「読書好きなのに文章力がない」
「本を読めば文章力がつく」
どちらも聞いたことがあると思います。そして、これは事実なのだと思います。
しかし、文章力の意味の捉え方と文章力を使う場面に違いがあるのではないかと思います。
小説を書くための文章力が必要なのか、ビジネス文書(メール・報告)・読書感想文などの文章力を身につけたいのか、によって状況は変わります。
文章力には読書は必須だが十分じゃない|他にも重要なことがある
さまざまな文章に関する場面で使われる「文章力」は、使う場面によって微妙に意味が違いますね。
文章力の言葉の意味は、「自分が言いたいことを文章によって相手にわかりやすく伝える能力、文章を書く力」などと解説されています。
文章力を向上させるには、読書は非常に役立つ方法と言えます。しかし、読書だけで十分というわけではありません。文章力を向上させるためには、読書をするだけではなく、書くことにも取り組む必要があります。また読書をしていても、自分が書きたい内容に関する本を読んでいなければ、文章力向上には繋がりません。
文章力は読書によってアップするのか
「文章力を高めたい」と考えると、様々な方法があります。読書は効果的な方法の一つです。
文章力の一部である語彙力は読書量に比例する
文章力には、語彙力が必要です。語彙力とは、多くの言葉を知っていて、言葉を操ることができる能力です。知っている言葉が多ければ、文章の表現の幅は広がります。
読書をすれば、新しい単語や表現に触れることが出来ます。意味が分からなければ、単語や言葉の意味を調べて読むことになります。この繰り返しが自然と語彙力を高めます。つまり、読書量が増えれば、文章力の一部である語彙力は比例して高まるということです。ただし、文章力は語彙力だけではありません。
読書しても文章力がアップしない理由
読書は文章力を向上させるための有効な方法の一つですが、ただ本を読むだけではなかなか効果が現れません。文章力をアップさせるには、読書の仕方や読む本の選び方にも注意が必要です。以下に、読書をしても文章力がアップしない理由とその対策を紹介します。
読書の目的が明確でない
読書をするときには、なぜその本を読むのか、どんなことを学びたいのか、自分の目的を明確にすることが大切です。目的が明確でないと、読書に集中できず、内容が頭に入ってこないことがあります。また、目的に応じて読む本のジャンルやレベルを適切に選ぶことも重要です。例えば、小説やエッセイなどの文芸作品は、表現力や想像力を養うのに役立ちますが、論理的な文章力を身につけるには、ビジネス書や教科書などのノンフィクション作品も読む必要があります。自分の目的に合った本を選ぶことで、読書の効果を高めることができます。
読書の量や質が不十分である
文章力をアップさせるには、読書の量や質も重要です。量に関しては、一日に何ページや何時間読むかという目標を設定し、継続的に読書をすることがおすすめです。質に関しては、ただ目で追うだけではなく、内容を理解し、自分なりに考えたり感じたりすることが大切です。また、読んだ本の要約や感想を書くことも、文章力の向上に効果的です。自分の言葉で表現することで、読解力や表現力が鍛えられます。
読書以外の練習をしない
読書だけでは文章力はアップしません。文章力は実践的なスキルであり、実際に文章を書くことでしか身につきません。読書で得た知識や感性を活かして、自分の考えや意見を文章にする練習をすることが必要です。また、他人の文章を参考にしたり、添削してもらったりすることも有効です。他人の文章から学ぶことで、自分の文章の強みや弱みを見つけることができます。添削してもらうことで、自分では気づかなかった誤りや改善点を指摘してもらうことができます。
以上のように、読書をしても文章力がアップしない理由はいくつかあります。しかし、これらの理由はすべて対策可能です。
本を読まない人には文章力はない|本を読むことで文章力はアップ
読書好きなのに文章力がない人は、物語を楽しむことだけに集中している可能性があります。なぜこの小説は面白いのか、なぜこのビジネス書は理解しやすかったのか、という視点で、全体の文章構成や展開について、注目しながら読み込めば、本を読むことで文章力は上がるのです。
ですので、本を読まない人には文章力はないということになりますが、例外的に、本をあまり読まないのにわかりやすい文章を書ける人も稀にいます。
