読書が脳に与える効果とは?認知機能との関係を解説

読書 脳

「読書には脳を活性化する効果がある?」「本を読むと脳の血流や認知機能は変化する?」と疑問に思っていませんか。

文章を読むときには、文字の認識、言葉の意味、文脈、記憶などを処理するため、複数の脳領域が働きます。ただし、読書中に脳活動が起こることと、読書だけで頭の回転や記憶力が必ず向上することは同じではありません。

読書習慣と認知機能との関連を示す研究はありますが、効果は年齢、読む内容、読み方、生活習慣などによって異なる可能性があります。

この記事では、読書中に脳で起こること、記憶・集中・認知機能との関係、効果的な読み方、紙と電子書籍の違いを解説します。

目次

読書をすると脳では何が起こる?

読書では、文字を見るだけでなく、言葉の音や意味を捉え、前後の文章をつなぎ合わせながら内容を理解します。

そのため、読書中には視覚処理、言語処理、意味の理解、注意、記憶などに関わる複数の脳領域が活動します。

ただし、「脳が活動する」という表現は、その作業を行うために脳が働いているという意味です。活動が確認されたことだけで、脳の能力が恒常的に上がったとは判断できません。

また、読む内容や難易度、音読か黙読か、読み手の習熟度などによっても、脳活動の状態は異なります。

読書で脳の血流は増える?

読書や音読をしているときには、言語処理などに使われる脳領域の活動に伴い、局所的な血流の変化が観察されることがあります。

fMRIや近赤外分光法などは、神経活動に伴って起こる血流や血中酸素の変化を手がかりに、脳の活動を調べる方法です。

ただし、血流が増えたことだけで、記憶力、判断力、仕事の能力などが向上したとはいえません。

また、読書で前頭葉の体積が必ず増える、読書量に比例して脳が発達するという結論も、一般化できるものではありません。

高速音読の脳を刺激する効果がすごいについて、高速音読が参考になります。

読書に期待される脳・認知面の効果

語彙や文章理解の経験を増やせる

読書では、さまざまな言葉、表現、文章構造に触れます。

わからない言葉を調べ、文脈の中で意味を確かめながら読むことで、語彙や文章理解の経験を増やせます。

ただし、本を眺めるだけで自動的に語彙力が上がるわけではありません。内容を理解しながら読むことが重要です。

注意を向け続ける練習になる

本を読むには、一定時間文章へ注意を向け、前の内容を保ちながら次の文を理解する必要があります。

そのため、読書は注意を持続させながら情報を処理する活動の一つといえます。

ただし、読書をすれば集中力が必ず高くなるとは限らず、睡眠や体調、読書環境なども影響します。

知識や考え方の選択肢を増やせる

読書を通じて、直接経験していない出来事、考え方、専門知識などに触れられます。

新しい情報を既存の知識と結びつけることで、物事を考える材料を増やせます。

高齢期の認知機能と関連する可能性がある

読書などの知的活動を続ける人は、認知機能低下のリスクが低い傾向を示した観察研究があります。

ただし、読書をする人は教育歴、運動、社会参加、健康状態なども異なる可能性があります。

そのため、読書だけで認知症を予防できるとは断定できません。

毎日本を読む効果は脳に良い影響があるについて、毎日と本を読むと効果が参考になります。

読んだ内容を記憶に残しやすくする方法

読む目的を決める

読む前に、「何を知りたいのか」「どの情報を覚えておきたいのか」を決めます。

目的が明確になると、重要な部分へ注意を向けやすくなります。

内容を短く要約する

一つの章や節を読んだら、要点を自分の言葉で短くまとめます。

原文をそのまま書き写すのではなく、「何について、何が説明されていたか」を整理しましょう。

本を閉じて思い出す

読み終えた直後に本を閉じ、覚えている内容を思い出します。

思い出せない部分を確認し直すと、理解が不十分だった箇所を見つけやすくなります。

時間を空けて復習する

覚えておきたい内容は、翌日や数日後などに再確認します。

全文を最初から読み直す必要はなく、要点、メモ、重要な箇所を確認する方法もあります。

人に説明するか文章にする

読んだ内容を人に説明したり、感想や要約を書いたりすると、自分が理解できている部分と曖昧な部分を確認できます。

読書をしないと脳機能は低下する?

読書をしないという理由だけで、脳機能が低下するとはいえません。

文章を読む以外にも、仕事、学習、会話、運動、趣味、社会参加など、脳を使う活動は数多くあります。

一方、読書は語彙や知識に触れ、一定時間文章へ注意を向ける活動です。その機会が少なければ、読書によって得られる文章理解や知識獲得の経験も少なくなります。

読書量だけで、知性、集中力、認知症リスクを判断しないことが大切です。

読書は気分転換やリラックスに役立つ?

