から最後まで丁寧に熟読していくということは、ロスが多い読み方をしている可能性があります。本の内容の流れには、著者がより強く伝えたいことなど、部分によって強弱があります。
ですので、目次や見出しを参考にしながら、一度軽く目を通して、その後で重要な部分にこそ熟読時間を当てていくと、むやみに遅読になることは防げます。
頭の中での音読の癖が止められない
子供の頃に音読から本を読むことを覚え始めて、小学4年くらいになると、音読することから黙読へと移行していきます。ただ、この時に、音読の癖を残したまま、口では発音しないものの、頭の中で音読しているのです。
その結果、遅読になってしまいます。このケースの方は実際かなり多いですし、本人にしか分からない状況があります。
頭の中での音読をなんとか止められると、それだけでも文字の読み方は脳で音読するよりもスムーズになります。例えば、頭の中で、「あー」などと音を発しながら、読む方法も効果があります。
遅読を克服する方法
遅読を克服する方法としては、まずは読書量を増やすことが大切です。
短い文章から始めて、徐々に長い文章に挑戦していくことで、読書スピードを上げることができます。例えば、小説、雑誌、新聞など、自分の興味のあるジャンルから選んで読むことがおすすめです。
また、読書中に指で文章をなぞることで、スピードを上げることができますが、それだけではなく、文章の構造や表現方法にも気づくことができます。さらに、読書中に音読することで、読解力を養うことができます。自分が読んだ文章を声に出して復唱することで、文章の内容をより深く理解することができます。
遅読は、繰り返し読むことで理解を深めることができますが、理解を深めるためのメモを取ることも大切です。自分の言葉でまとめたり、重要なポイントを書き出したりすることで、自分自身の思考を整理することができます。
また、メモを取ることで、後から復習することができ、より深い理解を得ることができます。さらに、他の人と話すことで、自分の理解力をチェックすることもできます。遅読を克服するためには、時間をかけてじっくりと取り組むことが大切です。
遅読の本のおすすめ
遅読に関する本をおすすめします。これらの本は、遅読の原因や克服方法について解説しています。また、読書の楽しさやメリットについても書かれています。遅読に悩んでいる方は、ぜひこれらの本を読んでみてください。
遅読家のための読書術
「遅読家のための読書術」は、印南敦史さんが著書した本です。この本では、遅読の原因や克服方法について解説されています。また、読書の楽しさやメリットについても書かれています。
遅読のすすめ
遅読のすすめは、山村修著のエッセイ集です。2002年に初版が出版され、2011年に文庫化されました。本書では、速読や多読が主流となっている現代社会において、ゆっくりと読書を楽しむことの大切さについて論じられています。過去に読んだ本を読み返して、3度目の読書で、見落としていた一文に気づいたと記しています。
まとめ
遅読は、深く理解し、考える時間を持つことができるというメリットがありますが、情報収集の速度が求められる現代では、デメリットになることもあります。
しかし、遅読を克服する方法を身につけることで、遅読のデメリットを解消し、遅読のメリットを最大限に活かすことができます。是非、遅読に苦手意識を持っている方は、本記事で紹介した方法を試してみてください。
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