音読には脳を刺激する効果があることがわかっています。
特に前頭葉を刺激します。子供の時のように声に出して本を読むことは、大人にとって、読書をして内容を理解し味わうこと以外にも、効果のある読み方なのです。
そして、音読を高速で行うことによって、音読でも得られていた効果をさらに強めることができるのです。
高速音読の脳を刺激する効果がすごい
人の肉体は、男女共に10代でピークを迎えます。
しかし、脳についてのピークはずっと先です。例えば、集中力については、43歳がピークとされ、語彙力については67歳がピークとされています。
それまで、刺激を続けることで鍛えられ成長していくと考えられています。特に脳の前頭葉は、脳の司令塔にあたる部分であり、さまざまな行動をコントロールする部分です。
ただ、肉体もそうであるように、刺激を与えなければ機能は低下していく可能性があります。脳の集中力や語彙力のピークが40代・60代にあっても、刺激を与え鍛えることで、成長するのです。
音読を高速音読にすることで、さらに脳を鍛えられる効果が期待できるのです。
高速音読で得られる具体的効果
高速音読については、脳科学の川島教授の言葉が参考になります。
・できるだけ速く読むトレーニングには効果がある
・速く読むことで頭の回転速度が上がる
・記憶力のトレーニングにもなる
また、認知科学(機能脳科学)の苫米地英人氏の言葉にも次のような言葉があります。
速く読むことことは早く理解するということ
さらに、先の川島教授の言葉が続きます。
記憶力が良くなるばかりではなく(中略)実際にMRIで調べると脳の前頭前野の両側の体積が増えていることが証明されている
以上のように、高速で読むことは、頭の回転が良くなることや脳に良い効果があると考えて良いのではないでしょうか。
そして、具体的に現れてくるとされる効果には次のようなことがあります。
・伝えたい言葉がすっと出てきやすくなる。
・話に詰まったりすることがなくなる。
・語彙力がパワーアップする。自分が自在に使えることが増える。
・滑舌が良くなる。舌も含めて口の周りの筋肉の動きが良くなる。
・判断力や記憶力・集中力が向上したことを実感する。頭の回転が速くなる。
高速音読で得られる2次的効果
高速音読で得られる具体的な効果を1次的効果とするなら、1次的効果が2次的効果を起こし生活が変化する可能性があります。
1)仕事で成果が上がる
2)人とのコミュニケーションがしやすくなる
3)読書スピードが上がる
仕事で成果が上がる
1次的効果が出てくると仕事に大きな影響が出てきます。高速音読で脳が鍛えられていますので、語彙力+判断力+記憶力+集中力が上がっているのです。仕事の能力全般がパワーアップしているのですから、仕事の成果は当然上がります。特に明白なのは「話す」事に関係する職種の人全てです。滑舌が良くなっていますので、相手に伝えたいことが伝わりやすくなっています。
またビジネスマン全般や管理職のひとにも、判断力と記憶力・集中力の能力がパワーアップした成果は現れます。高速音読によって、脳は活性化して前頭葉を中心に血流が良くなります。
人とのコミュニケーションがしやすくなる
人とのコミュニケーションが苦手になっている方は、過去に声が小さい・滑舌が不明瞭等で、たびたび聞き返されたりしたことがトラウマとなっていることがあります。話をしようという意志があっても、トラウマによって、話すことをしなくなります。口周辺の筋肉の動きも低下してしまい更に滑舌は悪くなっています。
しかし高速音読で話すことを鍛えてる状態になり、口周辺の筋肉の動きが良くなります。「発声することが日常化」することで、声を出すことが普通の状態になっていきます。つまり、人と話すことのトラウマの原因が解消されコミュニケーションがしやすくなるということになります。
読書スピードが上がる
速読や瞬読というように速く読む技術が世の中にあります。当記事で触れている読書スピードが上がることはそれらの方法とは別のことです。速読や瞬読では頭の中で、音読していることが読書スピードを遅くしていると説明しています。
ですので、当記事で説明している「高速音読で読書スピードが上がる」というのは、肉体を鍛えて速く走れるようになるということに近いものです。口周辺の筋肉が鍛えられ、頭の回転が速くなることで、読書スピードが早くなるということです。読書スピードが速くなれば、同じ時間内で読める本の数が増えます。勉強量が増えることになります。
高速音読の簡単なやり方
