音読といえば、小学生の本の読み方の印象が強いかも知れません。
しかし実は音読は脳を刺激する読み方であり、様々な良い効果があることで、注目されています。
読書による効果に加えて、脳を刺激する脳トレ効果があるのですから、年代に関係なく効果が期待できます。声を出しますので場所を選ぶ必要はありますが、最強の読書方法かも知れません。
音読効果で脳を活性化|効果とやり方を紹介
音読には、そもそも読書で知識情報を得ることによる効果(語彙力・読解力がアップ)があります。しかし、声を出して読むことで、脳をさらに刺激し脳トレ効果も得られるのです。
音読効果で脳を活性化する
音読をする状況を思い浮かべると分かりますが、音読は目から文字情報を読み込み、脳で情報を理解し、音声を発します。この時同時に音声を聞いている状態になります。つまり、脳は読む・聞く・話すという複数の動作を同時に処理しているのです。この状態が脳の前頭前野を中心に脳全体を活性化します。
音読効果のエビデンスがある
音読効果のエビデンスとしてよく知られているのは、東北大学の川島教授の実証データです。
前頭前野は脳の前側にあり、記憶・学習・コミュニケーション・思考・感情・判断・集中を司っています。東北大学の川島教授によれば、音読をしているとき、実際に脳は血流が増え、活性化しているということです。同教授の実証データによれば、音読を繰り返し行った子供の脳の体積が増えたことをMRIで確認しています。音読効果のエビデンスとして明白です。
筋肉をトレーニングすると、超回復という現象が起こり、筋肉繊維が以前よりも太くなります。脳も脳トレをすることで、血流が増えて、神経細胞のつながり(ニューロン)が太くなり、情報伝達が高速化します。いわゆる、「頭の回転が速くなる」という状態になっていきます。
読書で音読することは効果的
読書で音読することは非常に効果的な学習方法です。音読は、言語学習において以下のような効果をもたらします。
1)語彙力の向上: 読書で音読することにより、新しい単語やフレーズを反復的に口にする機会が得られます。これにより、語彙力が増強され、単語やフレーズの意味や使い方に慣れることができます。
2)読解力の向上: 音読をしながら読書することで、文章の理解力が向上します。音声化することで文章の意味や文脈をより深く理解することができます。
3)発音力と朗読力の向上: 音読は正確な発音と自然な朗読力を養うのに役立ちます。文章を音声化することで、口の筋肉を鍛え、より滑らかな発音や表現力を身につけることができます。
4)リスニング力の向上: 音読をしながら読書することで、リスニング力を高めることができます。自分で音読しながら聞くことで、リズムやイントネーションに慣れることができます。
5)想像力と表現力の向上: 読書で音読することは、豊かな想像力を養い、自分自身の表現力を高めるのに役立ちます。キャラクターや場面を声に出して演じることで、より生き生きとした表現が可能になります。
読書で音読することは、自己学習や自己表現の手段として非常に効果的です。自分の興味や好みに合った本を選び、継続的に音読することで、言語力や読解力、発音力などが向上し、より自然な英語の理解と表現ができるようになるでしょう。
音読が効果ないという誤解|頭が良くなり仕事の成果もアップする
音読なんて子供の読み方と思い込んでいる人は、大きな誤解をして損をしているのかもしれません。確かに人前で子供のように音読をするのは難しいと思います。
しかし日常生活のどこかのタイミングで音読を取り入れるようにすれば、頭の回転が速くなり、仕事の成果もアップする可能性があるのです。前述の通り、音読は脳を適度に刺激する脳トレ効果があるのです。脳トレを繰り返していると、脳の神経細胞のつながりが強化され、思考スピードや判断スピードがどんどん速くなる可能性があるのです。
黙読をメインとし、寝る前の時間帯などを利用して、音読を取り入れてみてください。音読が効果ないという誤解に気がつくことになります。「頭の回転が速くなる」と頭が良くなったようにも感じられるはずです。
読解力・語彙力がアップする|頭が良くなった印象
自分自身が頭が良くなったという感覚を得るのは、読解力・語彙力が高まったことに気づくときです。
語彙が増えるのですから辞書で言葉を調べる回数が減っていくはずです。また、本や文章の内容が分かるだけではなく、相手が何を言いたいのかが以前よりも分かるようになっていきます。
