要約のやり方のまとめ

要約,やり方

要約のやり方について、難しいという声があります。

しかし対象となる本や文章の要旨を見つけ、要旨に沿った要点を見つければ、要約のやり方の基本はさほど難しいことではありません。

要約する文章の種類によって、要約のやり方のポイントに違いがあります。当記事では、要約のやり方についてまとめて解説しています。詳しくは、それぞれの詳細ページ(リンク)からご覧ください。共通しているのは、著者(文章の発信者)が最も伝えたいこと(要旨)は何かを見つけることです。

その次は要点を整理し、まとめて要約文にすればいいのです。

目次

要約のやり方のまとめ

「要約をする」という行為は、さまざまな場面で行われます。

また要約をする対象となる文章の種類もさまざまです。

要約の基本としては、元の文章を短く整理してまとめることです。要約する文章によっては、どのポイントに注意すべきかに違いがあります。

本の要約のやり方

本の要約は高校や大学の課題でも出題されることが多いです。

本の種類にもよりますが、本の文章構造が章立てされている場合は、章ごとに要約をするのがコツです。

本を読む時には、重要だと思われる部分(要点)にマーキングをしておきましょう。また「はじめに」と「終わりに」のあたりには、本の要旨となる著者が最も伝えたいことが記されている場合が多いです。チェックしておきましょう。要点は要旨に関連する事柄に注目してチェックしましょう。

要旨は、こうして見つけ出した要点をかいつまんだ内容になります。また要点をきちんと見つけ出し、最後に要点をまとめて整理したものが要約となります。

文字数の条件があるはずなので、取り掛かる前に確認をしておきます。また要点をまとめて要約文を作成するわけですが、単純に要点をつなぎ合わせると、日本語として不自然な状態になりますので、主語と述語に注意して自然な日本語になるように、注意します。

現代文の要約のやり方

要約,やり方 (1)

現代文は、明治時代以降の年代で書かれた文章です。

現代文の要約のやり方のポイントは、段落に注目することから始めることです。段落には型式段落と意味段落がありますが、ここで注目するのは、意味段落です。

意味段落を一つのブロックと考えます。そして、意味段落に一つの要点があると考え、要点の抽出を行います。

そして要点の抽出を行う前には、文章の中で何度か繰り返されているキーワードやキーセンテンスをチェックしておきましょう。なぜならキーワードおよびキーセンテンスの近くに文章作成者の主となる主張(要旨と考えます)があるからです。

また文中には、文章作成者の主張に反する言葉や文節がある場合があります。要約文の文字数の条件(制限)に余裕がある場合は、主張に反する文節も入れましょう。主張の根拠としている場合があるからです。

現代文の要約のやり方を短くまとめると以下の通りです。

1)元の文章を理解する。
2)主要な要点やキーワードを抽出する。
3)不要な詳細を省略する。
4)要約の長さを制限する。
5)文体を考慮し要約をまとめる。
6)文章の整理と再構成を行う。
7)要約の精度と的確さを確認する。
8)要約は、簡潔さと正確さを重視し、元の文章の主要なポイントを伝えることが目標です。

天声人語の要約のやり方

天声人語(てんせいじんご)とは、朝日新聞の朝刊に100年以上掲載されているコラムです。

社説のようにも見えますが、社説とは少し違います。社説とは、新聞社の論説委員が議論を行った上で新聞社の意向をまとめ記した公式の解説です。対して、天声人語とはベテランの論説委員が個人の視点から執筆しているものです。

天声人語の要約のやり方を詳しく説明します。

1)要約の目的を明確にする: 要約する前に、要約の目的を明確にします。天声人語の要約の目的は、記事の主要な意見や主張を短くまとめることです。

2)元の天声人語の記事を理解する: 要約するためには、元の記事を十分に理解することが重要です。記事全体の主題や論点、論証の構造を把握しましょう。

3)主要な意見や主張を抽出する: 天声人語は主張や意見を表明するための文章です。要約では、記事の中で最も重要な主張や意見を抽出しましょう。これには、論拠や具体的な例、著者のスタンスなどが含まれます。

