ある日「理解力が低いんじゃないの」と言われることがあるかもしれません。
かなりショックを受けるかもしれませんが、実際には理解力が低い人は、かなり多いはずです。筆者が経験の中では、新しいプロジェクトを始める前にチーム員に、理解度確認試験(プロジェクトに関する知識力を高めるために実施)を繰り返し行い、知識を高めていました。
分からないことがあっても、本当に理解力がない人や低い人は、質問して教えてもらおうとしません。どの部分を質問すればいいのか理解や整理ができていないからです。
なお、当記事で紹介する理解力がない人たちは、普通に4年制の大学を卒業している学歴を持っている人たちの実例をもとにしています。病気によって理解力が低いという方々のケースは含んでいません。
理解力が低い人は成果を出せないだけでなくトラブルにも発展する
当記事では、理解力が低いとどうなるのかを実例をもとにして、解説をしています。
理解力はかなり意味が幅広い能力です。本や文章力を読んで内容を理解する能力は「読解力」といいます。読解力は理解力の一部です。文章についての理解力といえば読解力となります。
読解力は相手の存在が関係しています。ですので、文章を書いた相手が何を言わんとしているのか理解する能力も読解力の範疇(はんちゅう)とみなされます。
対して理解力とは、物事の道理や仕組みを把握していて正しく判断できる能力のことです。ですので、理解力が示す範囲はとても広いことになります。
理解力が低いことが原因となって何が起きるのか?
理解力が低い人と、理解力がない人は、似てはいても実は違います。理解力がない人は、早い段階で相手に理解力がない人だと伝わります。相手は何かことが起きる前に対処や注意ができます。
しかし理解力が低い人は通常のコミュニケーションでは分かりにくい分だけ、厄介とも言えます。理解力が低い人は理解力がないわけではないからです。理解力が低いために間違えて理解してしまうのです。
結果として、仕事上のトラブルやクレームに発展しやすいのは、理解力がないケースではなく、理解力が低いケースなのです。
理解力が低い人は、プライドが高く自己評価が高いため、相手が誰であろうと、言われたことを受け入れることができません。自分自身が気づいて受け入れることをしない限り、改善される可能性は低いです。
もし自分自身が、仕事で成果を出せない・ミスが続く・トラブルやクレームがあるのであれば、自分自身が理解力が低い可能性があります。
下記の「理解力が低いことが原因となって起きること」や後述する「理解力が低い人の特徴と原因」に、思い当たることがあるなら、自分の理解力が低いという状況を改善した方が良いです。
改善しない限り、仕事がうまくいかない・成果がなかなか出ない・ミスが続く・トラブルやクレームが起きる状況は、これからも続くことになります。
1)上司が指示したこと・会議で決めたことを実行しない
2)指示を受けたこと以外は、関連する出来事が真横で起きても関心を持たないし対応しない
3)独断で仕事内容を改造してしまう。指示や合意して決めたことと違う仕事をしてることを理解しない
4)トラブルが発生していてもクレームにならない限り会社に報告しない
理解力が低いとされる本人は、内面には様々な思いがあると思われます。しかし実際に起きていることを紹介すると、代表的状況は上記のようになります。
実は筆者の40年の体験の中には、有名国立大学卒業のキャリアを持つ人で、理解力がない人が、複数人の記憶があります。日本の大学入試が知識の確認試験であることの弊害です。思考したり判断したりする能力は磨かれていませんでした。
理解力が低い人は上司の指示や会議で決めたことを実行しない
上司の指示や会議で決めたことを実行しないことがあります。意図的に反発をしているとは考えられません。しかし毎日のように行動管理をするをしないと、決めたことではない行動を思いつきで始めてしまいます。その結果、行動計画は毎週同じような目標設定をすることになります。
理解力が低い人は真横で関連することが起きていても関心を持たない
先の説明と矛盾するようですが、会議で決めた後に強く影響することが発生した場合、計画の見直しを行う必要があります。しかし、理解力が低い人は、全く関心を示さず、行動します。
理解力が低い人は仕事内容を自分で改造してしまう
行動計画をきちんと実行した上で検証し、計画の途中変更を行うことはあり得ます。しかし、行動計画をほんの数日だけ実行しただけで、仕事内容の変更をしてしまいます。まるで思い付きのように仕事のやり方を変えていきます。
しかも前の計画を合意した相手(課長や部長など)への報告相談もなく変えてしまいます。
理解力が低いとエンドユーザーとトラブルが発生していても上司に報告しない
営業という仕事は、ある意味で顧客に会うときは会社を代表して面談しているようなものです。営業の不手際によって、顧客からお叱りを受けることもあり得ます。会社の代表として面談しているのですから、顧客とトラブルになった場合、個人の問題ではなく会社の問題です。説明しても理解できません。
理解力が低い人の特徴と原因
前述したとおり、理解力が低い人は理解力がないわけではありません。むしろ理解力がない人であれば、関係する人は最初から注意して対応できます。しかし理解力が低い人の場合、バランスが悪いのです。
ですので理解力がない人よりも、理解力が低い人の方がリスキーとも言えます。あるいは自分自身に思い当たる部分があるなら要注意です。
理解力が低い人の特徴
理解力が低い人は、一見しただけではわかりません。次のような人が身近にいる場合、また自分自身に対して注意が必要です。また傾向的に、有名大学の出身者には理解力が低い人は少なくありません。記憶力と思考力・想像力・理解力は別のようです。
