読書量と年収|嘘ではなかった相関関係のデータ

読書量 年収 相関関係

近年の研究で明らかになった興味深い事実の一つに、「読書量」と「年収」の関係性が挙げられます。多くの人が疑問に感じるかもしれませんが、実際に一定の相関関係が見られることが示されています。

本記事では、この興味深い関連性について、その背後にある理由や可能性について探ってみましょう。読書という日常的な行為が、どのようにして経済的な側面に影響を与えるのか、そのメカニズムを分かりやすく解説します。

目次

読書量と年収|嘘ではなかった相関関係のデータ

人は、10才までに、家に学校の勉強の本以外に、10冊の本があった人は、0冊の人と比べると、大人になってからの年収に大きな差がある。大人になってからの年収には、20%以上の差があったという大学(イタリアのパドヴァ大学)の論文を紹介していました。

本を読んでこなかった人には、ショッキングな内容です。またイエール大学出身で、天才と言われる脳機能科学者の苫米地先生も言っています。「年収はその人が今までに読んできた本の量に比例する」

比例の関係、つまり読書量と年収は相関関係にあるということです。読書と年収には、脳科学的にも明確な相関関係にあるとしています。

例えば、読書量が多い人は、専門知識やコミュニケーション能力など、職場で必要とされるスキルを習得しやすいとされています。また、読書は知的好奇心を刺激することができるため、キャリアのアップグレードにつながる可能性があります。

読書量と年収の関係は文化庁と総務省のデータから相関関係が分かる

総務省が2016年に発表した「情報通信白書」によると、高学歴・高収入層ほど読書時間が長く、一方で低学歴・低収入層ほど読書時間が短い傾向があることが明らかになっています。

また、文化庁が毎年発表している「国民生活に関する調査」によると、高収入者ほど読書量が多く、低収入者ほど読書量が少ないという傾向が見られます。(文化庁の「国語に関する世論調査」)

これらの統計データは、読書量と年収の相関関係があることを支持するものです。ただし、必ずしも読書量が多いからといって高収入が得られるわけではありません。個人の能力や環境、市場の需要といった要素も影響するため、結果には個人差があることにも注意が必要です。

文化庁のデータでは約半分近くの人が読書をしない事がわかります

次のグラフは、文化庁の世論調査データから、筆者がグラフ化したものです。

1ヶ月の読書量

この調査数値は、5年ごとに更新されていますが、10年前と比較しても、1%前後の増減しかありません。読書をする人の数が非常に少ないことが分かります。

月に1冊も読まない人が半数近く(47.3%)います。月に1〜2冊の人(37.6%)と合わせると、なんと約85%の人が、積極的に読書をしていないことが分かります。

総務省のデータでは約半分の人が年収300万円以下

総務省が令和2年2月にまとめた年収に関する資料(仕事からの年間収入階級別正規、非正規の職員・従業員数の推移)で、2019年までの過去5年分のデータが示されています。

この資料では、正規・非正規社員の年収別の人口推移がわかります。次のグラフでは、資料で示されている、正規・非正規、そして男女の区別をなくし、単純に年収と労働人口の割合を示しています。

総務省 年収と人口

2つのグラフを一見するとわかりますように、非常によく似ています。

文化庁は、世論調査を根拠にしており、総務省のデータは、労働力に関するデータです。

このグラフを比べて、年収300万以下(50.7%)の人は、ひと月に1冊の本を読まず(47.3%)、年収1000万以上(2.68%)の人は、ひと月に7冊以上(3.2%)の本を読んでいると断じることは、できません。

しかし、あまりのも酷似しており、関係性を否定するには、無理があるのです。あくまでも「傾向」という意味では、明確に関係性があると言えます。

読書が先か、年収が先かは、わかりませんが、傾向として、毎月7冊以上の本を読むことを継続していけば、年収1000万円以上になる可能性は大きいと考えて良いのだと思います。

読書と年収が関係ないという方が無理がある

統計的には、読書量と年収には正の相関関係が認められています。つまり、一般的に読書量が多い人ほど年収が高い傾向があります。この傾向は、文化庁が実施した「国民生活基礎調査」や総務省が発表した「平成28年度労働力調査」など、複数のデータによって確認されています。

この正の相関関係の理由としては、以下のようなものが考えられます。

読書量が増えることで知識の習得とスキルアップ

書籍には、様々な知識や情報が詰まっています。そのため、読書をすることで職場で必要とされるスキルや知識を習得することができます。これが、職場でのスキルアップや昇進につながることがあります。

