本を読まない人はどんな理由で本を読まないのでしょうか。
民間のマーケティング会社から、毎日新新聞、文化庁や文部科学省まで、読書に関する調査が定期的に行われています。
それぞれの調査結果を見比べてみると、調査時期やサンプル数(回答数)によって、微差の違いはあるものの、各調査結果はほぼ同じ傾向を示しています。
本を読まない理由は何?
世の中には「本を読まなくても昇進する」「本を読んでも意味がない」「ネットがあれば十分」などと、言ってる方がいます。彼らの発言を知ると、部分的には正しいと感じる部分があります。
本は読まなくてもいいという矛盾
しかし矛盾を感じるのは、そう言っている方々自身が相当な読書量をこなしてきた方だということと、本を読まなくていいという持論を持っているはずなのにそれぞれ本を書いて出版していることです。結局は逆説を唱えて、人目を引くという戦略から発言しているように感じられてなりません。
なぜなら一般人の我々が働いている多くの企業の現場では、本を読んで行動している人が成果を出して評価され昇進しているからです。たまに、社歴が長くなったことや上司の強い引き上げで、お試し昇進する人がいます。
しかし本人に気づきや進化がない場合、その後は辛い場面に立たされたり、降格させられているからです。大手企業ほど、その傾向が現実にあります。
結果的には、本を読んで気づきを得て行動している人は、成功者・実力者と言われる存在として活躍しています。
本を読まない理由トップ5
冒頭のマーケティング会社・新聞社・文化庁・文部科学省の調査結果から、いずれの調査でも共通して登場する「本を読まない理由」で際立って多い理由が5つあります。
1)忙しくて時間が取れない
2)本を読むと時間がとられる
3)他の趣味に時間を使いたい
4)読書に興味がない
5)読みたい本がない
これらの理由を一見すると、現代人は忙しいのだな、という印象を持ちます。しかし、それらの言葉を発するマインドを想像すると、4番目と5番目の理由が本音に近い感じがします。
つまり本を読むことに魅力を感じていないということと、必要性を感じていないということがわかります。その結果は実はかなり厳しい未来につながることは多分理解していないのだと思います。
本を読まない人の厳しい未来とは例えば以下のようなケースです。
・本来の評価ではない昇進(社歴やお試し)しても、成長できず部下に馬鹿にされ数年後に降格する
・ワンパターンの言葉遣いに、ボキャブラリーがないと笑われてるのに理解できずに一緒に笑っている
・会社に何年か出社していれば成長できると勘違いし年齢だけ増えていく人
・立派な中高年なのにメールとSNSの違いが分からず使い分けられない人
・昇進昇格する人と自分との違いに気づけないで不満だけ口にする人
・自分は感情的なのに部下には論理的な説明や仕事ぶりを要求する上司
・伝えたいことは2つといいながら毎回4つ5つをダラダラと話す上司
今の日本の企業には、昔のような年功序列がないことになっていますが、現実にはその名残はたくさん残っています。紹介した厳しい未来は、ほぼ中間管理職に関することです。年代で言えば30代から40代です。
本を読まない本音の理由|本当は忙しく時間がないわけじゃない
本を読まない人の理由の1位は「忙しい」、2位が「時間が取れる」です。
つまり本を読まない本当の理由は、読書は他の何かを犠牲にして、わざわざ時間を作るほどの重要性や必要性を感じていないのだとわかります。
読書は自己紹介のプロフィールで、趣味として話されることが多いように、日本人の認識は「読書は趣味」なのだと思います。だから日本人の読書頻度は先進諸国17カ国の中で15位なのではないかと推測されます。(GfKの読書頻度に関するグローバル調査)
そして本を読まない本音の理由「重要性・必要性を感じない」を持つ人たちは、社会人になるとショックを受けます。会社で聞こえてくる言葉が理解できないからです。そして本を読んでいなかったことを後悔するケースがあります。この時点で、本を読んで、言葉を理解しようとする人と、「まあ、いいか」とスルーしていく人に分かれます。
「まあ、いいか」とスルーした人たちは、落ちこぼれていきます。社会人になっているのに、読書の重要性・必要性に気づいてない方にお伝えしたい。気付くのが遅れるほど、取り返せなくなっていきます。
実社会では学歴よりも、社会人になってからの勉強量・読書量によって身についたことが評価されます。有名大学の学歴を持っていても、読書をして仕事に役立てることができない人は、落ちこぼれます。そういう方々を何人も見てきました。
本を読まないのは子供ではなく大人
「最近の若者は本を読まない」という本当のようなアナウンスがあります。
しかし過去に遡って調べてみるとわかることは、「最近の子供は本を読んでいる」ということです。本を読まないのは、子供ではなく、大人の方です。そして、大人で本を読まない人は社会で落ちこぼれるリスクがあります。
今(2022年)から25年から30年前のバブル崩壊後の数年間の若者たちは、本当に本を読まなかったことがわかります。
全国学校図書館協会と毎日新聞社が共同で行っている「学校読書調査」によれば、不読率(月に1冊も本を読まない人の割合)は、2021年の第66回の調査によれば、高校生49.8%・中学生10.1%・小学生5.5%という調査結果があります。
しかしバブル崩壊後の1997年(バブル崩壊は1995年)の結果が最も悪い状態です。調査結果は、高校生69.8%・中学生55.3%・小学生15.0%という数値です。
現在の子供の方が、高校生で20ポイント・中学生が45ポイント・小学生が10ポイントも不読者の数が減少しています。
25年〜30年前の中高生は、現在40歳前後の年代です。今は本を読んでいる人になっているかもしれませんが、もし中高生の時の習慣をひきづっていれば、実は最も本を読まない年代かもしれません。
本を読まない学生だった経験があっても本を読む大人になればいい
過ぎてしまった学生時代を悔やんでも仕方がありません。幸いなことに、30代40代でも、あるいは50代になっていたとしても読書量をできるだけ増やすことで、今からでも本を読む人になることが可能です。
本を読む人になり、本を読んで追体験をし現実の仕事に置き換えて考えること、趣味レベル以上に読書量を増やすこと、を繰り返していると、40代50代からでも人生は変わります。
本を読まないことの背景には、「本を読んでもいいことない、意味ない」という誤解があります。読書をしない人の割合が多いために、読書で成功している見本が身近にない可能性があります。しかし成功してると思われる人に注目してみると、本を読む人が多いことに気づくはずです。
まとめ
本を読まない理由は、各調査機関の調査結果から、表向きの理由は明確になっています。
本を読む時間がないのです。なぜなら、重要なもの・必要なことだと感じていないからです。具体的な事例が、自分の周辺にあるとわかりやすいと思います。上司や先輩に本を読んでいるか聞いてみると良いです。
本を読んで仕事に役立てようと考え実践している人と、仕事の進め方考え方が論理的で戦略的であり、再現性があり成功を重ね、評価され昇格する人です。
そうではない上司や先輩は、感覚的で根拠のない自信を持ち、再現性がないので、失敗するか成功するやってみないと分からない人です。成功率は低いです。
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