これは語彙が増えて、使える言葉が増えたことや読解力が高まったことの証拠です。周りの人にも、頭が良くなったという印象が拡がるはずです。(読解力とは、文章を読んで理解するだけではなく、相手が話す言葉から言いたいことを分かる能力でもあります)
音読効果:コミュニケーション力がアップし人間関係が改善
相手が何を言っているのか、を理解出来るようになり、自分が使える語彙が増えると、コミュニケーション力がアップします。頭の回転が速くなっていきますので、相手が言っていることも、速く分かるようになっていきます。
過去の何かがトラウマとなり、コミュニケーションを苦手としてきた人は、人間関係もモヤモヤした状態に合ったかも知れません。気がつくと、相手が何を言っているのか、すぐには分からなくなっていたかも知れません。そのせいで言葉を返すのが遅くなってしまい関係性がギクシャクしていたかも知れません。
そんな状況も相手が話す内容に、すぐに気がつくようになっていくと、関係性も改善されていくはずです。音読が刺激する脳の前頭前野にはコミュニケーションをコントロールする役割もあるからです。
音読で滑舌が良くなり仕事の成果がアップ
頭の回転が速くなることで、仕事の成果もアップしやすくなります。仕事上で相手が何を求めているのかが、分かるようになります。今までは何となく分かったような気になっていたことが、徐々に明確になっていきます。
何を求められているのかが明確になった上で、仕事をするのですから、仕事の成果と評価がグンと上がるようになります。
また、毎日音読をするようになると、口周りの筋肉も鍛えられます。ですので、滑舌が良くなります。仕事の中で、話をする機会が多い人は、滑舌が良くなる効果は大きいです。相手に安心感と信頼感が芽生えます。営業や販売の仕事なら、成績が上がる可能性があります。
音読効果は他にもある
音読することで、脳の前頭前野が活性化しますので、前頭前野がコントロールしている機能がアップする可能性があります。記憶力がアップすること・学習意欲がたかまること・思考力が強くなること・集中力が高まることです。
また前頭前野が刺激されると、セロトニン(幸福ホルモンと言われる)が分泌されることも知られています。セロトニンが分泌されると、興奮作用があるアドレナリンがおさえられます。気持ちが落ち着き、ストレス軽減につながる効果も期待できます。何かイライラするような原因があるときは、5分でも10分でも音読をすると、穏やかな状態を取り戻せるはずです。
話すのが苦手な人は声が小さくて不明瞭な傾向があり、そのため聞き返されることがストレスになる人もいると思います。音読効果は、発生する声を少し大きくはっきり発音させるようになります。
また後述しますが、効果を上げるには、毎日継続がポイントです。その結果、読書が習慣化することが出来ます。
英語の音読効果は1ヶ月以上続けることで
英語の音読は、リスニング力、発音力、そして英語のフルエンシー(流暢さ)を向上させるために効果的な方法です。音読を1ヶ月間続けることで、いくつかの効果が期待できます。
1)リスニング力の向上: 音読を行うことで、英語のリズムやイントネーションに慣れることができます。これにより、より正確に英語を聞き取ることができるようになります。
2)発音力の向上: 音読は口の筋肉を鍛え、正確な発音を磨くのに役立ちます。音読することで、英語の音の特徴やアクセントに慣れることができます。
3)自信の向上: 音読を続けることで、自分の声で英語を話すことに慣れていきます。自信を持って英語を話すことができるようになると、コミュニケーション能力が向上し、英語を使う機会が増えるかもしれません。
ただし、1ヶ月の間に完璧な英語力が身につくわけではありません。英語の習得は時間と継続的な努力が必要です。音読はその一部であり、他の学習方法と併用することが重要です。例えば、リスニングの練習や文法の勉強、会話の練習など、バランスの取れた学習プランを作ることが大切です。
最後に、自分自身の目標に合わせて続けることが重要です。音読を継続することで、確実に英語力は向上しますが、個人の学習スタイルや状況によって結果は異なることを忘れないでください。
寝る前1分の音読で効果
脳を活性化する音読は、できれば10分程度の高速音読を繰り返すと効果が期待できます。しかし「1分音読」でも毎日繰り返すことで、効果が徐々に期待できるようになります。