知識やスキルの習得には、「専門知識の習得」「語彙力の向上」「論理的思考力の向上」「クリエイティブな思考力の向上」「コミュニケーション能力の向上」などがあります。

これらの知識やスキルが、仕事に非常に役立つことになります。

読書による情報がビジネスチャンスへつながる

読書がビジネスチャンスと収入アップにどのような影響を与えるのか、以下に詳しく説明します。

  1. 新たなアイデアと情報の獲得: 読書を通じて、新たなアイデアやビジネスに関する情報を得ることができます。この情報は、新しい市場のニーズやトレンドを理解し、それに基づいたビジネスアイデアを生み出すための材料となります。
     
  2. 市場の洞察とニーズの把握: 読書によって、特定の業界や市場に関する深い洞察を得ることができます。これによって、競合他社の動向や消費者のニーズを把握し、それに応じた戦略を練ることができます。
     
  3. 創造的な問題解決: 読書は創造性を刺激し、新たな問題解決策を考える能力を高めます。ビジネスにおいては、創造的なアプローチが新たなビジネスチャンスを見つけ、収入を増加させる手助けとなります。
     
  4. 人脈の構築: 読書を通じて得た知識や情報は、他の専門家やビジネス関係者との対話や交流の際に役立ちます。これによって新たなビジネスパートナーシップやチャンスを見つけることができ、それが収入の増加につながることがあります。
     
  5. 成長と専門性の向上: 読書によって自己成長が促進され、専門性が向上します。これによって自身の価値を高め、クライアントや顧客からの信頼を獲得し、結果として収入が向上する可能性があります。

コミュニケーションスキルの向上

書籍を読むことで、著者の思考や感情を理解することができます。これが、人とのコミュニケーション能力を向上させることができます。ビジネスの世界では、良好な人間関係を築くことが非常に重要であるため、このようなスキルは重宝されます。

ただし、読書量が多いからといって必ずしも年収が高いとは限りません。例えば、読書によるスキルアップが役立つ業界や職種に就いている場合には、読書量が増えることで年収アップにつながるかもしれませんが、業界や職種によっては、読書量が多いことが必ずしも評価されるわけではありません。

以上のように、読書量が年収に与える影響には複雑な要因がありますが、統計的には正の相関関係が認められています

読書によって情報選別の能力が上がり年収アップ

読書が情報選別能力と年収向上にどのような影響を与えるのか、以下に解説します。

  1. 信頼性の高い情報の判別: 読書は異なる情報源や意見に触れる機会を提供します。これによって、信頼性の高い情報や正確なデータを見極める能力が向上します。信頼性のある情報を選ぶことで、ビジネス上の意思決定がより的確になり、成功へと導く可能性があります。
     
  2. 情報の本質を見抜く力: 読書は情報の本質を見抜く力を養います。重要なポイントや要点を抽出し、無駄な情報に振り回されずに必要な情報を効率的に取得するスキルが向上します。これは効率的な業務遂行や戦略立案に役立ち、その結果として業績が向上し年収アップに寄与することがあります。
     
  3. 優先順位の付け方: 読書を通じてさまざまな情報に触れることで、重要な情報とそうでない情報を区別する能力が高まります。ビジネスにおいては、優先順位をつけてタスクを遂行する能力が求められます。これによって生産性が向上し、業績アップへと繋がることがあります。
     
  4. 戦略的な判断力の向上: 読書を通じて様々な情報や事例に触れることで、問題解決や戦略立案において戦略的な判断力が向上します。これはビジネスの成功に不可欠であり、適切な判断を行うことが収入の増加に繋がることがあります。

要するに、読書は情報選別能力を向上させ、正確で重要な情報を見極める力を養います。これによって効果的な意思決定や業務遂行が可能となり、その結果としてビジネスの成果が向上し、年収アップにつながる可能性が高いのです。

読書量と年収の関係性について嘘という人は実践しない人

「読書量と年収の関係性について、嘘だと主張する人は、その主張を実際に実行しないことがあります。」この考えは、興味深い視点です。この主張の背後には、いくつかの理由が考えられます。

例えば、「読書が重要だからこそ、毎日少しずつ本を読むよう努力すべきだ」という言葉を口にしながら、実際には読書に取り組まない場合があります。実際の行動が言葉と一致しない状況は、自己の一貫性に欠けると言えます。一貫性のある行動を取ることで、自己の信念を強化し、自己効力感を高めることができるでしょう。

また、せっかく読書によって知識や気づきを得ても、実際の行動に活かさない人も同様です。現実の行動や活動に応用し、役立てることを抜きにして年収アップはないでしょう。

言葉と行動が合致することは、自己の信念を他人に示すだけでなく、自己との調和も大切です。自己の言葉通りに行動することで、他人との信頼関係を築き、共感や協力の機会を広げることができます。

