本の要約をする仕方が、実は意外に応用する場面が多いことに気づいているでしょうか。
学校や大学においても、社会人になっても、本や文書などを「わかりやすくまとめてください」という場面があります。
むしろ、社会人になってからは、社内の報告書や稟議書、社外との取引に関係するコミュニケーション、また書面に限らず、プレゼンの場面、上司への口頭報告など、普段から「要約をする」ことがたくさんあります。
気持ちや意見を、要約することを意識せずに、単純に口にして済んでいるのは、学生までの間です。社会人になって、社内のコミュニケーションが上手くいかない、うまく話せない、言いたいことが言葉にしにくいというのは、根っこは要点をまとめて伝えることが苦手であったり、要約することに慣れていないからです。
本の要約の仕方は要点を抽出し要旨に沿ってまとめる

当記事では、様々な場面で必要になる、要点をまとめる=「要約する」能力を身につけるための仕方について、解説します。
取り掛かりがしやすいのは、本の要約です。
要約の仕方の一番は要点を抽出すること
要約する・まとめることが苦手な人は、本(あるいは文書)の全体から、新たな文章を生み出そうと考える癖があるのだと思います。それは間違いではなく、高等な要約方法としては正しいのですが、一般的な要約では、文書の中にあるいくつかの要点を選び出し、それを繋がりよく、くっつけることです。
これが要約するスキルの基本です。このスキルを本を要約することを何度と試していくうちにレベルアップしていくのです。
要約と意訳の違い
苦手と考える人は、要約すること・まとめることを自分の意見を交えたものにしようと考える傾向があります。それは要約というよりも意訳に近いです。
意訳は本文の意味を変えない程度に自分の言葉で置き換えます。原型は無くなっても問題はありません。
逆に、要約は原文を基にまとめるものなので、自分の意見が混じったものは、要約ではなくなります。
また「あなたの意見を述べなさい」と言われているのでない限り、要約に自分の意見は不要です。社会人になって、会社に報告書を提出する場面で、非常に多くの人が間違えます。
報告書は、事実に基づいて、状況を分析し、上司に伝えるものです。むしろ意見が混じると報告書ではなくなり、私見になってしまいます。
ですので、要約は難しく考えることはありません。
まずは、「読書した本を要約する」ことについての手順・コツをベースに紹介します。
要約の仕方のコツ
本の内容を、まとめてわかりやすく、相手に伝える、という場面を想定して、練習をしてみてください。あくまでも読書感想文にはならないように気をつけることです。
読書感想文は、要約ではありません。本を読んで感じたことを整理してまとめる必要があります。
以下は、本を読書し、後で要約することの手順・コツです。
本を要約する文字数の条件を確認|何文字に要約するのか
まず、本をどのくらいまで要約するのか、確認することです。原文の何%、或いは何文字まで要約するのか、です。例えば、一般的なビジネス書の文字数は8万字から12万字とされます。究極的には、3行程度の150字前後にまとめることもあります。
例えば、「○○○○という本には、どんなことが書いてるの?」などと口頭で話す場面などは、まさに100字から150字程度が、限界でしょう。
文書で要約する場合には、流石に3行はないかもしれませんが、伝える相手が求める文字数がどの程度なのかを確認する必要があります。10万字の書籍を200字に要約するのか、もう少し掘り下げて1000字にするのかでは、要点のまとめ方が、まるで違うからです。

本の要約には要旨は何かを把握するのが最重要のコツ
要旨とは、著者が一番強く伝えたいと思っていることです。
先程の3行程度の要約をさらに絞り込んだものです。ただ、多くの場合、タイトルに表現されてることが多いので、見つけやすいです。
要約した文書は、要旨に沿った内容になっていなければなりません。

要約には要点を抽出することがコツ
原文の形態によっては、要点はわかりやすくできています。
もし、見出しが設定された原文であれば、見出しごとに要点があります。
もし、見出しはないが、段落かブロックで構成されているという文書であれば、それぞれに重要な一文があるはずです。それを見つけてください。

要約は全体構造は変えないことが重要
要約をするときに、自分自身の理解を織り交ぜがちになります。
その結果、抽出した要点の順番を変えてしまおうとする失敗があります。それは、要約ではなくなります。
要点を書き出して、行くときに、その順番は変えてはいけません。その順番には、著者の意図があるからです。
要約は要点を繋いで要約者として短くまとめる
要約は、要旨と要点を、抽出して並べただけではありません。
自分の意見を入れずに、文意に影響を及ぼさないように、要点を繋いで、合成をしていきます。
もし、専門用語が難解であれば、平易な表現に変えて、わかりやすくすることも必要です。繰り返しますが、要約には、自分の意見は必要ではありません。
それは、「意見を求められた」問いがある場合にだけ、要旨と要点をまとめた後に、自分の意見だとわかるように述べるものです。
要約の終わりかた
要約の終わり方は、先の文と重複しますが、意見を求めらられていないのであれば、特に必要はありません。
「以上」と記すか、「以上、何々についての要約」と記すかです。要約に合わせて、要約者の意見を求められているのであれば、最後に「私見ではありますが、」とはじめて意見を書き記せば良いです。

まとめ
要約する・文書をまとめる、ことに対しての具体的な要約の仕方や手順など、残念ながら、昔の学校や会社においても、教えてくれません。
上記の本の要約の仕方・手順について、お役立てくだされば、幸いです。
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