4)重要なポイントを強調し、不要な詳細を省略する: 要約では、主要なポイントを強調し、重要度の低い情報や詳細を省略します。文章の長さや要約の目的に合わせて、必要な情報を選択しましょう。

5)文章を簡潔かつ明確にまとめる: 天声人語の要約では、簡潔な表現と明確な言葉遣いを心掛けましょう。論理的なフローを保ちながら、重要なポイントを明確に伝えるように要約します。

6)元の記事のトーンやスタイルに忠実に要約する: 天声人語は独特のスタイルやトーンを持っています。要約の際には、元の記事のスタイルやトーンに合わせて要約を作成しましょう。

7)要約の精度と的確さを確認する: 要約が完成したら、元の記事と照らし合わせて要約の精度と的確さを確認しましょう。要約が元の記事の主要な意見や主張を正確に反映しているかを確認します。

要約は、天声人語の主張や意見を的確に伝えるための重要なスキルです。練習を通じて要約の技術を向上させ、効果的な要約ができるようにしましょう。

要約のやり方:大学生の場合

大学生の場合、要約は読書レポートの中や、卒論などの論文に添付する要約として書く場合があります。

大学生にとっての要約とは、元となる文章(課題の書籍や文献、論文)に対する理解度を示す意味があると考えると良いでしょう。

大学生の場合の要約のやり方を以下にまとめます。

1)元の文章を理解する: 要約する前に、元の文章を十分に理解しましょう。文章の主題や論点、主要なアイデアを把握することが重要です。

2)要点を抽出する: 元の文章から主要な要点やキーワードを見つけ出しましょう。重要な情報や著者の主張、サポートする証拠などを特定します。

3)内容の簡潔化: 要約では、本質的な情報に絞り込みます。冗長な表現や繰り返しを省略し、要点を簡潔にまとめます。

4)要約の目的に合わせた焦点の絞り込み: 要約の目的に応じて、特定の情報や視点に焦点を当てましょう。要約を使用する目的や読者の関心に合わせて、要約の焦点を絞り込むことが重要です。

5)要約の文体と語彙の選択: 要約の文体や語彙は、元の文章に合わせる必要があります。学術的な文章であれば形式的な表現を選び、一般的な記事であれば一般的な語彙を使用します。

6)文章の整理と再構成: 要約では、元の文章の流れや論理を維持しながら、より簡潔な形でまとめます。論点を結びつけるために、文やパラグラフを適切に組織化しましょう。

7)要約の精度と的確さを確認する: 要約が完成したら、もう一度元の文章と照らし合わせて要約の精度と的確さを確認しましょう。要約が元の文章の主要なポイントを正確に伝えているかを確認します。

大学生は論文や研究文書の要約を作成することもありますので、要約のスキルを磨くことは重要です。練習を重ねて要約の技術を向上させ、効果的な要約ができるようにしましょう。

chatGPTによる要約のやり方

ChatGPTによる要約のやり方は以下の通りです。

1)元の文章を理解する: 要約する前に、ChatGPTは元の文章を理解する必要があります。文章を入力として与え、内容を理解するためにモデルをトレーニングすることが重要です。

2)要点を抽出する: ChatGPTは、与えられた文章から主要な要点やキーワードを抽出します。モデルは文章のパターンや関連性を学習しており、重要な情報を抽出する傾向があります。

3)簡潔にまとめる: ChatGPTは自然言語生成モデルであり、生成されるテキストは比較的長くなる傾向があります。要約を短くまとめるためには、生成されたテキストを簡潔に編集する必要があります。

4)文章の流れを維持する: 要約では、元の文章の主要なアイデアや論理的な流れを保つことが重要です。ChatGPTが要約を生成する際にも、文章の整合性と論理性を保つように注意しましょう。