高速音読に似ている読み方に、「速読」があります。また、超速読や瞬読などという読書スピードを競うような言葉が多く氾濫している感があります。
しかし、高速音読は、単純に「できるだけ早く音読をする」という方法のため、誰でも簡単にやり始めることができます。
また、高速音読の1番の目的は、「脳を刺激する・鍛える」ことにあります。ですので、あまり早く読むと、脳の理解がついていけない、と感じる人もいるかもしれませんが、気にせずできるだけ早く読む練習を繰り返してください。
音読と素読
いきなり、素読(そどく)とはなんだろうと、と思われた方もいるかもしれません。
音読は、声に出して本を読むことです。音読をしているときは同時に理解をしながら読んでいるのです。一般的にはそうですね。
実は、素読は、理解している・していないに関係なく、ただ声に出して読むことを言います。文章の意味や言葉の意味がもしかすると、わからないものがあるかもしれませんが、ただただ声に出して読むのです。
実は、前述の脳科学の川島教授は、速く読むことについて、速く素読をすることで、脳の回転が上がったことがわかったとしているのです。
高速に音読を実践する
そもそも高速音読の目的は、理解を深めて文章を味わうことではなく、脳を刺激することでした。
ですので、高速音読であろうと、高速素読であろうと、声に出してとにかく速く読むことを実践するのです。そうすれば、脳の前頭葉が刺激され、繰り返していけば脳の前頭葉の体積は大きくなり、脳の回転が速くなり、記憶力や集中力が増していくのです。
高速音読の結果は仕事にも
顧客や取引先との交渉ごとが多いという人には当然ですし、事務方の仕事がメインという方であっても、高速音読はおすすめです。
高速音読の目的は脳を鍛えることです。
しかし、結果的には、前述の通り、言葉を発することやコミュニケーションに関して改善されます。
舌や口の周りの動作がスムーズになり、言葉に詰まらず、次々と発することができるようになります。思考や判断がスピードアップされ、判断ミスも減ります。
高速音読の時間は最初は15分ほどから|半年は続けてみて
高速音読の効果を体感できるようになるまでの期間は、個人差があります。最初の慣れないうちは毎日15分ほどからスタートしてください。そして、効果を体感するのには、少なくも3ヶ月は続けてください。(トレーニングですので、毎日行う方が効果的です。)
概ね高速音読の練習を始めて半年後くらいには、変化を実感できるほどになっているはずです。
時に、高速音読は「効果がない」とおっしゃる方もいるようです。これは、高速音読の練習をしないでいて効果が無い、という場合があります。
肉体を鍛える運動と同じように考えるべきです。
また、もしかすると、高速音読の効果を勘違いした方向に思われている可能性があります。
高速音読の効果を最大にするには
本の読み方にはいくつもの種類があります。それぞれの読み方は目的が違います。
高速音読は素読と同様に、読書で本を味わうというよりも、読書という方法で「脳を鍛える」ことと「口周辺の筋肉を鍛える」事を行うトレーニング法と考えると良いです。
つまり脳トレの一つです。文字を見て速く読みますので、文字を見る脳の処理速度を高め・声をだすこと・声を聞くことを同時に行う脳トレなのです。
高速音読という脳トレの効果を最大にするためには次のことを意識して続けて下さい。
・できるだけ速く読むこと・・・脳の処理速度をあげるのです
・滑舌を意識して読むこと・・・口周辺の筋肉を筋トレするのです
・本は新しい本じゃない方がいい・・・新しい本は意味が分からない言葉がある可能性があり、読む速度にブレーキになります
・本は難しすぎない方がいい・・・速く読むことに障害にならないためです
まとめ
音読すること自体に脳トレの要素があります。その効果は子供にも大人にもあります。
音読を高速にすることで、更に効果はパワーアップするのです。頭自体が回転する訳ではないのに、「頭の回転が速い」という言葉を使います。脳の処理速度が速くなるのです。
脳の中の神経細胞の繋がり(ニューロンやシナプスなど)が、本を読む事で増え、何度も繰り返し、速く読んでいくことで、神経細胞の繋がりが太くなります。繋がりが太くなると伝達速度が速くなり、それら一連の事を頭の回転が速くなるといっているのです。
高速音読は、誰でも今すぐに出来る脳トレです。おすすめです。
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