「本の読み方がわからないです。」
ある日、部下に言われてとても驚いた経験があります。彼は読書経験が少ない人でした。
本の読み方は目的によって変わります。知識を得たいのか、頭の回転を早くなるようにしたいのか、他人の心への想像力を高めたいのか、などの目的を先に決めてから読み始めると良いです。
本の読み方がわからない人は読書の目的を決めることから
本が読めないという悩みを持つ人は、意外に多いのかもしれません。
日本は外国と比べても本を読まない人の割合が多い国です。一般的に読書の経験が少ない人やない人が多いので、社会人となって本を読む必要性に迫られた時に、「本の読み方がわからない」という状態になるのです。
社会人になると読書経験がないことで、言葉や漢字の意味がわからないことで、恥をかいたり辛い思いをすることがあります。そんな時に、奮起して本を読もうとすると、本の読み方がわからない状態になります。
本の読み方がわからない人の原因は何
個人差がありますが、本の読み方がわからないという人の原因が何なのか、紹介をしています。一般的には、本の読み方がわからないという現象に気がついていると思いますが、原因がわかっていない可能性もあります。
中には当記事のタイトルで示したように、読書の目的が明確でないことが原因の場合もあります。そして実は目的を決めずに読み始めていることが大きな原因になっているのです。
本が読めないのは内容が入ってこないから
本を読んでもすぐに内容を忘れてしまって頭に入ってこないという人がいます。実はそれは普通のことですので安心してください。個人的に記憶力がいいという人もいますが、人が新たに覚えた記憶は、短期記憶といって数分間から数時間で7割以上を忘れてしまいます。
エビングハウスの忘却曲線では、人の記憶は1時間で6割以上、翌日は7割以上が、忘れられていることがわかっています。
受験勉強や資格試験勉強等では、多くの人が経験しているはずです。記憶に残すには、何度も何度も繰り返し読んだり書いたりすることで記憶に残ったのです(これは長期記憶に移行して忘れなくなった状態)。
ですので、内容が頭に入ってこない、記憶に残らないのは、一度の読書ではごく当たり前のことなのです。記憶に残るようにするには、本を繰り返し読むことです。
興味深いことに、感情を伴った記憶は一度のインプットでも記憶に残りやすいことがわかっています。
本の読み方で全文を読もうとしている
読書経験が少ない人は、本を読む時に毎回隅々まで読もうとします。しかし、1冊の本を1ヶ月もかけて読むような読み方では、初めの方で読んだ本の記憶は、復習をしない限り大部分は忘れてしまいます。
もし仕事に役立てる目的でビジネス書を読む、などという場合は、全文を読むことは必ずしも必要ではありません。必要性に応じて、目次から関連するページを見つけて、拾い読みをして早くヒントを掴むことの方が有効です。
前述の「頭に入ってこない」という人にも1冊の本を1ヶ月もかけて、じっくりと読む人がいます。重要部分を繰り返し読むことで、理解を深めながら読んでいるのであれば有効ですが、全文を読むことにこだわって時間を浪費している人も多いです。
言葉の意味や漢字の意味がわからない
読書経験が少ない人は、当然ながら漢字や言葉に出会った経験が少ないのですから、読めない漢字や知らない言葉がたくさんあるはずです。
しかし言葉を知らない、ボキャブラリーが少ない状態は、仕事をする上で大きなハンデになります。しかも、周りにいる人はあなたが言葉の意味がわかっていないことに気づいていません。
言葉と漢字の意味がわからないと、本を読んでも意味がわからないはずです。読書に意味を感じなくなってしまいます。しかし仕事をする上での言葉がわからないということになると、上司の言葉や取引先の言葉には、自分が理解したと思っていることとは違う意味があることになります。見てる世界が違う可能性があります。
スマホに漢字アプリを入れていつでも調べられる状態にするべきです。
本を読むことにかまえすぎ|もっと楽に
本を読むことにかまえすぎの可能性があります。経験が少ないのでそうなるのかも知れませんが、5分や10分のスキマ時間にも楽な気持ちで読書をするようにすると、ページも進みますし習慣的に読めるようになります。
