論文の引用:文中での正しい書き方

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論文を書く際、他の研究者の言葉や考えを引用することは重要ですが、正しい引用の書き方を知らないと盗作と見なされる可能性があります。この記事では、小学高学年でも理解できるように、論文の文中で引用を正しく書く方法を説明します。インターネット上の資料の引用方法についても触れ、具体的な例を用いて分かりやすく解説します。正しい引用の書き方を身につけることで、説得力のある論文を書くことができるでしょう。

目次

論文の文中で引用する書き方の基本ルール

論文を書く際、他の研究者の言葉や考えを引用することは、自分の主張を裏付けるために重要です。しかし、正しい引用の書き方を守らないと、盗作とみなされる可能性があります。では、論文の文中で引用を正しく書くための基本ルールを見ていきましょう。

1. 引用する文章は必ず引用符(「」)で囲む

引用する文章は、必ず引用符(「」)で囲むことが大切です。これにより、自分の言葉と引用した言葉を明確に区別することができます。

例えば、次のように書きます。

「環境問題は、今や世界的な課題となっている」(鈴木, 2020, p.25)と指摘されているように、環境問題への取り組みは急務である。

2. 引用した文章の後に、著者名、発行年、ページ数を記載する

引用した文章の後には、誰が書いたのか(著者名)、いつ書かれたのか(発行年)、どこに書かれているのか(ページ数)を記載します。これを「引用元の情報」といいます。

引用元の情報は、次のように記載します。

(著者名, 発行年, ページ数)

具体的には、先ほどの例で示したように、

(鈴木, 2020, p.25)

と書きます。

3. 引用が長い場合は、本文とは別にインデントを設けて引用文を記載する

引用する文章が長い場合(通常は3行以上)は、本文とは別にインデントを設けて引用文を記載します。インデントとは、本文よりも右側に字下げすることを指します。

例えば、次のように書きます。

佐藤(2019)は、次のように述べている。

 グローバル化が進む現代社会において、異文化理解は欠かせないスキルである。異なる文化背景を持つ人々と協力し、問題を解決していくことが求められている。そのためには、自分とは異なる価値観を尊重し、柔軟に受け入れる姿勢が必要不可欠である。(p.102)

このように、引用文の前後に空行を入れ、引用文全体を字下げすることで、本文と引用文を視覚的に区別することができます。

以上が、論文の文中で引用を正しく書くための基本ルールです。これらのルールを守ることで、自分の言葉と引用した言葉を明確に区別し、盗作を避けることができます。また、引用元の情報を正確に記載することで、読者が原典を確認しやすくなります。

引用の基本ルールをサッカーのルールに例えると、引用符を使うことはボールを蹴るときにゴールに向かってシュートすることに似ています。ゴールに向かってシュートしなければ得点にならないように、引用符を使わないと引用した言葉が自分の言葉と区別できなくなってしまうのです。

インターネット上の資料を論文の文中で引用する書き方

論文を書く際、インターネット上の資料を引用することがあります。ウェブサイトや電子書籍など、オンライン上で入手できる情報は多岐にわたります。しかし、インターネット上の資料を引用する際には、注意すべき点がいくつかあります。ここでは、インターネット上の資料を論文の文中で正しく引用する方法を説明します。

1. URLとアクセス日時を記載する

インターネット上の資料を引用する際は、URLとアクセス日時を記載することが重要です。URLを記載することで、読者がその資料を確認できるようになります。また、インターネット上の情報は更新されることがあるため、いつその情報にアクセスしたのかを明記する必要があります。

引用元の情報は、次のように記載します。

(著者名, 発行年, URL, アクセス日)

具体的には、次のように書きます。

「SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です」(外務省, n.d., https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html, 2023年4月1日アクセス)。

2. 著者名や発行年が不明な場合は、サイト名を記載する

インターネット上の資料では、著者名や発行年が明記されていないことがあります。その場合は、サイト名を記載します。

例えば、次のように書きます。

「地球温暖化は、私たちの生活に大きな影響を及ぼします」(国立環境研究所, n.d., https://www.nies.go.jp/whatsnew/2020/20200214/20200214.html, 2023年4月1日アクセス)。

3. 引用の基本ルールを守る

インターネット上の資料を引用する際も、引用の基本ルールを守ることが大切です。つまり、引用する文章は引用符(「」)で囲み、引用が長い場合は本文とは別にインデントを設けて記載します。