1)思い込み・先入観が強く相手の話を途中までしか聞いていない
2)単純作業はできるが複合的な仕事はできない
3)理解したフリをする。実は理解してないのに自分からわからないと言わない
4)何度でも同じ失敗を繰り返すので管理者は疲弊する
思い込み・先入観が強く、相手の話は途中までし聞いていない
上司や顧客からの話を聞いている場面で、理解力が低い人は、自分が次になんと言おうかを考えています。相手の話がまだ終わっていないのに、思い込みや先入観から、考えてしまいます。その結果、次に発する言葉は「的外れ」なものになり、相手からは「人の話を聞いてない人」だと思われます。
単純作業はできるが複合的な仕事はできない
二つの仕事を組み合わせたり、前回うまくいった事例などを組み合わせるなど、複合的な作業や応用する仕事ができません。彼(彼女)にとっては、以前に行った仕事からヒントを学び、今回の仕事に活かすという応用ができないのです。また、本を読んで知識を持っていても、実務に活用することも苦手です。単な知識として記憶しています。困ったことに、学校の試験のような記憶力のテストは高得点が取れますが、想像力・思考力についてはかなり低い状態にあります。
理解してないと言わない
プライドが高く、自己評価も高いためと思われるが、理解したふりをします。あるいは理解したつもりになっているのかもしれません。一つの理解が単独のものとして保存されている傾向があります。関連づけたり深めて思考することができません。結果、理解してないのに、理解したつもりになっている可能性があります。
失敗から学ぶことができないので何度でも失敗します
毎回同じ失敗を繰り返します。管理者は疲弊してしまいます。当人は、また失敗してしまったという感覚かもしれませんが、リーダーや管理職何度の管理者は疲弊します。この状態が続くと、理解力が低い人から、理解力がない人に移行されます。
理解力が低い原因
理解力が低い人になってしまっている原因として考えられるのは、以下のとおりです。
1)プライドが高いが向上心は低く努力は好きじゃない
2)自己評価が高く根拠のない自信がある
3)仕事に対する好奇心がなく想像力・思考力が浅い
管理者として経験から、理解力が低い人について原因を考えると、上記の点にあると考えられます。
プライドが高いのは、有名大学出身も関係しているのかもしれません。相手の話を正確に聞き取る前に、自分の先入観で物事を考えてしまう傾向が強いです。
自己評価が高いことも関連していると思われます。客観的に説明ができない根拠のない自信も持っています。
これらの原因は自分の中にあることです。自ら気がついて改善しない限り、変われません。これまでに上司や先輩からもアドバイスをされた経験があるかもしれませんが、プライドや自己評価によって、受け入れることができないでいます。
その結果、仕事は上手くいきませんので、高い評価を受けることもできません。
もし心当たりがあるのなら、当記事で紹介した真逆の方向へと改善されると良いです。
理解力が低い人は相手をイライラさせる
理解力がない人なんだと、認識すれば、イライラするような気持ちにはならないと思われます。
しかし理解力が低い人の場合、普通にコミュニケーションが取れることが多いので、理解力が低い人なのだと認識されにくいかもしれません。その結果、理解していると思っていたことを実は理解していないことがわかり、さらに先入観や思い込みによって的外れな言動をとってしまわれると、相手はとてもイライラしてしまいます。
会議やミーティングで上司や先輩がイライラしてる時は、あなたの理解力が相手をイラつかせているのかもしれません。
こういう現象は、大人同士でも起きますし、親子関係や新人と上司先輩との関係など、そこらじゅうに起こる可能性があります。
また自分がイライラしている側の立場なら、相手に対する理解力を期待しないことです。相手が大人であろうと、親であろうと、新人社員であろうと、話してわかる相手ではありません。相手の理解力を期待するからイライラしてしまうのです。
理解力が低いのは病気や発達障害の場合もある
現実には、理解力が低いと思われるのは病気や発達障害の場合もありえます。多くの場合、人の話がすぐに理解できないといいます。短い言葉や文章は理解できるが、相手の話が1分2分となると、何を言っているのかが理解できないというケースがあります。その場合でも単語ごとの意味は理解できているといいます。
ASD(自閉スペクトラム症)などの障害の場合は、言葉以外の情報(相手の表情や視線や身振りなど)から相手の考えを感じ取ったり、自分の考えを伝えたりするのが苦手と言われます。現実の人間関係では言葉以外の情報で、相手に信号を発しているという場面があります。そういうケースでは、言葉にしてくれないと理解できないということもおきます。
また病気や障害ではないですが、IQが高い人の中には、相手の話が最初は理解できないが、場数を踏むことで理解できるようになるというケースもあります。
まとめ
理解力が低いことが原因となってさまざまなトラブルが発生します。
理解力がない人は、新卒者に限りません。また学歴も有名大学だったりします。一口で解説すると、学歴は仕事には関係なく、社会人になってからも読書を続けている人の方が、理解力が高いです。
また理解力は後天的能力です。つまり意識を持って練習したりなどの努力によって高められるものです。
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