読書は30分や1時間というまとまった時間がなければできないことではありません。細切れのスキマ時間にも読書をするようにしていけば1日の中で合計30分や1時間の時間は取れものです。
何かの合間に、ネットニュースやSNSチェックをする時間の何割かを、読書にあてれば十分な読書時間は作れるものです。
本を読もうと思っても集中できない
実際に読書をしようとすると、メールやSNSの受信音に邪魔されるという人や、自宅で読もうとすると家族が話しかけてきて集中できない人や、なぜか集中できない人、など集中できない状況がある人がいます。
個人差があることですが、先に紹介したように、いつでもどこでも読書できる状態にしたり、場所を確保したりする必要があるかも知れません。また場所も時間も確保できてるのに集中できないという人は、姿勢が悪くて頭が酸欠状態になっている可能性もあります。
実は、椅子に浅く腰掛けた姿勢は猫背になりやすく胸やお腹を圧迫しています。猫背の状態で読書を続けていると、呼吸が浅くなってしまいます。すると酸素不足の状態になり、脳に酸素が行き届かない状態になってしまいます。
脳の酸欠状態です。集中力がなくなり眠気を感じるのもその影響です。深い呼吸ができるように、椅子に深く腰掛けて、背筋を伸ばして胸を開いた姿勢にしてみましょう。
本を読まなきゃいけない理由がわからない
上司や先輩が話している言葉が理解できないことや、仕事で自分が何をしているのか理解できないこと、人間関係でうまくコミュケーションが取れないこと、などの原因が読書経験がないことに関係していることに気づいていない人がいます。
本を読んでよく考えたり、言葉の意味がわかるようになっていけば、さまざまな状況は改善していくのに気づいていません。本を読むことを単なる趣味だと思い込んでいるのだと思います。
しかし読書は仕事に役立つ知識情報を知ったり、小説の中で追体験をすることで人の心の動きを想像できるようになります。
さらに読書をすること自体が脳を刺激し、たくさん読むことで脳が活性化し頭の回転が速くなることも分かっています。
また社会に出てから評価を受けるのは学歴のある人ではなく、読書量が多い人です。本を読む理由は十分にあります。
本の読み方がわからないのは目的が決まっていないから
本の読み方で、音読が良いのか、黙読がいいのか、速く速読した方がいいのか、じっくりと熟読したほうがいいのか、など読み方によって得られる効果には違いがあります。
また1ページ目から読んだほうがいいのか、必要なところだけを拾い読みや飛ばし読みをしても読書したことになるのか、と迷う人もいるのかも知れません。
また1度しか読まない人もいますし、同じ本を何度も読む人もいます。1度しか読まない人は、翌日には約7割の記憶が消えています。受験勉強や試験勉強では、何度も繰り返して問題を解く練習をした経験があると思います。それは人の記憶のシステムが何度も繰り返したことしか記憶に残らない仕組みになっているからです。
本の読み方がわからないという人の一番の原因は、本を読んだ後でどうなっていたいという目的が決まっていないからです。知識を深めたいのか、仕事の対策のヒントを得たいのか、頭が良くなりたいのか、読解力をつけたいのか、、、本を読むことから得られる効果はたくさんあるのです。
本の読み方がわからない人は試してください
読書経験が少ない人は、読書することは知識や情報を得るためだけに読むものだと思っています。しかし読書には知識情報を得る他に脳が刺激され脳トレになるという効果があります。
何のために読書するのか、目的を明確にして読むと継続しやすくなる可能性があります。脳トレだけに絞れば、面白くない本でも繰り返すと効果があるのです。
本の読み方を変えると得られる効果はかわる
本の読み方を変えてみると効果が変わります。本は1ページ目から読む・最後まで読むという考えを変えてみてください。
とりあえず読んでみるという本の読み方は、最もおすすめできない読み方です。そのために、読書はつまらないもので、読んで役に立たないと思い込んでしまう可能性があります。
知識を得たいなら読みたいところだけを考えながら読む|目次から見つける
