覚えているでしょうか。実は、「文章を要約する」「文章を短くわかりやすくまとめる」ということは、小学校・中学校の頃から始まっています。
そして大学・就職後の会社でも同じように、文章を要約するという場面がずっと続くのです。
企業によっては、ビジネス書を題材にして、読書レポートを書く(文章力や要約力を把握される)ようにもとめられたり、会社員であれば、報告書・計画書・稟議書などといった書類提出の場面は必須です。
また社内のコミュニケーションもメールが主であり、「文章を要約する」「要点をまとめてわかりやすくする」力が必要になります。
ですので、「要約は苦手です」「文章力には自信がありません」などといっていると、仕事ができない人になってします。
実際に40代50代の人がパソコンの前で苦しんでいる人を見れば分かる通りです。ただ、要約力も文章力は40代でも50代になってでも、自分にその気があれば身につけられるスキルです。
小論文などの要約のコツは文章によって構成を変えること
要約文を書くための基本なコツは、当サイトで複数の記事の中で紹介しています。ポイントに合わせて要約について紹介しています。
また要約は要点を抑えて簡潔にまとめることです。
ただ文章の種類によっては、要約文として書く場合に文章構成の違いがあります。
参考になれば幸いです。
物語を要約するコツ
物語を要約するときに、要約を書いているのか、あらすじを書いているのかが、自分でよくわからなくなってしまう時があるかもしれません。(意外とありがち)
まず、「あらすじ」と「要約」の違いについて、確認して置く必要があります。
あらすじとは、物語が展開していく順序が説明的に書かれており、展開の筋道が見えるものです。
要約とは、何文字に要約するのか、によっての違いがありますが、基本的には要約は要点を整理してまとめることです。物語の展開の順序を気にすることはありません。作者の意図する最も大事な筋(要旨)を見つけることが、コツになります。
そして、指示された文字数に収めるように、要旨につながる要点を抽出して、繋いでいきます。
小論文を要約するコツ
小論文は、3つの構成から書かれています。
多くの場合、一つのテーマがあり、まずそのテーマに対する意見(主張)があります。次に本論(本文)では、その理由が書かれており、最後に結論で主張を繰り返す、という構成になっているはずです。
特に本文では、理由の論証のためにいくつもの補足的な説明が加えられるはずです。
要約では、要点以外の補足的表現部分はカットします。例えば、具体例などは要約では省いても良い部分です。
そして要点を繋がりよくなるように、整理して繋いでいきます。これがコツです。
評論文の要約のコツは小論文と同じに
表論文の構成も小論文とほぼ同じです。
まず、テーマに対する主張があります。本文では、その主張が正しいことを証明するために、事実や評価を重ねます。そして、最後にまた、主張を繰り返します。
要約を書くコツは、基本的に小論文と同じと考えて良いです。
社内や社外への連絡や報告のメールも基本は要約
メールの文章も基本形は要約でできています。
相手の名前を書いたら、社交辞令の挨拶を書きます。その次は伝えたいことの本文や前置きなどがあると思いますが、書くべきは、要件です。
つまり結論です。今日は、何の件で何をしたくてメールを書いているのかを書くのです。
ただ伝えたいことがあるだけなのか、あるいは伝えることに対して検討してもらうのか、返事までもらおうとしているか、または何かをしてほしいのか、などです。関係性が深くないのなら、してもらいたいことは伏せて最後に書くという考え方もあります。(但し弱くなります)
伝えたい要件を書いた次には、具体的な内容について書いていくという構成になります。
NGなのは、文章の最後まで書いてきて、実は最後に何かをしてほしいという構成です。裏切られた感が残ります。伝えたいこと・してほしいことの結論から書き始めるのです。
天声人語の要約のコツ|新聞のコラムや社説
社説は新聞社の新聞社の主張や意見が掲載されています。一般的には、各新聞社の論説委員と呼ばれるベテラン記事が書いています。内容は、新聞社を代表した意見として書かれていますので、かなり真面目なものです。社説の要約の仕方は、当サイトの「社説を要約する」をご参照ください。
社説に対してコラムはもう少し緩めの感じで、心和ませる内容が多いです。「天声人語」は朝日新聞、読売新聞は「編集手帳」、毎日新聞は「余禄」のタイトルで書かれています。
全体構成は、社説と同様に、「序文・本文・結論」の形になっているはずです。
それぞれのブロックから要点を抽出します。最後の結論で書き手が要旨を述べているはずですので、各構成から、抽出した要点を繋がりよく、繋いでいくのがコツです。
ニュースの要約のコツ
ニュース・新聞記事は、一般的には事実と事実に関連することの報道です。
書き手の意図などは本来はありません。視点という意味ではあり得ます。
ですので、基本的に5W1Hの形におさめると良いです。
5W1Hは、「誰が・いつ・どこで・何をした・なぜ・どのように」の形に、整理をするのがコツです。
報告書等の社内文書の要約のコツ
会社内では、部署やプロジェクトに関して、報告書や稟議書、計画書や総括など、書類だらけであり、書類を書く文章力・要約力がないと、なかなか大変です。
文章は当然要約して書くことになります。何文字に要約するのかは、書類の種類にもよりますが、社内ルールがあるはずですので、確かめてください。
報告者(発信者)としての意図を書く場合はありますが、一般的には1〜2行です。そのほかの部分は、基本的に、ニュースと同じように、事実に基づいた5W1Hが基本になります。
要約の中に、問題点の発見・対策や解決法の提案を書くのかどうかは、社内のルールをよく確かめてからにしておくと良いです。
まとめ
要約をするソースが、どんな種類の文章なのかによって要約の書き方のコツには、少し違いがあります。それは主に構成の違いです。
報告書なのか、顧客や取引先に伝えるメールの内容なのかによって、要約のコツには違いがあります。
要約ができてなく、気になることが次々と発せられるような、定性的・感情的な表現が入った「指示」や「報告」では、本当に重要なことや、重要度の順番が正確に相手に伝わりません。
その結果、「君の話は何を言いたいのかわからない」と言われてしまいます。そうならないように、要約の練習をしましょう。そして論理的に定量的な表現によって伝達できるようになることです。
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