要するに、言葉と行動の一致は、自己の認識と行動の統合を意味し、自己成長と社会的なつながりを促進する重要な要素と言えます。

読書をして年収が上がった人はアウトプットする人

読書をして年収が上がる人は、単に情報を吸収するだけでなく、その情報をアウトプットして他人に共有したり、実践したりする人々を指しています。なぜこのようなアウトプットが大切なのか、その理由を考えてみましょう。

  1. 知識の定着: 読書で得た知識やアイデアをアウトプットすることで、その情報がより定着しやすくなります。自分の言葉でまとめたり、他人に説明することで、理解が深まり、忘れにくくなるでしょう。
     
  2. 他人との共有: アウトプットすることで、他人とのコミュニケーションが生まれます。得た知識やアイデアを他人と共有することで、新たな視点や意見を得るチャンスが広がります。これによって、自身の考えを洗練させたり、新たなアイデアを得たりすることができます。
     
  3. 専門性の向上: アウトプットすることで、自分の専門性や知識をアピールする機会が生まれます。ブログやプレゼンテーションなどで他人に示すことで、自分の専門分野での信頼性や実力を高めることができます。
     
  4. 新たな機会の創出: アウトプットすることで、新たなビジネスチャンスやコラボレーションの機会が広がることがあります。自分のアイデアや知識を発信することで、他人との交流や共同プロジェクトの可能性が増えるでしょう。

要するに、読書を活かして年収を上げるためには、単に情報を収集するだけでなく、その知識やアイデアをアウトプットすることが重要です。アウトプットすることで知識が定着し、他人との交流や新たな機会が広がり、結果としてキャリアの成長と収入の向上につながる可能性が高いのです。

年収アップにつながる読書のジャンル

年収アップにつながる読書のジャンルは、自己成長やビジネス関連の書籍などが特に効果的です。以下にいくつかのジャンルをご紹介します。

  1. 自己啓発書: 自己成長やポジティブなマインドセットを養うための書籍です。時間管理、目標設定、ストレス管理など、ビジネスにおいて重要なスキルを向上させるためのアドバイスが詰まっています。
     
  2. リーダーシップとコミュニケーション: リーダーシップやコミュニケーションのスキル向上を目指す書籍です。チームマネジメント、影響力の行使、効果的なコミュニケーション方法などが取り上げられています。
     
  3. ビジネス戦略と経営: ビジネス戦略や経営に関する書籍は、ビジネスの本質を理解し、効果的な戦略を立てる手助けとなります。市場分析、競争戦略、イノベーションなどがカバーされています。
     
  4. 投資とファイナンス: 投資や資産運用に関する知識を深めることで、資産を増やすチャンスをつかむことができます。株式、不動産、リスク管理などのテーマが取り上げられています。
     
  5. 専門分野の書籍: 自身の専門分野に関する書籍も大切です。専門知識を深めることで、専門家としての価値を高め、業界での評価や収入の向上につながることがあります。
     
  6. 成功者の自伝や伝記: 成功を収めた人々の自伝や伝記を読むことで、成功へのインスピレーションを得ることができます。彼らの経験や考え方から学び、自身のキャリアに活かすことができます。

これらのジャンルは、ビジネスやキャリアの成長をサポートし、年収アップに寄与する可能性が高いです。読書を通じて新たな知識やスキルを習得し、それを実践に生かすことで、キャリアの成功を目指す一助となるでしょう。

まとめ

読書量と年収に相関関係があることは明白です。

年収が上がるということに、読書量は必要条件になります。年収の分布と読書量の分布が酷似しています。

読書量が少ない経営者もいますが、会社の状態は良い状態を維持できずに、淘汰されていきます。

会社員にしても、出世の早い人や上級管理職として実力を示している人、営業マンなら営業成績が継続的に良い状態をキープできてる人には読書家が非常に多いです。

幸運をつかみ試される昇格をした人は、その後読書の重要性に気づけた人は職位を維持していますし、そうではない人はその後の降格人事の対象になります。

関連記事一覧

  1. 読書
  2. 読書は趣味なのか必要なものなのか
  3. 読書によって脳は活性化し鍛えられる
  4. 読書量と年収は相関関係ないは間違い!参照データあり!*当記事
  5. 読書の必要性は大きい!子どもだけじゃなく大人にも読書を
  6. 日本人の読書量が減っている|読書の頻度は世界の平均以下
  7. 読書で人生は変わる|社会では学歴よりも重要
  8. 読書することで自信を持てると違う景色が見えてくる
  9. 「読書はしなくてもネットで十分」には落とし穴がある
  10. 読書が大好きな芸人がおすすめする本は
目次