読解力を身につけたいと思うなら、役に立ちそうな本は複数あります。
しかし理解力を高める方法が書かれている本は、案外多くはありません。
それは理解力自体の意味がかなり広範囲であることや、複合的な能力の掛け合わせだからかもしれません。
当記事で紹介する本「1%の本質を最速でつかむ理解力」では、理解力を高める方法について端的に分かりやすく解説されています。
理解力を高める方法の本ならこの一冊がおすすめ
本書でも書かれていますが、辞書で「理解力」や「理解」の意味を調べると、「物事の道理や道筋を把握し判断する能力」また「人の気持ちがわかる」などと書かれています。
本書「1%の本質を最速でつかむ理解力」では以下のように記されています。
「理解したつもり」という影を乗り越えて、深みへと踏み込む力
1%の本質を最速でつかむ「理解力」プロローグより引用
分かったような気もしますが、さらに分からなくなる気もします。
理解をするとはどういうこと|理解したつもりとは
そもそも「理解する」とはどういうことなのか。実は、私たちは物事を理解するときに次のような作業をしています。
1)出会った物事をよく観察(見る聞くなどの五感によって)します。
2)記憶のデータベースと照合・分析します。
3)合致や関連性があるデータを抽出します。
4)関連する言葉や感情、色や匂いなどの情報も一緒に呼び起こします。
5)データと一致していない部分について、過去データとの関連性から想像力を使って思考します。
6)善悪等の何かしらの判断をします。
上記の作業が瞬時(あるいはほんの数秒)に行われた結果、「分かった」「理解した」という判断をしています。
記憶のデータベースにない情報であれば、「知らない」「見たことない」「聞いたことがない」となり、人の意識は生命維持の方向へ働き、想像力を使ってリスクの有無を判断し、「危険」「怖い」などと考えるのです。
「理解したつもり」「分かった気がする」が結果的に間違った判断をしてしまうのは、上記の作業の中の記憶のデータベースとの照合が適正にできていないからです。
記憶のデータベースは、過去の体験と擬似体験と追体験(読んだ本の知識情報)からできています。そのため記憶のデータベースの量には、個人差があります。体験量と読書量が個人によって違うからです。本来はデータベースにない物事は、「知らない」情報になるはずです。
しかし関連するデータベース量がゼロではない場合に問題が起きます。本人にとっては「知っていること」と判断できるデータベースになるからです。それが客観的に見て正しい情報の30%しかないとしてもです。
本人が正しい情報の30%なのだと理解していれば、「分かった気がする」とはなりません。しかし30%の認識がなければ本人にとっては、100%の理解へと思考が進んでいきます。考えるべきことは全て考えた状態になります。残り70%の存在に気づいていないからです。
これが周りの人にとっては、「理解したつもり」「分かっているフリ」と見えてしまう状態です。本人には「フリ」ではないからです。
理解力を高める方法の本には「1%の本質を最速でつかむ理解力」
本書の「理解したつもり」についての解説の中で、「理解の箱」という名称で、記憶のデータベースのことを表記しています。
物事の見方について、深い・浅いということは、この「理解の箱」(当記事では記憶のデータベース)の種類と数が関係しているとしています。理解の箱の種類を増やさなければ、理解力を高めることはできないとしています。
理解の箱の種類がなければ、視野が狭いということなのです。多角的に思考する事が出来ないのです。
理解力を高めるために必要なのは
本書では理解を高めるための準備として、3つのポイントを指摘しています。
1つ目は、「言葉」を理解する事です。言葉をたくさん知る事です。語彙力を高める必要があります。
2つ目は、理解の順番です。まず全体を知ってから、細部に注目していくという事です。そのために13のアプローチが紹介されています。
3つ目は、クリティカルに考える事です。情報を疑ってみる事です。自分の考えに対しても同様です。自分自身にも間違いや漏れがある可能性があるからです。
まとめ
理解力を高める方法について、書かれている本の中で本書は非常に理解しやすくおすすめできる本です。
当記事で、記憶のデーターベースという言葉で解説している部分を、「理解の箱」という独自の表現をしている事が興味深いです。確かに理解の箱の方が、より分かりやすいように感じられます。
当記事で紹介している本書についての紹介は、かなり簡潔に表記しています。本書では分かりやすく、かつ詳しい内容や方法に触れていますので、理解力を高めたいあなたにおすすめできる本です。
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