5)要約の精度を確認する: ChatGPTによる要約の場合、自動生成されるため、要約の精度を確認することが重要です。生成された要約が元の文章の主要なポイントや意味を正確に捉えているかを確認し、必要に応じて修正や微調整を行いましょう。

ChatGPTは、言語モデルとして要約のタスクにも利用できますが、人間による要約と比べて完全に自動化するのは難しい場合もあります。要約の品質を向上させるためには、モデルのトレーニングデータやチューニング方法の最適化など、さまざまなアプローチが必要になる場合があります。

社説の要約のやり方

新聞の社説やニュースを要約することは、要約の良いトレーニングになると言われます。

文字数はさまざまですが、社説は1000文字〜1500文字程度書かれていることが多いですが、これを要約するのです。文字数を少なく制限するほど、要約の難易度は上がります。

まずは150〜200文字程度に要約する練習から始めると良いです。やはり要旨を見つけ、要点を抽出し、まとめて要約をします。

見出しはある意味では、究極の要約とも言えますが見出しを真似しては練習になりませんので、自分で要旨と要点を見つけます。新聞の場合、記事(社説・ニュース)の中で最も伝えたいことは、序文の中で示されているはずです。

要約のやり方|高校生の場合

要約のやり方が高校生と大学生で違うと言いましても、要旨を見つけ要点を抽出し要約文にまとめるという基本には変わりません。

大学生の場合は、レポートの中で要約と考察を行い、客観的な根拠(文献の引用などから)をもって自分の意見を示すケースが多いはずです。

高校生の場合は、要約を書くという課題があります。大学生との違いがあるのは、自分の意見を入れないことです。課題で要約を書く場合、採点されるのは課題となる文章に対する理解度です。自分の意見は求められない限りは不要なのです。

小説の要約のやり方

小説を要約するという課題が出る場合があります。

まず要約とあらすじはは別のことであると理解しなければなりません。当然、「要約しなさい」という課題に対して、あらすじを書いて提出しても、良い評価はされません。減点か再提出をするように求められる可能性があります。

あらすじ(粗筋)は、言葉通り物語のあらい筋道を、流れに沿って、書いたものです。

要約は、著者が全体を通して、何を一番に主張(要旨)しているのか、関連する重要ポイント(要点)は何かを抜き出して、短くまとめたものです。

小説の場合、著者の主張は人物のセリフの中で表現されていることが多いことに注意が必要です。論文等とは違います。

文章の要約のやり方

社会人になると、要約する対象がかわります。学生が要約するのは、誰かが書いた本や文章が対象です。しかし社会人の場合、すでにある資料を要約する場面もありますが、自分自身の説明(主張)などについて要約することになるのです。

そして業務上のほとんどの場合で、要約することが必要になります。要約するのは、報告書や計画書などの文書を書く場面に限りません。

上司や先輩から質問を受けて回答する場合や、会議で発言する場合、取引先への説明の場面などでも、話す文章を短い表現でわかりやすくすることが求められます。常に文章を整理(場面に応じて文章を削るなど)して伝えることが習慣になります。

多くの場合、口頭で使う文章は概要的な表現になり簡潔に要約されている必要があり、詳細については文書で提出というパターンが多いと思います。しかし文書においても、要約した概要説明と詳細説明は分けて書く必要があります。

ケースに応じて使い分ける必要があるのです。

まとめ

要点が難しいとされるのは、どこが要点なのか見分けがつかないと思うからかもしれません。

その原因は、対象となる本や文章の要旨を見つけられていない可能性があります。要旨は全体を通じて伝えたいことです。考えるというよりも、見つけるという感覚に近いです。そして要点は要旨に関連していなければ、要点になりません。重要そうに見えたとしても、それは単に補足説明なのかもしれません。

本や文章の場合は、タイトルや見出しや序文の中にヒントがあるはずです。

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