好きな本を読む時間が、気分転換やリラックスにつながる人もいます。

一方、内容が難しい本や仕事に関係する資料を読むと、負担を感じる場合もあります。

疲れているときは読書を無理に続けず、睡眠、休憩、運動なども含めて、自分に合う休み方を選びましょう。

集中できない、眠れない、強い疲労感が長く続く場合は、読書だけで対処しようとせず、医療機関への相談も検討してください。

紙の本と電子書籍で脳への効果は違う?

紙の本と電子書籍では、ページの位置、操作方法、画面の明るさ、通知の有無などが異なります。

そのため、読みやすさや集中のしやすさに違いを感じることがあります。

紙の本では、ページの位置や厚みを手がかりに内容を覚えやすいと感じる人がいます。一方、電子書籍には、文字の大きさを変えられる、検索できる、持ち運びやすいといった利点があります。

ただし、紙の本なら必ず記憶に残り、電子書籍では脳が十分に働かないということではありません。

読む目的、端末、通知、画面設定、文章の長さなどによって結果は変わります。自分が集中して内容を理解しやすい方法を選びましょう。

脳への効果を期待して読むときの注意点

速く読むことだけを目的にしない

読む速度を上げても、内容を理解できなければ知識として活用しにくくなります。

読む目的に応じて、速く全体を確認する読み方と、丁寧に理解する読み方を使い分けましょう。

難しすぎる本を無理に読まない

わからない言葉や前提知識が多すぎると、内容を理解しにくくなります。

入門書から始める、辞書を使う、必要な章だけ読むなど、負担を調整してください。

読書だけに頼らない

脳や認知機能の健康には、睡眠、運動、食事、社会的な交流、持病の管理なども関係します。

読書をすれば、ほかの生活習慣が不要になるわけではありません。

効果には個人差がある

同じ本を読んでも、興味、知識、年齢、読み方によって得られるものは異なります。

冊数だけを目標にせず、理解できたことや活用できたことを確認しましょう。

よくあるQ&A

読書をすると脳は活性化しますか?

読書中には、文字の認識、言語処理、意味の理解、注意、記憶などに関わる脳領域が働きます。ただし、活動が確認されることと、脳の能力が恒常的に向上することは同じではありません。

読書をすると脳の血流は増えますか?

読書や音読に伴って、使用される脳領域の局所的な血流が変化する場合があります。ただし、血流の増加だけで、記憶力や判断力が向上したとは判断できません。

読書で前頭葉の体積は増えますか?

一般的な読書を続ければ、誰でも前頭葉の体積が増えるとはいえません。個別の訓練研究があっても、対象者、期間、比較条件などを確認する必要があります。

読書で頭の回転は速くなりますか?

読書によって語彙や知識が増え、慣れた内容を理解しやすくなる可能性はあります。ただし、読書だけで全般的な処理速度が上がり、「頭がキレキレになる」とは断定できません。

読書は記憶力を高めますか?

読書しただけですべてを記憶できるわけではありません。要約する、本を閉じて思い出す、時間を空けて復習するなどの方法を組み合わせると、理解した内容を確認しやすくなります。

読書をしないと脳機能が低下しますか?

読書をしないことだけで脳機能が低下するとはいえません。仕事、運動、会話、学習、趣味なども認知的な活動になります。

読書で認知症を予防できますか?

頻繁に読書する人は、認知機能低下のリスクが低い傾向を示した観察研究があります。ただし、読書だけで認知症を予防できるとは断定できません。

紙の本と電子書籍はどちらが脳によいですか?

一律にどちらが脳によいとはいえません。読みやすさ、通知の有無、画面設定、読む目的などによって集中や理解のしやすさが変わります。

まとめ

読書中には、文字の認識、言葉の意味、文章の理解、注意、記憶などに関わる複数の脳領域が働きます。

読書習慣は、語彙や文章理解の経験を増やし、知識や考え方を広げる活動になります。高齢期の読書習慣と認知機能低下リスクの低さとの関連を示した研究もあります。

ただし、脳の血流が変化することだけで、頭の回転、記憶力、仕事の能力が必ず向上するとはいえません。読書をしない人の脳機能が低下するとも断定できません。

読書の効果を生かすには、内容を理解し、自分の言葉で要約し、必要に応じて復習することが大切です。

読書を趣味にするメリットや始め方を知りたい方は、「読書は趣味のまとめ」も参考にしてください。

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