理解力について解説します。
物事を理解するとき、私達は具体的には何をしているのでしょう。どうした時に「わかった」といっていますか。
もし会社の上司や先輩に「理解力がないね」と言われた経験はありませんか。なかなかつらい体験です。
何度もしたくない経験ですね。
理解力について深堀りし解説します。
理解力とは?ないとしたらどうすればいい
理解したとか、理解力とは、具体的に何をすることなのか。
辞書に書かれている意味は、分かるようでわかりにくく感じます。
理解力とは?
「理解力」を辞書で引くと、ほとんどの場合、「物事の道理・道筋を把握し正しく判断できる力」などという表現で説明されています。あるいは「人の気持ちや立場がわかる能力」とあります。
なんとなくは分かります。では具体的に私達は何かを理解するときに、何をしているのでしょう。
私達は、文章を読んだり何かを聞いたり触ったりなど、五感を使って観察をします。そして何かについて考えている時に、「分かった」と言います。つまり「理解した」ということです。
この観察を始めてから「分かる」までの間に、何をしているのでしょう。
実は自分の記憶のデータと照合し比較しているのです。そして記憶のデータと異なる部分を想像力を使って推定補足をし、判断しています。そして判断できた時に、「分かった」となるのです。
ですので記憶のデータがない物事に対応したときは、「わからない」「知らない」となります。
理解力がない人がしてしまうこと
問題なのは、対応した物事に対しての記憶のデータはあるが、判断できるだけのデータが不足しているときです。普通の状態であれば、記憶のデータで不足している部分を調べます。判断できる材料を用意するのです。
しかし理解力がない人がしてしまうことは、データ不足の状態なのに、判断してしまうことです。形が違うデータは元々想像力をある程度使って推定補足をします。しかし理解力がない人は、この部分が推定できる状態まで揃っていないデータが欠落している状態であっても、推定し判断してしまいます。つまり調べることをせずに、記憶のデータだけで、判断を作り上げてしまいます。
結果、全く間違えた判断をしてしまうことになります。
理解力がないとしたら何が困る
理解力がないことで具体的に何が起きてしまうでしょう。
怖いのは、データ不足で判断できる状態ではないのに、当人は「分かった」と思っていることです。
会社員の場合なら、上司に指示された業務を行っているつもりでいるが、実際には別のことをしている。会議で決めた内容を実行しないで他のことをしてしまう。同じ失敗を何度でも繰り返す。
実は、理解力がない状態で社会人の仕事をするのは、かなりリスクが有ることなのです。
実際には、この状況に社外の人が関係してきます。顧客であったり、取引先担当が関係してきた時に、トラブルやクレームに発展する可能性が大きいです。
理解力がないとしたらどうすればいい
自分の理解が足りてないと気づいたとき、つまり記憶のデータでは不足していると気づいた時に、不足しているデータについて調べればよいのです。ただ、ゆっくり調べている暇はないはずです。必死に大至急調べるのです。
実際に不足していると分かっている時に調べる作業は、切迫している状態で必死に調べることになります。実は人の記憶は短期記憶と長期記憶に分かれており、普通の状態で読んだ本や文章の記憶は、数分から数10分でかなりの部分忘れていくことが分かっています。20分で4割忘れ、翌日までに7割忘れることが分かっています。これを短期記憶といいます。
対して長期記憶は、何度も繰り返し入力された記憶や、生命維持に関係する情報が記憶されます。また感情を伴ってインプットされた記憶も長期記憶として保存されるらしいことが分かっており、追い込まれた場面で必死に調べた記憶は、長期記憶に残る可能性があります。
こうして必死に調べた記憶は、自分の記憶のデータとして残りやすくなり、理解力がない状態から脱することができるようになります。
ただ記憶のデータが欠落した状態で判断することが習慣化してしまっている場合は、危険です。データ欠落状態を習慣的にスルーしている人は、データ不足に気づかずに判断してしまう可能性があります。
そうなる前に、理解力がないことは薄々実感しているはずですので、体験を増やすことです。記憶のデータは体験だからです。但し、実体験以外に、追体験と疑似体験もデータとして記憶されます。そのために最適な方法が読書です。
そもそも記憶のデータ不足は本を読んでないので、追体験していないことが原因だからです。
まとめ
理解するとは、記憶のデータと照合と比較をして判断する作業を瞬時にすることです。
ですから過去に経験があることは「わかった」となるのです。但し読書から追体験したことも自分の体験のように記憶されています。実際の経験もないし読書で追体験・疑似体験もしたことがない物事は、知らないこと・わからないことになるのです。
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