仕事に関係する全般的な知識をつけたいということもありますし、具体的な問題や課題があってヒントをつかみたくて読書をする場合もあります。あるいは本のエッセンスだけを読みたいということもあります。
本を目の前にして、この本から「何々についての知識を得る」という明確な目的がある場合は、目次から読むべき部分を見つける方法がおすすめです。目次の中から、今日の自分が読むべきページを特定するのです。
もし選んだページを読んで、関連する別のページを読む必要があると感じれば、そのページも追加して読む方法です。
また本のエッセンスだけを読みたいという場合もおすすめです。目次から探して、読みたいページだけを読むのです。ただし特にビジネス書の場合、「一度読んでお終い」ということはありません。進化成長した数ヶ月後(数年後)の自分が同じ方法で目次を見ると別のページに興味が湧く可能性もあります。
読解力をつけるなら精読を3回繰り返す|文章を読む脳トレ
知識を得るのも大事だが、読書経験がないので読解力がないという人は同じ本を3回読んでください。本の読み方は前述の方法ではなく精読で読みましょう。精読とは全文を意味を考えながら読む方法です。
読書に価値を感じずにあまり読んでこなかった人は、読書が脳トレになることを知らない人も多いでしょう。しかし文章を読むこと、可能なら声を出してなるべく早く読む方法で、精読を3回繰り返す方法がおすすめです。
本の内容の理解も進みますが、前頭前野が刺激されて、記憶力・集中力も高まります。読書が脳を活性化することは実証されています。(東北大学の川島隆太教授)頭の回転が速くなると言います。
先に要約を読んで良い本を選んでから本を読むのは有益|無駄もなくなる
1年間に出版される本は毎年7万冊以上あります。作者や出版社には大変失礼ながら、全ての本が有益とは言い切れません。本を読んでる途中で、すでに知っていることしか書かれていないとわかることもあります。
タイトルは新しめなのに、過去に出版された本の知識情報を寄せ集めて、1冊に編集し直したような本もたくさんあります。そんな時におすすめするのは、先に要約を読む方法です。おすすめするのはFlier(フライヤー)です。
他にも要約のサービスを展開しているサイトやアプリがありますが、月ごとの利用ができるのがフライヤーの特徴です。初めての利用なら7日間無料でお試しすることもできます。
要約を読んで良い本を選んでから、改めて本を購入して読むと、時間とお金の無駄がなくなりますし、事前情報があってから原本を読むことは復習効果もあって理解もしやすいはずです。
5分10分のわずかの時間でも読書する
日本人の読書時間は意外に短く、平均は30分しかありません。毎日30分から1時間の読書をすることができれば、あなたの読書量は平均以上となり、読書の効果も得られやすくなります。
読書は、自分への投資とも言われます。投資が資産に変わるには、投資信託と同様に時間がかかります。毎日5分10分の隙間時間を集めて、1日に30分から1時間読むのでも継続すると、数ヶ月か数年後には資産として効果が得られるようになります。
紙の本を手元に置いてもいいですし、電子書籍アプリをスマホやタブレットにインストールして、いつでも読めるようにすると、楽に読書ができる環境を作ると良いです。
読書する時間がないという人でも通勤途中の10分や、仕事で交通機関で移動している中の10分、寝る前の10分、朝起きての10分をかき集めることは簡単にできると思います。
まとめ
本の読み方がわからないという人は読書経験が少ない人かも知れません。
読書の読み方は目的で少し変わります。例えば、脳トレとして読書をして頭の回転が速くなるようにしたいと思うなら、素読を高速に行うことで、脳が活性化します。
例えば仕事で困ったことがあり、対策を本の中に探す人もいます。その場合は目次から関連することを探し拾い読みをすればいいです。全文を読む必要はありません。
本を読む前に、読み終わったら何を得ていたいと考えるのかによって、本の読み方は変わります。
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