例えば、次のように書きます。

国土交通省(2021)は、次のように述べている。

 我が国は、地震、津波、火山噴火、台風、洪水、土砂災害等の自然災害が発生しやすい国土となっており、さらに、気候変動に伴う水災害の激甚化・頻発化等が懸念されている。このため、社会全体で災害リスクを低減させる防災・減災対策とともに、災害発生後の迅速な復旧・復興を可能とする国土強靱化を進めることにより、国民の生命と財産を守り、社会の重要な機能を維持することが重要である。(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001407631.pdf, 2023年4月1日アクセス)

インターネット上の資料を引用することを、図書館で本を借りることに例えると、URLを記載することは本の背表紙に書かれた請求記号を控えることに似ています。請求記号を控えておけば、後で同じ本を探し出すことができるように、URLを記載しておけば、後でその情報を確認することができるのです。

以上が、インターネット上の資料を論文の文中で引用する方法です。URLとアクセス日時を記載し、著者名や発行年が不明な場合はサイト名を記載します。そして、引用の基本ルールを守ることを忘れずに。正しい引用方法を身につけて、説得力のある論文を書きましょう。

具体的な論文の文中での引用の例

論文の文中で引用を正しく書くことは、研究の信頼性を高め、盗作を避けるために重要です。ここでは、具体的な論文の文中での引用の例を見ていきましょう。

1. 短い引用の例

短い引用は、引用符(「」)で囲み、引用元の情報を括弧内に記載します。

例えば、次のように書きます。

「環境問題は、今や世界的な課題となっている」(鈴木, 2020, p.25)と指摘されているように、環境問題への取り組みは急務である。

この例では、鈴木(2020)の文章を引用し、環境問題が世界的な課題であることを示しています。引用元の情報は、著者名(鈴木)、発行年(2020)、ページ数(p.25)を括弧内に記載しています。

2. 長い引用の例

長い引用は、本文とは別にインデントを設けて引用文を記載します。

例えば、次のように書きます。

佐藤(2019)は、次のように述べている。

 グローバル化が進む現代社会において、異文化理解は欠かせないスキルである。異なる文化背景を持つ人々と協力し、問題を解決していくことが求められている。そのためには、自分とは異なる価値観を尊重し、柔軟に受け入れる姿勢が必要不可欠である。(p.102)

この見解は、多文化共生社会の実現に向けた重要な指針であると言えよう。

この例では、佐藤(2019)の文章を長く引用しています。引用文の前後に空行を入れ、引用文全体を字下げすることで、本文と引用文を視覚的に区別しています。引用元の情報は、引用文の最後に括弧内に記載しています。

3. インターネット上の資料の引用例

インターネット上の資料を引用する際は、URLとアクセス日時を記載します。

例えば、次のように書きます。

「SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です」(外務省, n.d., https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html, 2023年4月1日アクセス)。

この例では、外務省のウェブサイトから情報を引用しています。引用元の情報は、著者名(外務省)、発行年(n.d.)、URL(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html)、アクセス日(2023年4月1日)を括弧内に記載しています。発行年が不明な場合は、n.d.(no date)と記載します。

引用の例を、料理のレシピに例えると、短い引用は小さじ1杯の塩を加えることに似ています。料理に塩を加えることで味が引き立つように、短い引用を適切に使うことで自分の主張を裏付けることができるのです。一方、長い引用は、具材をたっぷり入れたシチューのようなものです。具材をたくさん入れることでシチューが豊かな味わいになるように、長い引用を適切に使うことで自分の論文に深みを持たせることができるのです。

以上が、具体的な論文の文中での引用の例です。短い引用、長い引用、インターネット上の資料の引用など、引用のパターンに応じて正しい書き方を身につけましょう。そして、引用を適切に使って、説得力のある論文を書いてください。

まとめ

論文の文中で引用を正しく書くことは、研究の信頼性を高め、盗作を避けるために重要です。引用符の使用、出典の明記、長い引用の処理など、基本ルールを踏まえて引用を行いましょう。インターネット上の資料を引用する際は、URLとアクセス日時を記載することを忘れないでください。

また、短い引用と長い引用の使い分け、引用元の情報の記載方法など、具体的な引用の例を参考にして、適切な引用を心がけましょう。正しい引用の書き方を身につけることで、自分の主張を説得力のあるものにし、論文の質を高めることができます。引用は論文を書く上で欠かせない要素です。ルールを守って、効果的に引用を使いこなし、自分の研究を発展させていってください。

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