最適なタイミングとしてお勧めするのは、「朝起きて1分音読」「寝る前の1分音読」です。音読は視覚と聴覚を同時に刺激することで脳が活性化しますが、喉を鍛えることにも効果が期待できるのです。朝起きて1分と寝る前の1分に声を出すことで、喉の筋肉を鍛えられます。特に大人や高齢者になると声を発する機会が減少していきます。1分音読を毎日の習慣にすると高齢者の誤嚥性肺炎の予防にも役立ちます。
音読の効果的なやり方|脳トレを意識
音読を効果的にするやり方は、本を上手く読めることや理解を深めることよりも、脳をトレーニングすることにあります。つまり読書によって脳を鍛えるやり方ともいえるのです。少し負荷がかかる程度をイメージすると良い脳トレになります。
毎日音読した結果に驚くべき変化が!音読の効果を科学的に解析
毎日音読を行うことによって、語彙力や表現力、集中力、記憶力の向上、ストレス解消、情緒安定など、言語能力や認知機能、心の健康、生活の質の向上が期待できます。科学的な研究に基づき、音読が脳の様々な部位を活性化し、脳の健康を促進する効果もあります。毎日音読することで、英語力の向上にも効果的であることが示されています。音読習慣を始めるには1日1分からでも良く、習慣化には毎日同じ時間に行うことが推奨されています。
詳細はこちらのページをご覧ください: 毎日音読した結果に驚くべき変化が!音読の効果を科学的に解析
音読の効果的なやり方|速く読むこと
音読効果を最大にするには、少し負荷がかかる脳トレを意識するのが良いです。可能な範囲で、速く音読するのが良いです。通常速度の音読は、理解を深める効果があります。脳を刺激する音読では、理解よりも脳を動かすことに、意識をおいて下さい。
音読してるのに効果を感じないという人は、通常速度で音読していることが原因です。理解を深める音読自体は悪い方法ではないので、シッカリと内容を理解したいという場合には、通常速度の音読か精読や熟読が良いです。
音読の効果的なやり方|毎日継続が基本
週に1回長時間読むよりも、高速で10分〜15分毎日継続する方が脳トレの効果は得られやすいです。毎日脳を刺激することで、脳の前頭葉が大きくなることが分かっています。
前頭葉の前頭前野は、意志決定や判断、記憶、抑制、集中などの人間の行動に関するコントロールをする働きがある部分です。毎日の音読が良い刺激となり活性化するのです。(前述の通り音読のスピードは速いほうが脳トレ効果があります)
小説の音読効果
小説の音読には、以下のような効果が期待されます。
1)語彙力の向上: 小説は文学作品であり、多様な表現や単語が使用されます。音読を通じて小説の文章を繰り返し読むことで、新しい単語やフレーズを学び、語彙力を向上させることができます。
2)読解力の向上: 小説の音読は、文学作品の理解力を高める助けとなります。文章を音声化することで、物語の流れや登場人物の感情をより深く理解することができます。
3)発音力と朗読力の向上: 小説の音読は、正確な発音と自然な朗読力を養うのに役立ちます。作中のキャラクターやナレーションを読み上げることで、口の筋肉を鍛え、より滑らかな発音や表現力を身につけることができます。
4)リスニング力の向上: 小説の音読を行うことで、英語のリスニング力を高めることができます。自分で音読しながら聞くことで、リズムやイントネーションに慣れることができます。
5)想像力と表現力の向上: 小説の物語を音読することで、豊かな想像力を養い、自分自身の表現力を高めることができます。キャラクターや場面を声に出して演じることで、より生き生きとした表現が可能になります。
小説の音読は、楽しみながら英語力を向上させる方法の一つです。自分の興味や好みに合った小説を選び、継続的に音読することで、語彙力や読解力、発音力などが向上し、英語をより自然に理解・表現できるようになるでしょう。
教科書にも音読効果はある
実は教科書を音読することは、言語学習において一般的に有益な方法です。教科書の音読には以下のような効果が期待されます。
1)語彙力の向上: 教科書を音読することで、新しい単語やフレーズを繰り返し口にする機会が得られます。これにより、語彙力が増強され、単語やフレーズの意味や使い方に慣れることができます。
2)発音力の向上: 教科書の文章やダイアログを音読することで、正確な発音やイントネーションを磨くことができます。文法や語彙を正しく発音することで、より自然な英語の発声が身につきます。
