斜め読みや拾い読み・飛ばし読みという言葉を聞いたことがあると思います。
きちんと読んでいないという印象があるかもしれません。しかし目的を持って読むことで、飛ばし読みは合理的な読み方となります。但し、飛ばし読みは、読み飛ばしとは違いますので注意も必要です。
速読セミナー等で教わる正当な技術(本来の速読テクニック)ではありませんが、読書スピードは結果的に速くなります。
飛ばし読みを効率良くするコツとリスク
飛ばし読みをすることで、読書スピードは格段に上がります。ただし間違えた方法で実行すると、飛ばし読みではなく読み飛ばしになってしまいます。読み飛ばしになってしまうと、本の内容が頭に残らないというリスクがあります。飛ばし読みは正しく行いましょう。
飛ばし読みとは
飛ばし読みとは文章を読むときに、一定のルール(法則)に沿って文章や言葉を飛ばして読み進める読み方です。飛ばして読むとは言っても、任意の部分を適当に飛ばすわけではありません。
ある意味、必要な部分だけを読んでいく斜め読みに近い読み方です。ただ安易に飛ばし読みをしてしまうと、読み終えたとしても何も頭に残っていない状態になる可能性もあります。ですので、後述するコツに沿って飛ばし読みをすることをお勧めします。
飛ばし読みを効率良くするコツ
飛ばし読みは正しく利用すれば、読書スピードはとても速くなります。正しく飛ばし読みを行うためにはポイントがあります。次のポイントに沿って実行して下さい。
1)本を読む前に、この読書から何を学ぶのかの目的を意識する
2)目的に沿って、目次から読むべき部分とそうではない部分を確認し飛ばし読みをする
3)特にビジネス書では既に知っている知識情報に関して記載されていることがあるので、その部分は飛ばして読む
4)引用は著者の主張を根拠づけるための部分なので飛ばし読みする
読書を始める前に何を学ぶのか目的を意識する
ビジネス書の多くは200ページから300ページで書かれています。そもそも、著者が強く主張している主旨は1ページしかない場合もあります。主旨や結論と考えても数ページしかないのです。
今回の読書の目的をどう考えるのかによって、読むべきページ数はほんのわずかになる可能性があります。それ以外のページは、無駄ということではなく、今回の読書には読むべきページとは言えないということです。
別の機会に、学びたい目的が変わってきたときに、読むべきページに変わる可能性があります。
目的に沿って、目次から今回読むべきページかそうではないページかを分ける
人は得たいと考えているときに、関連する物事は脳に定着しやすいものです。目次から今回の目的に沿うページとそうではないページを分けましょう。そうではないページは、別の機会に違う目的で読むときに、必要なページになる可能性があります。
仮に今回の目的から外れているページを読んだとしても、今回の読書の目的と外れている場合、役立つ知識情報として脳に定着しない可能性が高いです。一旦記憶されたとしても役立てる機会が明確ではないために、知識情報は薄らいでしまうからです。
既に知っている物事に関する記述あるページは飛ばし読みをする
特にビジネス書や自己啓発書などではありがちですが、既に知っている知識情報が記述されていることがあります。
既に知っていることと認識している場合、あらたに知り得る情報はないはずです。読み飛ばしましょう。
引用部分は読み飛ばします
引用部分は、主張の根拠づけや具体例として示されているものです。引用自体には、著者の主張はありません。
先の既に知っている情報と同様に、読み飛ばしましょう。この時点で、本書の読書の目的からすると、読むべきページがあまりない書籍であるという結論が成り立つ場合もあります。
小説の飛ばし読みはおすすめできない
前述したように、学ぶべき目的を持って飛ばし読みをすることは、ビジネス書をたくさん読んで求める知識情報を収集する場面などに有効です。
しかし小説を読む場面ではおすすめしません。単に物語のストーリーを知りたいだけであれば、飛ばし読みで理解できると思います。しかし小説を読む醍醐味は物語のストーリーを知るだけではありません。
小説を読む醍醐味は、人物等の心象風景や心理描写、表現を読み込むことにあります。そういうポイントに集中して読むことで、相手の心理を理解できる読解力の向上にもつながるというものです。ですので小説の場合は、飛ばし読みをして読書量を増やすよりも、熟読をして一文の表現を読み込むほうが得られることが多いのです。
飛ばし読みはセミナーで教わる速読法ではない
読書の目的を明確にして、飛ばし読みをすることで、読書のスピードはとても速くなるはずです。但し、飛ばし読み自体は一般的な速読とは違うものです。
飛ばし読みは効率良く読む方法であり、結果的には速く読むことが可能です。しかし一般的な速読の技術とは違うものです。速読は、視読の技術をレベルアップするものです。文字単位ではなく、単語や文節ごとに読み込んでいく方法です。
更に、目の動きをコントロールすることで、読書速度を上げる方法です。
飛ばし読みと読み飛ばしの違いとリスク|飛ばし読みの癖
飛ばし読みと読み飛ばしは、似て非なるものです。飛ばし読みは、上記の解説の通り、読む前に決めた目的に沿って、読む部分と読まない部分を決めて、読まない部分を飛ばして読む方法です。
読み飛ばしは、単に速く読むことの方が目的となり、内容をよく吟味せずに飛ばしてしまっている状態です。ですので、本の内容が頭に残ることも少ないし、肝心な部分も読み込めていないリスクが高くなります。
本を速く読むことを意識しすぎると、飛ばし読みが癖になってしまうリスクもあります。飛ばし読みは前述したようなコツを使って、必要な部分を読み進める方法です。特に同じテーマの本を読む場合には、既知の知識情報が記載されている可能性も考えられます。飛ばし読みが効果的になるケースです。
しかし飛ばし読みが癖になってしまうと、読み込みが浅いテーマに関しても、飛ばし読みをしてしまうリスクがあります。そういうケースで飛ばし読みをすると、読了後に頭の中に残る知識情報は浅くて狭い範囲でしかなくなるリスクがあります。
まとめ
飛ばし読みは、速読の中の一つの方法として紹介する事があります。当サイトの速読関連の記事でも紹介しています。
しかし、実際には速読というよりも読むべき部分を絞り込んで、効率よく読む方法です。結果的に、本を読むスピードは速くなります。
しかし、読み込み速度自体は変わっていません。読む部分を絞り込んで読まない部分を削っているだけの読み方です。ただ本をたくさん読むという人には、飛ばし読みをする人は多いです。
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