それは、ビジネス文書(メール・報告書など)で、相手(顧客・取引先・上司)の視点に立つ物事の見え方・感じ方の想像力や感性が非常に優れていて、その上で自分の知ってる言葉の表現力で文章を書ける人です。
こういう方は、顧客へのセールスレターや取引先とのコミュニケーションでも成果を出せます。
文章力をアップさせるために本を読むのなら
前述までのポイントをまとめますと、文章力を高めるために本を読むのなら、物語や本の内容に没入して読み込むのではなく、文章全体を分解し分析する視点で本を読むことです。
言葉の表現や描写の仕方だけではなく、なぜ面白いのか、なぜ読みやすくわかりやすいのか、文章構成の流れが、どう繋がっているのか、などを分析するのです。
自分が書く文章では、文章構成の流れを真似るところから始めると良いです。語彙力が不足していて、表現が多少稚拙であったとしても、文章構成が分かり易ければ、伝えたいことがきちんと伝わるはずです。
文章力を高めるために本を読むのなら、わかりやすい文章構成を真似できる教材として、本を読み、分析することです。
文章力をアップさせるには読書感想文を書くのが最適
読書感想文を書くのは、学生だけではなく、社会人でも文章力を高める練習になります。
文章構成を考えて文章を書く方法としては最適かもしれません。
読書感想文の書き方で、小学校の先生が子供に書き方の順番を教える例があります。先生によって多少の違いはありますが、一般的には次のような構成になっています。
・序文
・本文
・まとめ
序文には、読むきっかけになったことなど、読む前に感じていたことを書きます。
本文には、非常に簡略化したあらすじと、読んでいる最中に、各場面ごとに、感じたこと・気づいたこと・心に残ったこと、などを書きます。
まとめは、読み終わって、全体を通して、心に残ったことや参考にしたいと思ったこと、影響受けたことなどを書きます。
気づかれたと思いますが、これは一つのテンプレートでもあります。そして、相手にわかりやすく伝える文章構成でもあります。
書く文章の種類(小説・メール・報告書など)によって、構成は少しずつ違います。
文章力アップのためには|文章構成は設計図
文章力アップとは、相手にわかりやすい文章を書けるようになるということです。
そのためには、何か文章を書き始めるときに、白紙のままからスタートしないことです。「何を書いていいか分からない」「自分には文章力がない」という人の典型的なケースが、白紙状態から書き始めようとすることです。
何かを作るときには、まず設計図を作る必要があります。それが文章の場合は、文章構成という「骨組み」です。「骨子」とも言います。
書くべき文章の種類に応じて、どういう順番で何を書いていくのかの骨子を決めることです。これが文章構成を決めることです。
骨子=文章構成が分からない、という人は、先人(文章力のある上司・先輩・小説なら面白いと思った作家の著書)の文章を分解して分析しましょう。まずはそのマネから始めれば良いです。絵を描く場合でも、下書きを薄い色で配置などを描くではありませんか。
そこから始めていくと書きやすいはずです。
仕事における文章力で最も重要なのは伝わる文章がかけているか
文章を書くには、表現力や構成力、それに語彙力や適切な敬語など、幾つもの要素が重要です。
しかし最終的に最も重要なことは、書き手が伝えたいと考えていることが、読み手に正確に分かりやすく伝わることです。そこを目指して文章力を鍛えるのです。
まとめ
文章力と読書には深い関係性があります。読書をすることは、文章力を上げることにはなりますが、文章力の一部でしかありません。
ですから、読書好きでも文章力がない、と言われてしまうことも起きてしまうのです。
読書で文章力を上げるには、語彙力を高めつつ、なぜその本が面白いのか、わかりやすいのか、という視点で、文章構成に注目することです。
そして、文章を書く場面では、その構成の流れを真似してみることから始めることをお勧めします。マネから始めることは、悪いことではありません。文章をコピペするのは、当然アウトですが、文章構成を真似して、わかりやすい文章作成をすることは、文章力があると言われる人たちが、最初行っていた方法です。
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