「話が分かりやすい」または「何を言ってるのか分からない」、どちらか言われた経験はありますか。ちなみに、話が分かりやすいと、話がうまいは違う意味です。
言い換えるならば、説明が分かりやすい・説明が分かりにくいが、一般的には分かりやすいかもしれません。実は、その点を分けているのは、「要約がうまいかどうか」なのです。
話をする場面で要約が上手い人なのか、できない人なのかは、仕事に大きく影響しますし、日常生活にも影響します。要約ができないと損をしてしまうことが増えます。
要約が上手い人とできない人は何が違うのか
人は毎日他の人とのコミュニケーションの中で、「何かについて説明する」という話をする場面があります。その時に、仕事においても日常においても、分かりやすいと感じたり、その逆の場合もあります。
分かりやすい説明とは、要約がうまくできている説明ということになります。実は要約が上手いということは、話がわかりやすいだけではなく、仕事ができる人、頭がキレる人、優秀な人、という評価をされるのです。
社会人の基本スキルには、他に読解力や文章力、そして語彙力があります。仕事や日常の中で、とくに際立って感じるのは、要約が上手い人かどうかにあります。
要約がうまい人とは元々は文章をまとめるが上手い人
要約とは要点をまとめて短くすることです。元々は、文章を要約するところからきています。
本や論文や会社資料、何かの会報や商品の取扱説明書など、世の中には様々な文章があります。それらの文章を短くまとめわかりやすくすることが要約ですが、主に要約した文章として書くことが一般的です。
学校の宿題にも、文章の要約があります。基本的に同じことです。
当記事でお伝えしている要約が上手い人とできない人とは、書く文章ではなく、話す文章に関してです。相手に伝えたり、説明する内容の中で、要点を見つけて、要点をつなぎ合わせて、相手に伝える時には短くわかりやすくすることです。
当然ながら、話をする場面で要約が上手い人は、文章を書くことに置いても要約が上手い人として、分かりやすい要約文を書いています。
要約が上手い人の特徴|どんな人
要約が上手い人というのは、説明するのが上手いのだから、話す能力が高いと思われそうですが、実は「聞く能力」が高いのです。相手がいうことをきちんと正確に聞いているので、相手の話の要点がわかるのです。
ですので、要約が上手い人は、「相手の話を正確に聞ける」ことであり、「話の飲み込みが早い」などといったりもします。人の話というものは、同じことを繰り返し話している部分が多いので、実は話の主要部分は前半で終わっていたりします。全部がそうではありませんが、繰り返す癖のある人の話なら半分聞けばわかることになります。
そして、相手の話が不十分な部分の要素を汲み取る能力もあります。正確に聞くだけでなく、何を言いたいのかも聞くという能力です。
また、要点をまとめて短くするのですから、短くするための言い換えができる言葉を知っていることになります。言葉をたくさん知っていて使いこなす能力を語彙力と言います。要約が上手い人は、語彙力も高い人ということになります。
要約ができない人の特徴|何が困る
要約ができない人の特徴は、前述の要約が上手い人の真逆の特徴があります。
要約ができない人は相手のいうことを理解していない
相手の話を正確に聞いていないということです。相手の話がまだ核心に触れていない段階から、次に何を話そうかと考えたり、何か別のことを考えている場合もあります。(自分が話に軸がある状態)
話の表面にしか注意が向かっていません。例えば、「なぜそんなことを言うのだろう」と想像力を使えば、「もしかして本心はこういうことかもしれない」と気づくこともできます。しかし、相手の心情にまで、気配りや配慮のような感覚を持っていないので、相手の言いたいことに気づくことができません。
要約ができない人は要点を見つけるのが苦手
相手が言いたいことが、具体的な言葉になっていない場合、相手の話の要点に気づけないという特徴もあります。何が重要な部分なのか、重要度のレベルを見分けることができません。ですので、本来は要約して短くするはずなのに、あれも大事、これも大事と、なってしまい、いわゆるダラダラした文章になってしまいます。話す文章にも書く文章にもその傾向があります。
さらに語彙力もないため、意味を汲み取って、短い言葉で言い換えることもできません。
