文章を書くときには、準備を整えてから書き始める必要があります。準備の1つが文章構成を整えておくことです。
先に文章構成を決めてから書き始めれば、慣れていない方でも、迷うことなく書き進んでいけます。
文章には構成力が不可欠|文章構成が整えば読みやすいし書きやすい
文章を書いた経験がある人なら、文章を書き始めてから、どちらへ進んで書いていけばいいのか、迷ってしまった経験があると思います。白紙の原稿用紙や、パソコンなら白紙の画面に向かって、「さあ書くぞ」と思ってもなかなか進んでいけません。
文章構成とは
文章構成とは、言うなれば、地図や設計図のようなものです。
ゴールに向かって出発するなら、ゴールまでの地図がある方が道に迷わずに進んでいけます。
また家を作るなら、設計図がある方がスムーズに家を作れるだろうということは、家を建てた経験がない人でもわかることです。
文章構成を考えて決めるということは、スタートする前に地図を確認すること、あるいは家を建て始める前に、設計図を確認することに似ています。
分かりやすい文章構成があれば書きやすいし読みやすい
文章構成が整っていると、格段に書きやすくなります。文章構成が整っている状態とは、下書きができているような状態です。それは、何について、どういう順番で、どのくらいのボリュームで書いていくのか、の骨組みです。文章を書いている途中で迷子にならずにスムーズに書いていくことができます。
一般的には、語彙力や表現力にだけ注目してしまいそうですが、実は文章を書くことをラクにしてくれるのが文章の構成力なのです。
社内の過去のプレゼン資料やメール文などで、分かりやすいとされている文章をチェックしてみてください。
読みやすいし分かりやすいと言われた資料やメール文等には、一定の「型」があります。
文章構成力に自信がなくても大丈夫|基本的なテンプレートがあります
社会人ならば、社内では様々な報告書・伺い書・計画書などがあります。社外なら、顧客への営業メール・取引先への交渉メール等があります。学生なら、読書感想文が一般的です。
どんな文章であっても先に、文章構成を決めてから書いていけば、思ったよりも楽に、相手にも分かりやすく書いていくことができます。
そして自分の文章構成力に自信がないという方でも大丈夫です。文章構成には、いくつかの「型」であるテンプレートがあります。
基本的なテンプレートとは、文章構成の決まった「型」があるということです。テンプレートの型に、あてはめて書く事で、書き手は書くべき文章がまとまりやすくなります。
テンプレートは、読み手が理解しやすい文章構成に並んでいますので、読み手には整理された文章として読みやすく感じられます。文章を書くことを苦手としている人は、書くための内容を調べたり文章構成を考えたりせずに、書き始めようとするから上手くいかないのです。
文章構成パターンの種類|PREP法がおすすめ
文章構成は、書きやすいことも大事ですが、相手が読みやすく分かりやすいことが大事な要素になります。
自分でわかりやすい文章を調べて研究し、オリジナルにわかりやすい文章校正を作り上げても良いです。
また当記事で紹介する文章構成パターンのテンプレートを応用して書いても良いです。文章構成パターンは複数ありますが、当記事では主なものを3つ紹介します。どんな文章を書くのかによってどのパターンを使うのかを選択すると良いです。
また文章構成パターンは、あくまで骨組みですので、単純に言葉や文節をはめ込むだけでは完成しません。適切な日本語を使って文章化する必要があります。
なお当記事はビジネス文書を書くための文章構成について解説していますので、小説のパターン(起・承・転・結)は説明していません。ビジネスシーンでは、時系列に沿って書き記す方法は、始末書や顛末書などで使われます。
1)「全体像ー要素列挙」型・・・まとめ(商品サービスを紹介する場合に並べて紹介する書き方)
2)「結論ー理由ー具体例ー結論」型 (論理的な文章構成と多様されている報告書に多い書き方)・・・PREP法
3)「序文(主張・問題提起)ー本文(状況説明・原因・提案)ー結論(問題提起や主張する書類に使われる書き方)」型・・・レポートや論文に多用される
特に2番目のPREP法はビジネスシーンで多用されることが多いです。PREPはPoint(結論)Reason(理由)Example(事例)Point(結論)の略称です。
まず結論から伝える方法は、ビジネスシーンではとても一般的な方法です。
商品・サービスなどを紹介する場合の文章構成
・全体像ー要素1・要素2・要素3・・・まとめ
何かを紹介するための文章構成です。
全体像では、どんなテーマで何を紹介するのかを表現します。
要素は、紹介するものの情報を並列かランキング順などに並べて紹介します。
また、ビジネス文書で言えば、「始末書」「顛末書」といった類の書類で、時系列に要素を書き並べる場合にも使います。
ですので、並列か一定の法則のもとに要素や事象を並べて解説する場合に有効な文章構成です。
報告書など論理的に伝達する場合に使われる文章構成
・結論ー理由ー具体例ー結論(PREP法)
誰かに報告や伝達する場面で使われる文章構成です。会社員ならば最も多いかもしれません。
「ロジカルシンキング」などで、論理的に話す、結論から話す、という方法がこのパターンです。この文章構成で文章を書きますと、相手には何の話なのかがすぐにわかり、次にその理由が書かれますので、状況を理解するには最適の文章構成になります。
具体例には、理由を裏付ける事例や根拠となる事象などを書くことで、理由が正当化されます。相手に認められるかどうかは別です。また、もし根拠を書くことができないようなら、根拠のない理由は、単なる言い訳とも取られます。
書類を提出する以前に、自分で気がつくこともできます。結論に対する理由には、裏付けや根拠が必ず必要です。
報告書全般は、このパターンで書くのが最適です。
企画書や伺い書など主張や問題提起を提出する文章構成
・序文(主張・問題提起)ー本文(状況説明・原因・提案)ー結論
この文章構成は、企画書の立案や伺い書・稟議書などの書面作成に有効な文章構成です。
大きな流れは2番目の論理的な文章構成と似ています。問題提起と状況説明と原因が論理的に整っていれば、そこにつながる提案も認められる可能性が出てきます。
これらの文章校正が論理的に支え合っていれば、企画も通るかもしれません。
文章構成が決まったら見出しを作るのがコツ
どの文章構成で書くのかを決めたら、いきなりそれぞれの文章を書いていくわけではありません。
次にするべきことは、それぞれの項目に対して、見出しを作ることです。単なる骨組みであった文章構成のパターンが見出しを具体的につけていくことで、文章を書いていくための具体的な方向性が見えてきます。
文書によって見出しをつけていいのか、小見出しまでつけて良いのであれば、書くべき内容はさらに絞られます。提出する文書に見出しをつけたままではまずいのであれば、全てを書き終えた後で、見出しだけを消せばいいです。
文書を書いていくときに、見出しがあることで目印になり、具体的な内容も絞られますので、文章を書く手法として利用することをお勧めします。
まとめ
文章作成する際には、文章構成があらかじめ決めてあると、とても書きやすくなりますし、読み手も理解しやすくなります。
文章構成が決まってるかどうかは、設計図があるかどうかというほどに大事なことです。文章構成は自分で読みやすさ書きやすさを研究してオリジナルに仕上げることも悪くありません。
ただすでにわかりやすいこと書きやすいことが実証されている文章構成パターンがありますので、テンプレートとして利用することをお勧めします。
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