3)リスニング力の向上: 教科書の音読は、リスニング力の向上にも寄与します。教科書の文章を読み上げることで、英語のリズムやアクセントに慣れることができます。また、自分で読み上げながら聞くことで、リスニングスキルをトレーニングすることができます。
4)理解力の向上: 教科書を音読することで、文法や文章の構造について深く理解することができます。音読を通じて、英文法や表現の特徴を実践的に学び、文章の意味をより正確に理解することができます。
5)自信の向上: 教科書を音読することで、自分の声で英語を話す経験を積むことができます。練習を通じて自信を養うことで、英語の話し方やコミュニケーション能力が向上し、自己表現がしやすくなるでしょう。
ただし、効果を実感するためには継続的な練習が必要です。教科書の音読を単独の学習方法として取り入れる場合でも、他の学習方法とのバランスを保つことが重要です。また、教科書はレベルや目標に合わせて適切に選ぶことも重要です。
新聞を音読しても効果はある
新聞を音読しても効果はあると思いますか?私はそう思います。なぜなら、新聞を音読することで、以下のようなメリットがあるからです。
・新聞は正しい日本語の文章を提供してくれるので、音読することで自然な発音やイントネーションを身につけることができます。
・新聞は様々な話題やジャンルについて書かれているので、音読することで知識や語彙を増やすことができます。
・新聞は時事問題や社会問題に関する意見や論点を提示しているので、音読することで自分の考えや表現力を磨くことができます。
以上のように、新聞を音読することは、日本語の学習にとても有効だと思います。もちろん、ただ音読するだけではなく、内容を理解したり、自分の意見を述べたりすることも大切です。新聞を音読して、日本語の力を高めましょう!
音読効果:メンタリストdaigo
メンタリストDaiGoは、音読の効果について、次のように解説しています。
「音読は、脳の海馬を活性化させ、記憶力を向上させます。また、音読することで、文章の内容をより深く理解することができます。さらに、音読は、集中力向上にも効果的です。音読することで、脳が集中状態になり、集中力が向上します。また、音読することで、ストレス解消やリラックス効果も期待できます。」
DaiGoは、音読は、語学学習、記憶力向上、集中力向上、コミュニケーション能力向上など、さまざまな効果があるため、音読を習慣にすることを推奨しています。
音読の効果に興味がある方は、ぜひDaiGoの著書「超集中力」を読んでみてください。
般若心経の音読効果は
般若心経(はんにゃしんぎょう)は、仏教の経典の一つであり、心の平穏や悟りの境地を目指すために読誦されることがあります。般若心経を音読することには以下のような効果が期待されます。
1)心の平穏: 般若心経は、仏教の教えを含んでおり、読誦することで心を落ち着かせる効果があります。長い歴史を持つ経典であるため、その内容は多くの人々によって信仰心や安らぎをもたらすと考えられています。
2)瞑想的な要素: 般若心経の音読は、集中力や瞑想の実践にも関連しています。繰り返し読誦することで、心の静けさや内なる平和を体験することができるかもしれません。
3)仏教の教えの理解: 般若心経を音読することで、仏教の教えや概念に触れる機会が得られます。これにより、仏教の哲学や智慧について深く考えることができるかもしれません。
ただし、般若心経の効果は個人によって異なります。信仰心や宗教的なバックグラウンドに基づいて、般若心経の音読が意味深い経験となるかどうかは個人の信念や体験によるものです。
般若心経を音読する場合、正しい発音や意味を理解することも重要です。仏教の専門家や信頼できる指導者から指導を受けるか、文献や学習資料を参考にすることをおすすめします。
まとめ
音読の効果は、読む・聞く・話すを同時に行うことで、脳を刺激するものです。
本の内容を読み取ることに重点を置くなら、精読や熟読が良いです。音読効果に期待するなら脳トレを意識して読んでみて下さい。数ヶ月もすると、頭の回転が速くなってきた感覚が得られるはずです。
もし、効果を感じないという方は、もう少し速く読むことに意識をおいた方が良いです。音読の効果は本の内容の理解よりも脳の刺激にあるのです。
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