本や文章を読む方法には、さまざまな方法があります。本を読む方法の大きな違いには、声に出さずに読むか声に出して読むかがあります。
当記事では、声に出して読む「朗読」について解説しています。朗読は音読と同様に声に出して読む方法です。
声に出して読む方法という点においては、朗読と音読の他に、素読という方法もあります。どの読み方が良い方法なのかと考えてしまう方もいるかも知れません。しかし、どの読み方が優れているということではなく、本や文章を読む上で、何を目的にするのかによって、どの読み方が最適であるという考え方ができます。朗読との違いは何か、関心がある方に、当記事はおすすめです。
朗読は単純に、本や文章の読み方が上手くなるだけではなく、読み聞かせるのが上手になります。
その違いがどこにあるのか、また朗読と音読の効果の違いには何があるのかについて、紹介いたします。
朗読とは?音読と朗読の違い|効果も違う
「朗読」を辞書で引くと、概ね次のように説明されています。
朗読の意味
朗読の意味とは、声を出して文章を読む読み方のことです。
場合によっては、誰かに聞かせるために、声高く感情をくみ取り、趣があるように感情を込めて読み上げることでもあります。
声に出して本を読む方法には、朗読の他に「音読(おんどく)」「素読(そどく)」があります。それぞれに目的や効果があります。
朗読と音読の違い|効果も違う
朗読と同じように、声に出して読む読み方に、「音読」「素読」があります。
「音読」は、声に出して読むことで、自分の脳が刺激され、脳への定着率が一時的に高まるなどの効果があります。「素読」とは、言葉や文章の意味にとらわれずに声に出して読む方法です。素読のポイントは、意味がわからない言葉があったとしても読み進めることに集中することにあります。結果、音読よりもさらに脳は活性化されるのです。
朗読は、感情をくみ取り、感情を込めて読み上げる方法です。必ずしも、読み聞かせる相手が目の前にいるとは限りませんが、相手がいて読み聞かせるというシーンは多く、自分のためにだけ読む音読とは明らかに違いがあります。
朗読の読み方のコツ|朗読は簡単なようで難しい
朗読は、音読に感情をプラスして読むことと考えると、日頃から本を読んでいる方なら、方法として簡単にできそうです。
しかし、試しに朗読してみるとわかりますが、自分が正しく発音ができているのか、イントネーションはおかしくないか、などと注意し始めると、どんどん朗読の難しさを実感することになります。
事実、番組のナレーションをプロの方が話しているのを聞いてみると、やはりプロはまるで違うことを思い知らされます。
まずは次に紹介する朗読のコツに意識を置いて練習してみてください。
1)抑揚のつけ過ぎに注意する。感情を込めようと意識しすぎると、やり過ぎてしまい、聴きにくい朗読になります。
2)一音一音を丁寧に発音する。特に、語尾が流れたり、声が小さくなる癖がある人は注意しましょう。
3)音読との違いの意識が薄くなると、早口になる可能性がありますので、注意です。
4)句読点(、。)は、原則はあけて発生するが、やりすぎると、間伸びして聞こえるので、文章の流れに沿って、調整して読む。
5)呼吸は腹式呼吸を意識する。胸式だと、呼吸が浅くなって、長文が続かなくなる可能性があります。
6)そばに水を置くことを忘れずに。喉が乾いてしまうと、良い音声が発生できなくなってしまいます。
朗読をすることの効果|仕事のシーンで話し方が上手くなる効果がある
朗読を行う目的には、話し方が上手になるということがあります。
営業や販売の人は、普段から商談や商品説明などで、話す機会は非常に多いです。しかし、自分自身の話し方チェックをしている業種や企業は実際には限られており、自分自身の滑舌が悪いことに気づいていないままに、一生懸命に話している方は、意外に少なくありません。
決められたシナリオの中だけで、ロープレという練習をしている企業もありますが、自分自身を客観的に評価できる仕組みで、練習することをお勧めします。
朗読を仕事に活かす
話をすることが仕事に必須である人は、一人で朗読する方法を毎日少しずつでも繰り返していることで、自分の滑舌の良さ悪さがわかったり、聞きやすい声が発見できることがあります。
決められたシナリオの中で、うまく話せるようになっている気がしていても、実際の場面では想定外の商品説明や顧客とのコミュニケーションが発生することがあります。ですので、普段から、朗読による話し方のトレーニングをしていることが、生かされます。
・滑舌が悪く相手に聞き返されるという経験がなくなる
・発音が明瞭になることで、人柄の見られかたが変わる
・話すことに自信が持てるようになり、人前で話すことに過剰に緊張しなくなる
・顧客や上司に伝えたいことが伝わりやすくなり評価や成果があがりやすくなる
朗読の練習方法
お勧めするのは、一人朗読です。スマホのボイスレコーダーアプリを利用して録音する方法です。自分の朗読を録音し、後で自分一人で聞いてください。毎日数分間繰り返してみてください。
普段自分が自分の声だと認識している自分自身の声は、骨伝導の音も混じって聞こえています。ですので、第三者として聞くと、思っていた声とまるで違うように聞こえるはずです。しかし、それが周りの人に届いている自分の声なのです。発音や滑舌に思っても見なかった癖のようなものがあるかもしれません。
一人朗読をして自分の声を聞くことを繰り返しているうちに、気になる点を意識するようになるはずです。滑舌や話し方が少しずつ改善されて行きます。その結果、営業であれば、売り上げの成績が上る可能性があります。話すことなどコミュニケーションが大事な仕事では、顧客や上司からの評価が好転する可能性が高いです。
朗読検定を目指してみる
今の時代は、仕事やコミュニケーションにおいてテキストによる伝達する場面が増加し、従前よりもはるかに文章力が重視されるようになりました。
しかし実際の声によるコミュニケーション力は、テキストだけでは伝わりにくい雰囲気や感覚を伝えることができます。朗読をする練習を重ねることで、前述のように様々なシーンで、好転するようになります。
朗読の練習をし朗読検定を目指していくことで、さらに自信が高まるようになります。一般社団法人 日本朗読検定協会では朗読検定1級のハイレベルな表現力の認定から、初級レベルの4級までの6段階(1級・準1級・2級・準2級・3級・4級)のレベルを目指すことができます。
必ずしも上級レベルに合格せずとも、話すことへの自信や仕事や生活への好影響が期待できるようになります。
まとめ
本や文章を読むときに、声に出して読む音読と当記事で紹介した朗読は同じように声に出して読む方法です。
音読はあくまでも読むことに目的がありますが、朗読は話し方に重点があります。ですので、朗読を何度も繰り返していくうちに、滑舌が良くなり、話し方が聞きやすくなり、話すことを仕事とする方によっては、スキルアップになる読み方です。
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