これらの結果から、要約が上手い人の真逆の印象を持たれる可能性があります。つまり仕事ができない人であり、社内弱者になってしまう可能性が大きくなります。
要約が上手い人の文章の特徴
要約が上手い人が書いた文章には、話す文章にも、特徴があります。
それは、要点が整理されていて、論理的であること、5W1Hで整理されているので、記憶にも残りやすいということです。捉えようによっては、あっけないくらいに短く整理されます。
多くの場合、先に結論があり「結論・理由(根拠)・事例・まとめ(結論の繰り返し)」の形で、示されます。先に結論があり、何故ならと、理由や根拠へとつながって進んでいく展開が相手にはわかりやすいのです。そして、全体がコンパクトです。
要約が上手い人かできない人かが仕事にあたえる影響は大きい
要約が上手い人は、話や説明がわかりやすい・相手の話を正確に聞いている・言葉に明確にしきれていないことも読み取れると前述しました。
当然仕事に大きく影響します。要約が上手い人は、顧客や社内でのやり取りについても、聞き漏らしが少なく、成果を出しやすい状態にあります。要約された文章を書いたりすることで、社内での評価も高くなります。
また要約が上手い人は文章だけではなく要約をした話し方もできます。簡潔で明瞭に、相手に伝えたいことを要点をわかりやすくまとめて話すことができます。仕事のミスが少なくて早いという印象があります。
要約が上手い人とできない人が生まれる原因は
要約が上手い人には、良いことしかなさそうです。誰もが要約が上手い人になれるとよいのですが、現実はそうではありません。現実は、要約が上手い人は少数派です。ですから、ますます評価は上がり、社会人なら昇進昇給となります。
要約が上手い人とできない人が生まれる原因は、持って生まれた才能ではありません。後天的なものです。
要約が上手い人は読書をしている人
その原因は、「読書」にあります。読書をたくさんしてきた結果、文章を見分ける能力が磨かれていきます。もしかすると、読書をしない友人からは、「私なら、読書をする暇があったら他のことをするよ」と言われたかもしれません。言われても読書を続けてきた人は、その間、勉強をしていたのと同じ効果があります。
多くの人が、良い大学に入るまでは勉強します。そして、卒業後に大手と言われる企業に就職できれば一安心と思っています。しかし、実際には、人生の中で高校時代や大学時代はほんの一部でしかありません。社会人になってから勉強する方がよほど長いです。
しかし、中学生から高校生になり、読書量は激減します。高校から大学に行くと、もっと減少します。そして社会人になると読書する人は、本当の僅かな人だけです。
読書をやめなかった人だけが要約ができる人になります。正確に言えば、単に本を読むだけではなく、本の内容について、誰かと話したり、ノートに書いてきた人だけが成長しています。
要約練習をしましょう大人でも
社会人ならば、要約の力は、文章力と合わせて、さまざまな場面で使われます。職人的な技術職の人は、自分で起業したり、お店を持つ方でなければ、要する力は不要かもしれません。
しかし、それ以外の以外の職業であれば、どんな業種であろうと、どんな職種であろうと、要約ができないと、仕事はうまくいきません。
要約の練習をしましょう。
1)文章を読みます。対象は、本でもいいですが、短編で良いです。他には、会社で配布される文章。過去に誰かに書いた長文メールでも良いです。
2)要旨を見つけます。原文を究極的に1行に整理するなら、その文章では何が語られていますか。書いてある場所は、多くの場合は本のタイトルに関連するキーワードやキーワードセンテンスに近い表現があるはずです。最初か最後の200〜300文字の中です。
3)要旨につながる要点を探します。本や文章の中の数カ所に、何度か登場しているキーワードやキーワードセンテンスを含む文章の中にあります。
4)最後に要点をつなげて、要約文作成の完成です。
まとめ
要約は、普段から意識を持って、長めの文章を短く言い換える練習を毎日していけば、徐々に要約をすることに慣れていくはずです。また急いで今後読書家になっても遅すぎることはあります
要約は何かの裏技テクニックではなく、普通のビジネススキルの1つです。覚えておかないと損をしますし、困ったことになってしまうだけです。
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